https://www.honyaclub.com/shop/g/g20984419/
『精霊を統べる者』読み。鍛冶靖子の精緻な翻訳が冴え渡り、女性表象キャラの各々の性格に応じて役割語が付与されたりされなかったりで、非常に読みやすかった。魔法とジンが隣人の歴史改変&SF。エジプト魔法省に務める女性エージェントが常に洒落たスーツと山高帽とステッキで事件解決に臨む。金属製の爪が武器で壁も登れちゃう女性が恋人で、近接格闘と記憶力と我の通し方に優れた女性後輩とバディを組む。フェミニズムが宣言され、20世紀初めの植民地支配にもNOと言う作り。ただ自分がこの時代の歴史に疎いため、改変ものの面白さや主張を受け取れきれていない。
特にはジンのバラエティ豊かさが好き。知識量でマウント取ってくる司書、ギャンブル依存の古物商、偏屈な〈ランプの魔神〉、守るべき人間がいる者、哲学、平和主義、彫刻家。彼らはジンという種族であり、ヒトと異なる存在ではあるが、決して「人外」とは名付けられない。種族の違いを排斥ではなく共生として描くところがよかった。
#読書
【宣伝】
アーシュラ・K・ル=グウィンの創作指南本『文体の舵をとれ』について、訳者の大久保さん、「文舵」合評会主宰の大戸さんとお話した記事が公開されました。見てますか、ル=グウィン先生……っ!
大久保さんによる「文舵」バックグランドの話題も超面白いです! 必読!
本格的に合評会の運営について踏み込んだ第2回は、明後日の7/3(水)公開とのことです。
https://www.filmart.co.jp/pickup/32457/
なお、本記事の参加者プロフィールにて、創元SF短編賞受賞後第一作の情報が公開されています(なんでここで?!)
というわけで、発売はもう少し先になりますが、『紙魚の手帖vol.18』掲載の「狼を装う」のほうもどうぞ、よろしくお願いします。(※公表の許可はもらっております)
今は扉絵が届いて最高になっているところです。扉絵を依頼したいイラストレーター発表ドラゴンになったら頼めました。ヤッター! 嬉しすぎ!
直前のお知らせとなり恐縮です。
電子書籍派のみなさま、お待たせいたしました。『ウィンズテイル・テイルズ 封印の繭と運命の標(しるべ)』電子書籍版が明日7/3より配信されます。現在各電子書籍ストアで絶賛予約受け付け中。
よろしくお願いいたします。
https://www.shueisha.co.jp/books/items/contents.html?isbn=978-4-08-744653-1
お知らせです。
〈記憶翻訳者〉シリーズの続編、『記憶翻訳者 あなたに遺す物語』をKindle direct publishingで頒布開始いたしました。『風牙』(『記憶翻訳者 いつか光になる』『記憶翻訳者 みなもとに還る』)、『追憶の杜』に繋がる物語です。
冒頭部分の試し読みが可能で、kindle unlimitedに登録されている方は無料でお読みいただけます。
Ugh, I just did the math. I have to write 1,215 words per day for the rest of the write-a-thon to meet my goal. I thought I was ahead!
https://clarionwriteathon.com/members/profile.php?writerid=985677
ローマ教皇フランシスコは7日、ポピュリスト政治と「イデオロギーのくず」と表現するものを非難し、世界の多くの地域で民主主義が不健全な状態にあると警告した。
“「安易な解決策にだまされないようにしよう。代わりに、共通の善に熱意を持とう」”
https://jp.reuters.com/world/us/7INAFHBPE5OYHHTRXQH3GJNYEQ-2024-07-08/
感想:
「共通善」はアリストテレスの用語です。
ローマ教皇の発言は、宗教的なメッセージと非宗教的なメッセージがはっきり区別されている。
非宗教的なメッセージでは、キリスト教ではなく、国際人権や倫理学のフレームを使っていることに注意(もちろんキリスト教に矛盾しない内容だが)。
国際人権と倫理学は世界の共通言語。
先日、骨などの硬組織にも感染する可能性という話を見かけたのだけど、何とも得体の知れないウイルスだなぁ。
新型コロナの後遺症「ロングCOVID」に悩む患者の全身スキャンで「体中の組織でT細胞が異常に活性化」していることが明らかに - GIGAZINE
https://gigazine.net/news/20240708-covid-long-term-immune-effects/
テンセント版の三体がPrime Videoに来たよ!
Netflix版を観た人にもお勧めします。
レゴランド・ジャパン、認定自閉症センターに 日本初 - ITmedia NEWS https://www.itmedia.co.jp/news/articles/2406/27/news165.html
杉江松恋さんとの月例SFレビュー番組「これって、SF?」、6月号(5月刊行分)その3です。
私は、日本SF作家クラブ編『地球へのSF』(ハヤカワ文庫JA)を取り上げました。
大きく“地球”をテーマにした22編から成るアンソロジーです。ベテランから新鋭まで幅広い作家が参加しています。地球規模の~、環境、経済、生態系など、切り口も多彩。収録作が多いので、悩みつつ3作に絞って紹介しました。その1で紹介した『シリコンバレーのドローン海賊』との併読もおすすめです。
杉江さんが紹介されたのは、池澤春菜『わたしは孤独な星のように』(早川書房)です。
声優やエッセイストとしても活躍する著者にとって、初めての小説集。さまざまな分野に挑戦してきた経験からくる題材選びと、それに応じて選択される文体の多彩さに唸らされました。個人的には、弔いの静謐さと凛とした清々しさが同居する表題作が好み。全体を通して、芯の強さを感じさせる作品集です。
https://www.youtube.com/watch?si=WE4tsomcfyZ7LIoV&v=s7H00xUxPgY&feature=youtu.be
書店在庫情報プロジェクト(一般財団法人出版文化産業振興財団、カーリル、版元ドットコムの三社が運営)に期待!
