電車の中で読んでいる山田康弘『足利将軍たちの戦国乱世』(中公新書、2023年)、毛利・武田・上杉・本願寺など反信長派がどうして結束できなかったのかのところで、ジンメルを引いて、密接に団結し協力することにともなって「たがいの利害・方針の違いが鮮明になってしまい、これが溝を生じさせる」とあって、なるほどーと思った。
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(安田純平さん続き)
04年のイラク人質事件では、被害者が「イラクを嫌いになれない」と言っただけでメディアは徹底的に叩いた。2015年にはシリアへの取材を構想しているという記事が出ただけでカメラマンが旅券を没収された。「また行くのか」の質問は、それが狙いか不勉強なだけのお気楽かどちらかしかない。
私は2015年のはるか前から「また行く」宣言などしていないし、現場行く前も行っている間も隠し続けてきた。現場に行くとか、いるとか開陳するのは、現場でも日本社会に対しても危険すぎる。そういう背景があっての会見対応。
「会見は全てが分かる」とか本気で思ってコメントして番組つくってるのか?
せめて番組に出した3人に改めて私に当てさせて、「あの会見は何だったのか」の番組にすればまだよかった。不勉強なお気楽記者が会見を見ただけで全てが分かる、とかいうトンデモ手抜き取材を誇るかのような番組をNHKの総合で流したというのが衝撃。
ちゃんとやると長くなるので、五月雨つまみ食い式になってしまった。これは改めて書く。
紛争地なんでどこも一緒だろ、こんなことすりゃチョロいだろ、くらいの感覚の人たちがメディアの中にも多すぎる。世界中の誰も取材できず、自分等は手も足もでなかった現場だという自覚くらいするべきでしょう。
(安田純平さん続き)
やっぱりクソ番組だった。
結局は、私がなぜ会見でそうした応対をしたのか、会見で話した事実関係は何なのか、という私に聞かないと分からない話を私に聞かずにつくった番組。日本社会における紛争地取材の位置づけも、シリア取材の実態も、何も勉強せずお気楽なまま質問し、5年近くたってもそのまま流す番組に意味あるのか?
例えばナレーションで「戦場では現地の状況に精通した地元ガイドが不可欠。安田さんも、シリア人ガイドを雇ったと述べた」とあったが、「雇った」なんて言っていない。2015年のイドリブ取材は武装組織への従軍でしか不可能で、ガイドや助手と回る現場ではない。従軍では入ったら相手に任せるしかない。
番組側の人物が「人が良すぎるというか、プフ〜(笑)」とネタにしていたが、世界中の“経験豊か”なジャーナリストもメディアも誰ひとり取材できなかったのが2015-2018年のイドリブ。その現場を取材できてもいない人の、全く違う現場の体験談をもとにトンチンカン話するなどただのデマ番組でしかない。
(安田純平さんのツイート↓)
本日、NHKが「ドキュメント記者会見▽ジャーナリスト・安田純平氏 帰国会見」という番組をやるらしいが、私自身には何の取材もない。「戦場取材のベテラン記者が感じた違和感」と書いてあるが、私に対してのことを私に一度も当てないで流すのなら確実にクソ番組なのだが。
https://tvguide.myjcom.jp/program/811165/
https://x.com/yasudajumpei/status/1703570752694632833?s=46&t=7ijHXvOVYdXMvERcNmfP7w
(安田さん続き)
番組をやるということと、会見についてのものという概要の説明文書が私の裁判の代理人に届いていて、私にも知らせてほしいとあった。
記者会見についての番組だから、場としての会見や出席した記者、取り上げた報道についての内容、ということで私への取材はあえてしなかったということかもしれない。
「本人の承諾が必要」という話ではない。必要なのは反論の機会。たとえ取材に応じない相手であっても最大限試みなければならない。
直接取材した相手でも、本人に当てていない話を書くならその前に改めて本人に当てろ。記者になって初日に、カクカク貧乏ゆすりするデスクにガンガンに言われたこと。
個人タクシー、80歳まで容認 国交省、過疎地の交通確保
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私は高齢者が起こした事故に"上級国民"などの言葉で憎悪があおられ、挙げ句、高齢者の運転一般が悪であるかのように自主返納を美徳とする機運が作られたことにめちゃくちゃ怒っている。
