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杉江松恋さんとの月例SFレビュー番組「これって、SF?」、3月号(2月刊行分)その1です。

私は、ベンハミン・ラバトゥッツ/松本健二訳『恐るべき緑』(白水社)を取り上げました。
チリ人作家による虚実を交えた20世紀科学者列伝ですが、独特の読み味なのでどう紹介するか迷いながら喋りました。シュヴァルツシルト、シュレーディンガーなど、SF読者にはおなじみの名前も多数登場します。日本人では(グロタンディークの章で)望月新一教授が重要な役割を果たしますが、ここのエピソードはたぶんほぼ創作ですね。

杉江さんが紹介されたのは、川崎大助『素浪人刑事 東京のふたつの城』(早川書房)です。
2020年代まで徳川幕府が続いている日本が舞台の改変歴史ものです。改変の核を成す部分は、現在早川書房のnoteで公開されています。こんな感じの世界で、帯刀した刑事が奮闘します。
動画中では中途半端になりそうだったので触れませんでしたが、杉江さんが指摘されている天皇制の扱いについては、過去の伝奇SF論でもしばしば問題になってきました。そこまで踏み込めば、本作もさらに読み応えのあるものになったでしょう。
youtube.com/watch?si=JYrPabzP3

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