>2024年6月21日(金)の公開日に横断検索できる書店は、ブックファースト・大垣書店・くまざわ書店・今井書店のグループと都内の小川書店
>横断検索結果とリンクしているサイトはカーリル、版元ドットコム、青弓社、スタイルノート、ポット出版。
https://info.openbs.jp/news/first-step
Voyager 1 Returning Science Data From All Four Instruments
The spacecraft is conducting normal science operations for the first time following a technical issue that arose in November 2023. The four instruments study plasma waves, magnetic fields, and particles.
気候変動対策が後退するかもしれないって所がまず怖い。
大量破壊兵器さえ使わなければ地球規模の破局ってのは戦乱では起きないけど、気候変動じゃ現在進行系で起きているのに。
【解説】 欧州議会選での極右の躍進、何を意味するのか 団結には困難も - BBCニュース
我々は何を見せられているのだ😧
とんだディストピアだ
“この研究で大規模言語モデル(LLM)は「フィッシングの全行程」を自動化することができることを研究者らは明らかにした。情報を集め、ターゲットを選別して、メールを作成するといったコストをAIによって、95%削減することができるという。
「そのため、今後数年でフィッシングは劇的に悪質さを増し、数も増えることになるだろう」と著者らは書いている。”
#AI
→近い将来、オンライン詐欺はAI同士の戦いになる | Business Insider Japan
こちらの記事で『大阪SFアンソロジー』をご紹介いただきました!
玖馬巌さん「みをつくしの人形遣いたち」がピックアップされています。
知財ハンターがオススメする「SFの世界を描いた本」【知を読む】
https://chizaizukan.com/pickup/column/5YFwOYKNiCqsjocrQdEAg7//
玖馬巌さんの改題記事もおすすめです!
科学・芸術・大阪の未来のすがた:SF短編『みをつくしの人形遣いたち』| 玖馬巌@くまラボ @qumaiwao #note https://note.com/qiwao/n/nc1f2030ac1de?sub_rt=share_sb
本日発表されたネビュラ賞の話題。
長編部門受賞作のヴァジラ・チャンドラセケラThe Saint of Bright Doorsは、ちょうど某雑誌のSF特集のために200文字感想を書き下ろしたところでした。
ミエヴィル作品に例えている人がいたのも読んだ動機のひとつです。
主人公は、母によってカリスマ的指導者である父を破滅させ、あらゆる破戒を遂げるよう幼少期から教育されてきたフェッター(足かせ)です。
成長した彼は大都市に上京し……マッチングアプリで彼氏を見つけ、超能力者の家族から政治活動家まで所属する地方民の自助グループに参加して、新規上京者の助けになってくれるヤツという定評を得て、普通に暮らすのでした。
しかし父親の熱狂的信者たちが毎年クラウドファンディングで彼を都市に招聘しようとしているのが発覚。運営に通報してみても阻止できません。
はたして母親の言うとおり、暴力のみが世界を変える唯一の方法なのか?
体制の監視や管理に個人はあらがいきれるのか?
社会批判、現代批判色の強い幻想文学です。
なお私も各所の書評で勉強したのですが、本書のモチーフのひとつは釈迦が妻子を捨てた話。主人公は息子のラーフラにあたります。
ネビュラ賞の最新受賞作&候補作一覧はこちらです。
映像表現部門は『バービー』
ゲームライティング部門は『バルダーズ・ゲート3』
https://nebulas.sfwa.org/award-year/2023/
恵投御礼! 日下三蔵さまから頂きました!
旧鳥でジュブナイルの話題が盛り上がっていたとき「小学校のとき読んだ「おれたつの」→「折れた角」というキャラが出てくる作品が好きだったのにタイトルがわからない」とツイートしたら、編者の日下さんからそれは都筑道夫の「妖怪紳士」だと教えて頂き、そのうえ日下さん編集の都筑道夫少年小説コレクション「妖怪紳士」を贈呈頂く、という奇跡のようなことが起きました。
五十数年ぶりに手にした「妖怪紳士」……感無量です… 「妖怪紳士」と続編である第二部、それに「ぼくボクとぼく」が収録されています。
私が読んだ版はおそらくソノラマ版で、続編の方は入っていなかったからこちらは初読。
大人向けの都筑道夫作品では「銀河盗賊ビリイ・アレグロ」「未来警察殺人課」が好きでした。小学生のとき「妖怪紳士」が好きだったことなんてすっかり忘れて読んでいたんですよね。
SF読者、1965年生まれ
http://in-our-block.cocolog-nifty.com/koushin/