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杉江松恋さんとの月例SFレビュー番組「これって、SF?」、4月号(3月刊行分)その1です。

私は、田中空『未来経過観測員』(KADOKAWA)を紹介しました。漫画『タテの国』などで知られる作者の小説デビュー作で、私家版も話題になりましたが、書き下ろし一篇を加えて商業出版されました。
現在の延伸だけではたどり着けない、果ての果てを想像する楽しみが詰まったスケールの大きな作品です。この設定なら500年くらいまでの未来社会をスケッチして軽いオチをつけるのもアリだと思うのですが、5万年後まで突き抜けようというその心意気を買いたい。

杉江さんが紹介されたのは、ジリアン・マカリスター/梅津かおり訳『ロング・プレイス、ロング・タイム』(小学館文庫)です。
息子が殺人を犯した日を起点に、母親が少しずつ時間を逆行します。時間SFとしては若干緩いのですが、動画で述べた通り家族小説として沁みました。なぜ息子は罪を犯したのか、自分には何が出来た(出来なかった)のか――逆行するたびに思い悩むことは増えるのに、周囲との関係はいちいちリセットされる。とくに前半は、乳幼児期とはまた違う思春期ワンオペ育児の悩みに刺さります。
もちろん、特殊設定ミステリとしてもおもしろいです。
youtube.com/watch?v=cy2JlOj8qc

Yoshihiro KATSUKI さんがブースト

おはようございます。
遂に『ウィンズテイル・テイルズ 時不知の魔女と刻印の子』(集英社文庫)発売日です!
#dogs

Yoshihiro KATSUKI さんがブースト

【告知】
4月25日発売のSFマガジン2024年6月号にて、①NOVEL & SHORT STORY REVIEW欄での隔号連載が始まりました。②パレスチナ系アメリカ人作家ナディア・アフィフィによる短篇「バーレーン地下バザール」を翻訳致しました。それぞれの詳細を以下に記します

①2024年2月号にて「パレスチナSF特集」を執筆致しましたN&SSR欄を引き続き担当させて頂くこととなりました。2月号、6月号、10月号を担当していくこととなります。連載第一回目は「卒業&入学小説特集」、出会いと別れの多いこの時期読みたい短篇3作と長篇1作を紹介しております。

②パレスチナ特集で紹介したナディア・アフィフィ「バーレーン地下バザール」を翻訳致しました。ささやかな喜びを重ねていくことが死と暴力への抵抗になりうること、愛とケア、中東の歴史と未来など、様々なテーマの折り重なった傑作です。結末は、訳しながら何度も祈るような気持ちになりました。いま読んで頂きたい一作です。

近所に新しくできたうどん屋さんがおいしくて、ちょっとうれしいお昼どき。
コンクリート打ちっぱなしみたいな床で席間がやたらだだっ広いので今時の店とは思えないほど殺風景だけど、車椅子でどこでもストレスなく通れるようにしたんだって。激戦区だけど、頑張ってほしい。

風呂掃除の戦力が一人減ったので、風呂洗剤をエアジェットというやつにかえた。でも流すだけのやつ、どうしても信用しきれないんだよなあ。

キュキュット泡スプレーもけっきょくこすっちゃう。

youtube.com/watch?si=tNdCm8lxE

無事新年度を迎えたごほうびとして、ユニコーンオーバーロードを買うかどうかで迷っています。

杉江松恋さんとの月例SFレビュー番組「これって、SF?」、3月号(2月刊行分)その3です。

私は、松樹凛『射手座の香る夏』(創元日本SF叢書)を紹介しました。
全4篇収録の中短篇集です。動画中でも触れましたが、SF的な仕掛けを使った価値観の揺さぶりが実に巧みで、謎解き小説の要素もあり、収録作全て読み応えがあります。まずはWEB東京創元社マガジンで無料公開中の「十五までは神のうち」だけでも読んでみてください。

杉江さんは、3月刊の間宮改衣『ここはすべての夜明けまえ』(早川書房)を紹介されました。
〈SFマガジン〉掲載時から話題になっていたハヤカワSFコンテスト特別賞受賞作です。ひらがなを多用した文体を丁寧に読み進めるうちに、淡々とした中から語り手の感情の襞が浮かび上がってきます。「アスノヨゾラ哨戒班」「永瀬拓矢」といった固有名詞の使い方も上手い。
youtube.com/watch?v=dH-5mI9836

