少し前に話題になっていた、ウィリアム・ギブスンの電子書籍版がずらっと出たのでずらずらっと買います。
https://www.amazon.co.jp/s?k=ウィリアム・ギブスン+ハヤカワ&i=digital-text&__mk_ja_JP=カタカナ&crid=15DLEPW13XGB4&sprefix=ウィリアム+ギブスン+ハヤカワ,digital-text,177&ref=nb_sb_noss
お、hontoは25%オフクーポンが使えるっぽい。
https://honto.jp/ebook/search_0750_022_09-saledate_10ウィリアム・ギブスン.html?cid=ip_hb_hs_01&slm=3&tbty=2
直木賞、今回は『藍を継ぐ海』が候補作中唯一の既読。どこでも取り上げる機会がなかったんだけど、良質な科学小説短篇集でした。
とくに長崎の空き家で見つかった謎の岩石やガラスの秘密をめぐる「祈りの破片」がとても良かった。偶然、宮西建礼「もしもぼくらが生まれていたら」の直後に読んだので、いっそう印象に残りました。
他の候補作では『よむよむかたる』『飽くなき地景』『虚の伽藍』が積ん読です。
https://www.shinchosha.co.jp/book/336214/
(間違って消してしまったので再投稿です)
90年代からSFマガジンを読み始めた私にとっては、思い出深い作品のひとつです。駒田寿郎のイラストも印象的でした。
中でも〈エルギスキ〉の3話「治療師」が載った93年10月号は、久美沙織「病院船」、マクドナルド「キリマンジャロへ」、マコーリイ「遺伝子戦争」、コーニイ「甘やかな夏、荒ぶる冬」と好きな話ばっかり載ってて、マイ・オールタイム・ベストSFMの中でもかなり上位に入ります。
森下一仁氏の傑作長編SF『エルギスキへの旅』を初めて書籍化
https://camp-fire.jp/projects/808407/view
先月出演したSFファン交流会「歴代未訳海外SF紹介というお仕事」のレポートを、大野万紀さんが上げてくださっています。
大野さんはじめ未訳SF紹介の先輩方のお名前がZoomの客席に見える中で緊張しましたが、二次会ではみなさんのお話もうかがえて楽しかったです。
https://www.thatta-online.com/thatta01/that439/SFFankou.htm
杉江松恋さんとの月例SFレビュー番組「これって、SF?」、11月号(10月刊行分)その3です。
杉江さんが壁井ユカコ『不機嫌な青春』(集英社)、私が韓松/山田和子訳『無限病院』(早川書房)を紹介しています。
https://www.youtube.com/watch?v=EqvhqFlTDLk
『不機嫌な青春』は『2.43 清陰高校男子バレー部』などで知られる作者によるSF短篇集です。
特殊能力と思春期の悩みを絡めた青春SFをはじめ、風船飛ばしから文通が始まったり、なぜかCDにこだわる少女と出会ったり、お話の作りも題材も懐かしいテイストが利いています。
https://www.hanmoto.com/bd/isbn/9784087718829
『無限病院』は中国SF四天王の一人に数えられる韓松の初邦訳長篇です。
本篇冒頭で主人公が総合病院に担ぎ込まれ、あとはタイトル通りひたすら病院と医療の話です。前半どこにつれて行かれるのか不安になりますが、後半は悪夢めいた世界はそのままにSF的にもスケールアップして行きます。
https://www.hanmoto.com/bd/isbn/9784152103697
杉江松恋さんとの月例SFレビュー番組「これって、SF?」、11月号(10月刊行分)その2です。今回は動画が2本に分かれています。
前編では私が人間六度『推しはまだ生きているか』(集英社)、後編では杉江さんが小川哲『スメラミシング』(河出書房新社)を紹介しています。
https://www.youtube.com/watch?v=hcIEN6dPapY
『推しはまだ生きているか』は〈小説すばる〉掲載の5篇から成る短篇集です。
閉鎖環境・終末世界・寄生生物・サイボーグといったいかにもSFな設定やガジェットと、持続可能性・推し活・婚活など現代的な要素がうまく組み合わせられていて、幅広い読者におすすめの一冊です。
https://www.hanmoto.com/bd/isbn/9784087718713
『スメラミシング』は〈文藝〉掲載作など6篇を収める短篇集です。
陰謀論テーマの表題作、八瀬童子×デリバリー「密林の殯」、聖書の秘密「七十人の翻訳者たち」など、信仰に関わる作品が並んでおり、初出時は懐かしい感じのSFだと思っていた「ちょっとした奇跡」もこの並びだとまた少し違う味わいになります。