それでいて使いたいときだけこういうこと言い出すんだから本当にいい加減にしろやと思う。
中国新聞デジタルで拙著を紹介していただきました。会員限定ですが、無料登録で読めます:「質量ともに伝記決定版」【いかさミュージアム散歩】仁科会館|中国新聞デジタル https://www.chugoku-np.co.jp/articles/-/353264
官製歴史修正主義運動以降、四半世紀かけて育成された「岩盤保守」という固い客層の壮絶な争奪戦
自民「自民党です」
維新「第二自民党です」
国民「第三自民党です」
参政N国百田「新たな自民党支持者の選択肢です」
その他「新たなレイシストの選択肢です」
私「あの、左翼なんですがどうしたら?」
全員「「「「日本から出て行け!!」」」」 https://t.co/Zmvj6DRIm5
山口智美・斉藤正美『宗教右派とフェミニズム』(青弓社、2023年)刊行イベント【9月13日現在】
*参加申し込みはそれぞれのリンク先をご参照ください
■9月17日(日)13:00~14:30 山口智美×斉藤正美×荻上チキ「フェミニズムの『失われた30年』を振り返る 『宗教右派とフェミニズム』刊行記念」 https://wezz-y.com/archives/95759
■9月24日(日)14:00- 山口智美✕斉藤正美✕松尾亜紀子【バックラッシュにおけるフェミニズムの失敗とこれから】 https://etcbooks0924.peatix.com/
■10月7日(土)19:30〜21:30 斉藤正美×小林美香 司会:山田亜紀子【政策と広告を「読む」:リプロダクティブ・ヘルス/ライツを守るために】 https://bookcafe-sappho20231007.peatix.com/
精神科医の中井久夫 (2018)によれば「仲間はずし」及び「仲間はずれ」は、「いじめの過程における孤立化」である。中井は、いじめを「他人を支配したい」という権力欲にもとづき、他人を支配し言いなりにすることと定義し、「孤立化」「無力化」「透明化」の 3 つの段階を追って進んでいくとする(p.244)。孤立化作戦は、次のように行われる。第一に、標的化、すなわちいじめのターゲットを決める。誰かがマークされたことが周知され、標的にならなかった者が安心し、ターゲットにされた人から距離を置く。それでも距離を置かない者には、それが損であり、まかり間違うと身の破滅だよ、ということをちらつかせる(p.245)。
ちょっとビックウエーブに乗ってしまいましたが。
あの櫻井よしこのプロパガンダ、画像のような銃後の守りを高揚させるような目的なんでしょうね。
真面目にいえば猛抗議するべき案件でしょう。
しかしまあ、ネトウヨの犬笛になってるんだろうな、そしてそれなりの効果が出ちゃうんだろうな、という点において、この国が最高にヤバい状態なんだよなとは思ってます。
地方とコンサル的なもの
今朝パオンした都会の大学生が地方創生の提案をする企画もそうなんだけど、とにかく「田舎のよさを都会もんが発見してあげる」発想の地域おこしがまあもう本当に多い。
日本スゴイのいち形態として、当たり前すぎて日本人が見落としている日本のよさを外国人が発見して誉めそやすパターンがあるけど、都会と田舎にああいう幻想を当てはめてるんじゃなかろうか。
長年暮らしている地元民でも気付かない"可能性"や"問題点"を発見し正してやれると思っている都会もんの傲慢さもすごいけど、実害を出しているのはむしろ地方行政こそがこの発想に染まっていること。都会というのは、現実には地方から様々な搾取を行うことで都会たりえている面があるのに、それを無視して都会と地方が公平な競争の結果負けているかのような発想でいる。だから「勝ち組」の都会から知恵やセンスを拝借して挽回しようという発想になる。
そんで結局、ハード面では星野リゾート、ソフト面では吉本興業あたりが入ってきて、自治体の補助金でお試しだけやって儲かりそうなら好きなだけ搾取し、見込みがなければ去っていく。そしていずれにせよ「わが社の社会貢献の一例」として活用する。
だからね、学生時代からそういう認識を植え付けるのは本当にやめてほしいよ、こっちは実害を被るんですよ。
編集業。하야카와 타다노리 。『神国日本のトンデモ決戦生活』(合同出版→ちくま文庫)『原発ユートピア日本』(合同出版)『「愛国」の技法』(青弓社)『憎悪の広告』(共著、合同出版)『「日本スゴイ」のディストピア』(青弓社→朝日新聞出版)あり。 真理が我らを自由にする&労働が我らを自由にする。