杉江松恋さんとの月例SFレビュー番組「これって、SF?」、3月号(2月刊行分)その2です。

私は、ラヴィ・ティドハー/茂木健訳『ロボットの夢の都市』(創元海外SF叢書)を取り上げました。
遠い未来が舞台で、背景には膨大な設定(約20pの用語集つき)が詰め込まれているのに、どこか懐かしい手触りのロボットSFです。過去のSFやゲームへのオマージュも随所に織り込まれています。

杉江さんが紹介されたのは、藍内友紀『天使と石ころ』(早川書房)です。
戦争に翻弄される少年少女を描いた戦争小説で、戦地でさまざまな役割を強いられつつ懸命に生きる子供たちの物語が胸に迫ります。ミリタリー描写は本格的で、SF的な設定も効果的に使われています。
youtube.com/watch?si=0f74FFTy4

杉江松恋さんとの月例SFレビュー番組「これって、SF?」、3月号(2月刊行分)その1です。

私は、ベンハミン・ラバトゥッツ/松本健二訳『恐るべき緑』(白水社)を取り上げました。
チリ人作家による虚実を交えた20世紀科学者列伝ですが、独特の読み味なのでどう紹介するか迷いながら喋りました。シュヴァルツシルト、シュレーディンガーなど、SF読者にはおなじみの名前も多数登場します。日本人では(グロタンディークの章で)望月新一教授が重要な役割を果たしますが、ここのエピソードはたぶんほぼ創作ですね。

杉江さんが紹介されたのは、川崎大助『素浪人刑事 東京のふたつの城』(早川書房)です。
2020年代まで徳川幕府が続いている日本が舞台の改変歴史ものです。改変の核を成す部分は、現在早川書房のnoteで公開されています。こんな感じの世界で、帯刀した刑事が奮闘します。
動画中では中途半端になりそうだったので触れませんでしたが、杉江さんが指摘されている天皇制の扱いについては、過去の伝奇SF論でもしばしば問題になってきました。そこまで踏み込めば、本作もさらに読み応えのあるものになったでしょう。
youtube.com/watch?si=JYrPabzP3

本日発売の人間六度『スター・シェイカー』(ハヤカワ文庫JA)、解説を担当しました。第9回ハヤカワSFコンテスト大賞受賞作の文庫化です。
社会構造の変化もバトルも友情愛情も宇宙の存亡も、すべてを"テレポート"で貫いた一点突破が強烈な印象を残す快作です。中島かずき帯が強い。

文庫化に当たって、文章にもだいぶ手が入っています。 受賞時は良くも悪くも荒削りなところを中心に評価されることが多かったので、解説ではあえて少し細かいところ、勢いだけではない著者の長所だと思うところを、他の作品も絡めて書きました。

詳しくは触れませんでしたが、移動系能力者(白井黒子やジャンパーはもちろん、古くは8マンや009のような加速系、最近だと東堂葵や響凱みたいなトリッキーなやつ……)による異能バトルの系譜の置いてもおもしろい。
とにかく、今まで見た(読んだ)ことがない緊迫のテレポート・バトルが楽しめます。
hayakawa-online.co.jp/shopdeta

タイヤ履き替え待ち。
今シーズンは、冬タイヤじゃないと怖い、っていう日は2回くらいでしたね。でも安全には代えられないので。

Yoshihiro KATSUKI さんがブースト

お知らせです。
4/19に集英社文庫より『ウィンズテイル・テイルズ 時不知の魔女と刻印の子』を上梓します。なんの前触れもなく始まった相互理解不能の存在による侵略により、文化文明のほとんどが失われてしまった世界を舞台にした冒険譚です。

ちなみに大変大事なポイントですが、犬が! 活躍! します!!
その他好きなものをあれもこれもと詰め込んで、自由に楽しく書かせていただきました。麗らかな春に楽しんでいただけたら嬉しいです。

shueisha.co.jp/books/items/con

一週間ほど行方不明だった眼鏡が出てきたので気持ちの良い朝です。

Yoshihiro KATSUKI さんがブースト

2024年03月13日ごろ発売の『本の雑誌 特集:マジックリアリズムに酔い痴れて』掲載の「世界マジックリアリズム全集を作ろう」座談会に石川美南さん、藤ふくろうさんと共に私(橋本輝幸)も参加しています。
『百年の孤独』文庫化にあわせた特集ですね。