https://www.hanmoto.com/bd/isbn/9784309032184
杉江松恋さんとの月例SFレビュー番組「これって、SF?」、11月号(10月刊行分)その1です。
杉江さんが朝井リョウ『生殖記』(小学館)、私がSFマガジン編集部編『BLSFアンソロジー 恋する星屑』(ハヤカワ文庫JA)を紹介しています。
https://www.youtube.com/watch?v=hujxF5FiVkc
『生殖記』は、作者にとって3年ぶりの長篇小説です。ある異様な語り手による特殊な視点からの、現代日本ひいては人類文明の観察記録という側面があり、SF読者が読んでもおもしろい作品になっています。
https://www.hanmoto.com/bd/isbn/9784093867306
『恋する星屑 BLSFアンソロジー』は〈SFマガジン〉で過去2回に渡って企画されたBLSF特集の掲載作に、書き下ろし2篇を加えたアンソロジーです。私はBLジャンルには明るくないのですが、主に種としての人類を描くSFと個への愛を描くBLの交点として読み応えがありました。
https://www.hanmoto.com/bd/isbn/9784150315825
【告知】
11月16日開催のSFファン交流会例会にて東茅子さん、鳴庭真人さん、香月祥宏さんと共に「歴代未訳海外SF紹介というお仕事」というテーマでお話することとなりました。歴史をお伺いしつつ、最悪な現実に立ち向かう力をくれる最新おすすめ海外SFについてご紹介する予定です。よろしくお願いいたします!
https://www.din.or.jp/~smaki/smaki/SF_F/
今週末のSFファン交流会に出演します。
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[日 時]2024年11月16日(土)午後2時〜4時(予定)
[会 場]オンライン(事前予約、Zoomシステム使用)
[テーマ]歴代未訳海外SF紹介というお仕事
[出演者]
東茅子さん(編集者、レビュアー)、鳴庭真人さん(翻訳家、英米SF紹介者)、香月祥宏さん(書評家)、紅坂紫さん(作家、翻訳者)
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現役の編集者、翻訳者がいらっしゃる中、今やほぼ国内・翻訳作品しか読んでいない私が登壇するのも申し訳ないのですが、主に思い出話を担当します。よろしくお願いします。
現役で未訳海外SFを紹介していた頃に取り上げた作家で思い出深いのは、SFマガジン編集部に直接推薦したパオロ・バチガルピ、おもしろいと思うけど確信が持てずに短篇一本を徹夜で繰り返し読んだケリー・リンク、『夏の涯ての島』に作品選定から関わり解説も書いたイアン・R・マクラウドです。
参加申し込みはこちらから。
https://ssl.form-mailer.jp/fms/3ab965d6812669
杉江松恋さんとの月例SFレビュー番組「これって、SF?」、10月号(9月刊行分)その3です。
私が円城塔『コード・ブッダ 機械仏教史縁起』(文藝春秋)、杉江さんが大恵和実編『日中競作唐代SFアンソロジー 長安ラッパー李白』(中央公論新社)を紹介しています。
https://www.youtube.com/watch?si=R7YRFf4apoFa3yGb&v=H9D8j5InC7w&feature=youtu.be
『コード・ブッダ』は、ブッダを名乗るコードの出現から“機械仏教”が広まってゆく過程を、実際の仏教史とコンピュータ史を綯い交ぜにしながら語ります。仏教の世界観をSF的に再解釈した、日本SFの伝統に連なる作品とも言えるでしょう。哲学的問答や小ネタの数々も楽しい。
https://www.hanmoto.com/bd/isbn/9784163918945
『長安ラッパー李白』は、日中合わせて8名の作家が競作した唐代SFアンソロジーです。表題作をはじめ、キチン質の外殻を持つ人馬一体の李世民、唐代の航空戦を描く牛筋皮パンクなど、実際の歴史と文化を踏まえた上でさらに突き抜けてゆくSF的想像力の共演が愉快な一冊。
https://www.hanmoto.com/bd/isbn/9784120058318
書評家/おはなしを読む人。 〈SFマガジン〉で国内SF書評連載中。杉江松恋さんのYoutubeチャンネル「ほんとなぞ」で、月例SF書評番組「これって、SF?」に出演中。たまに文庫解説やブックガイド記事なども書きます。日本SF作家クラブ会員。
読み聞かせボランティアとして、地元を中心におはなし会もやってます。