(安田純平さんのツイート↓)
本日、NHKが「ドキュメント記者会見▽ジャーナリスト・安田純平氏 帰国会見」という番組をやるらしいが、私自身には何の取材もない。「戦場取材のベテラン記者が感じた違和感」と書いてあるが、私に対してのことを私に一度も当てないで流すのなら確実にクソ番組なのだが。
https://tvguide.myjcom.jp/program/811165/
https://x.com/yasudajumpei/status/1703570752694632833?s=46&t=7ijHXvOVYdXMvERcNmfP7w
(安田さん続き)
番組をやるということと、会見についてのものという概要の説明文書が私の裁判の代理人に届いていて、私にも知らせてほしいとあった。
記者会見についての番組だから、場としての会見や出席した記者、取り上げた報道についての内容、ということで私への取材はあえてしなかったということかもしれない。
「本人の承諾が必要」という話ではない。必要なのは反論の機会。たとえ取材に応じない相手であっても最大限試みなければならない。
直接取材した相手でも、本人に当てていない話を書くならその前に改めて本人に当てろ。記者になって初日に、カクカク貧乏ゆすりするデスクにガンガンに言われたこと。
(安田純平さん続き)
「また紛争地に行きますか」という質問を「軽いトス」のつもりで聞いたとか。「また行く」と言えば非難の嵐でそれ以外の事実の説明も全てが吹き飛ぶ。実際、メディアはこぞって「白紙」などと見出しを立てた。本来、「また行くかどうか」への評価は何があったかの事実の前提がなければできないが、↓
ほとんどのメディアの興味は「また行く」かどうか、謝るかどうか、泣くかどうかだけで、前提事実がデマだろうと気にしない。色がないだの思いを語らないだの表情を変えないだの涙を流さないだの、ネタにしたいだけの不勉強なお気楽記者にそんなオモチャを与えないために意識してやったに決まっている。
(安田純平さん続き)
04年のイラク人質事件では、被害者が「イラクを嫌いになれない」と言っただけでメディアは徹底的に叩いた。2015年にはシリアへの取材を構想しているという記事が出ただけでカメラマンが旅券を没収された。「また行くのか」の質問は、それが狙いか不勉強なだけのお気楽かどちらかしかない。
私は2015年のはるか前から「また行く」宣言などしていないし、現場行く前も行っている間も隠し続けてきた。現場に行くとか、いるとか開陳するのは、現場でも日本社会に対しても危険すぎる。そういう背景があっての会見対応。
「会見は全てが分かる」とか本気で思ってコメントして番組つくってるのか?
せめて番組に出した3人に改めて私に当てさせて、「あの会見は何だったのか」の番組にすればまだよかった。不勉強なお気楽記者が会見を見ただけで全てが分かる、とかいうトンデモ手抜き取材を誇るかのような番組をNHKの総合で流したというのが衝撃。
ちゃんとやると長くなるので、五月雨つまみ食い式になってしまった。これは改めて書く。
紛争地なんでどこも一緒だろ、こんなことすりゃチョロいだろ、くらいの感覚の人たちがメディアの中にも多すぎる。世界中の誰も取材できず、自分等は手も足もでなかった現場だという自覚くらいするべきでしょう。