>『百年の孤独』文庫化の刊行時期を新潮社に取材するとともに、マジックリアリズム総ざらいから、語ることのカタルシス、『百年の孤独』を代わりに読むとこうなる論に読者の『百年の孤独』体験、そして「世界マジックリアリズム全集」全35巻編纂座談会まで、ガルシア=マルケス的世界にぐぐいと迫る、麦焼酎を愛する人も酔いしれる魔術的特集なのだ!
webdoku.jp/honshi/

ここが底値だ! と思って先週買ったコートがもう一段値下げされていて、ちょっとくやしい。色違い買っちゃおうかな……。

ユニコーンオーバーロードやりたいな。

全体の特集は「BLとSF」の第二弾です。
今月の「これって、SF?」の最後でも少し喋りましたが、高校時代(自分以外は先輩後輩含めて部員が全員女子のアニ研でした)いつも話題の中心だった方々と同じ誌面に載ってるって、なんか嘘みたいな感じです。
youtube.com/watch?si=i26HJZn5A

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お仕事告知です。

現在発売中の〈SFマガジン〉24年4月号、例によってSF BOOK SCOPE国内欄を担当しています。

ピックアップ1p
・夏海公司『セピア×セパレート 復活停止』(電撃文庫)

見開き2p
・森見登美彦『シャーロック・ホームズの凱旋』(中央公論新社)
・『万象3』(惑星と口笛ブックス)
・林譲治『知能侵蝕1』(ハヤカワ文庫JA)
・九段理江『東京都同情塔』(新潮社)
・なかむらあゆみ編『巣 徳島SFアンソロジー』(あゆみ書房)
・饗庭淵『対怪異アンドロイド開発研究室』(KADOKAWA)
・北里紗月『赫き女王』(光文社)
・小塚原旬『機工審査官テオ・アルベールと永久機関の夢』(ハヤカワ文庫JA)
・貫井徳郎『龍の墓』(双葉社)
・紺野天龍『ソードアート・オンライン オルタナティブ ミステリ・ラビリンス 迷宮館の殺人』(電撃文庫)

以上10冊を紹介しています。
今回は国内ピックアップが私の他にも2冊(『奏で手のヌフレツン』『不夜島』)あったので、見開きでは、ジャンルSFの中心からはすこし外れますがSFファンの興味を引きそうなものを多く取り上げています。
巻末近況欄で2作触れた他、いくつかこぼれてしまったものもありますが、次回拾えれば。

杉江松恋さんとの月例SFレビュー番組「これって、SF?」、2月号(1月刊行分)その3です。

私は、1月号で取り上げ損ねた、昨年12月刊行の中村融編『宇宙探査SF傑作選 星、はるか遠く』(創元SF文庫)を紹介しました。
1960年代の作品を中心に編まれたアンソロジーです。いま読んでも楽しめる宇宙SFの秀作が揃っており、読者のSF歴に応じていろんな楽しみ方ができると思います。
動画では触れてませんが、ハリスン、ディクスンの並びは作者・作品ともに良いですね。ちなみに、先月『宇宙の果ての本屋』の「水星播種」を読んで思い出したブリッシュ作品というのは、本書巻末の「表面張力」でした。

杉江さんが紹介されたのは、芥川賞受賞作、九段理江『東京都同情塔』(新潮社)です。
AI使用が話題になりましたが、ザハ案の国立競技場が実際に建設されたもうひとつの東京を描く改変世界ものでもあります。
私は、言葉-建築-街……抽象にかたちを与えるものについての小説として興味深く読みました。動画中ではもごもご言ってますが、ザハ国立と同情塔が同じ視界に収まるイメージも、作中のさまざまな思想・考察と共鳴して秀逸だと思います。
youtube.com/watch?si=L7gzaT9-E

今年もおはなし会の依頼が届き始めました。新年度の計画を立てる時期なんでしょう。
昨年、豪雨被害で開催できなかった施設からも。ありがたいことです。

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様々な目的に使える、日本の汎用マストドンサーバーです。安定した利用環境と、多数の独自機能を提供しています。