自分が所属しているコミュニティとの歴史的連続性や答責性(世間ではアカウンタビリティという)を透明化させて、「前向きさ」を作ろうとする姿勢は、アメフト事件とのあいだに共通している。自分とは直接に関係ないケースを自己からどれくらい拡張し「自分たち」の話にできるか。私たちの社会が考える「信頼できる大人」、この世界を一緒に生きていきたいと思える大人になれるかは、そういう入り口をきちんと見つけられることにかかっている。
反省しろという話ではないんですね。これを自分だけの問題にしないという姿勢が求められている。彼個人を責める気ははじめからないが、この不幸な事件をきっかけとして、いい大人になってほしいなと思います。(2/2)
例の大学のアメフト問題に関して、部に所属する1年生のプレイヤーが廃部反対を訴えている記事を見た。組織としてみればタックル問題に続いて大麻問題を生じてしまったことは見逃せないし、構造的問題へのけじめとして廃部が選択肢に上がることは納得できる。一方で悪事に関わっていないプレイヤーを責めたり、連体責任論を押しつけることの問題も理解できる。こういう単純ではない問題こそが社会の問題だと思うわけです。
話は変わって、かつて留学生と日本人学生を交流させてきた立場からすると、既視感がある。「自分は戦争で何があったか知らないけれど、あるいは昔の日本人が戦争で迷惑をかけたかもしれないけれど、そういうのとは関係なく仲良くしよう!」、これ中国や韓国の学生と交流しようとする日本人学生に一定数出てくる典型です。そこから「若者同士の健全な交流」まで育つ場合もあるけど、寛容な留学生もだいたい凹みます。(1/2)
授業配信動画を作成する際にQuickTime Playerで収録し、Final Cut Proで編集ということを行っている。ところがスライドにある音声がうまく録音されない。外部音声はマイクを通じて録音できるが、要するに内部音声はキャプチャされないということでした。で、以下を見て対応。
Macで画面録画と音声を同時にキャプチャする方法:簡単な手順とおすすめのソフト
https://www.notta.ai/blog/mac-screen-recording
GitHubにBackgroundMusic.pkgなるものが公開されているので、これをインストールすると、いわばバーチャルな外部マイクとなって音源を選択できるようになる。少しのことにも先達はあらまほしきことなり。
20年ぶりに下井草で降りて、かつて通っていた鍼灸院で治療してもらった。施術者によって鍼の味とでも言うんだろうか、治る感じが結構違うものだが、それも色んな鍼灸師に診てもらってからの話。
20年間、バチッとはまる鍼灸を求め続けていたのは、最初の経験が20年前に味わった鍼で、それを忘れられないからだった。なんか怖い話ですね。
私のことはすっかり忘れていたご様子だったが、こちらはかつてのことをよく覚えている。昔は脈診、舌診、触診からの鍼だった。今は私の背中を見るなり、触りもせずにバキバキですねと看破し、手際よく鍼を打っていった。見ただけで分かるんですかと尋ねると、そりゃあ分かるよとのこと。20年で腕を上げられたんだなあと思う。
カーテン越しの隣の治療台で、なじみの患者さんと話す様子、ずいぶんべらんめえ調になって軽妙なトークを繰り広げている。お若いころはもっと他人行儀な接客でしたよ。
なんだか、身も心も軽くなる久しぶりの訪問でした。
施術後、これもまた20年前の定食屋がまだ残っていたので、750円のとんかつ定食をいただいて帰宅。
注意をそらすテクニック: 抱腹絶倒の実演(TED: Apollo Robbins) – Nobuyuki Kokai
世界一のスリとして名高いアポロ・ロビンス(Apollo Robbins)さんは、時計を盗みとりつつ、人間の興味深い反応を研究しています。抱腹絶倒の実演では、バイキング料理でも選ぶようにTEDGlobal 2013の参加者から一人を選びます。そして、見せてくれるのは、人間の知覚の弱点を利用して、財布を抜き取り、持ち主の肩に載せても全く気づかない様子です。TED の人気 25talks(The most popular talks of all time)に入っている楽しい講演です(^^)
学生から教わった「ハンボノ」。この呼称は韓国語=ハングゴと日本語=イルボノの混交形ですが、実際には韓国における日本からの借用語として使うようです。
韓国で日本ブーム! イエスジャパン現象の深層に迫る - NHK クローズアップ現代 全記録
https://www.nhk.or.jp/gendai/articles/4806/#:~:text=“ハンボノ”とは韓国語,本当にありがとう」という意味です。
韓国語と日本語を組み合わせたハンボノ < ソウルメイトコラム | ソウルメイト韓国語学校
https://s-koreanschool.com/column/c20230725_jp.html
クロ現では「マジコマウォヨ」みたいにして使うとのこと。日本でも「チンチャそれな」みたいな使い方があったと書いてある。
k-popが好きな学生は確かにそんな言い方をしている。写真をサジンと言ったり、プレゼントをソンムル(贈物)といった感じで。
だから何だという話題ですが、忘れないようにここにメモ。
入間にあるジョンソンタウンをお散歩していたら、アートギャラリーに出会った。「ミウラ折り」を使ったアート作品の展示。
miura-ori Art Gallery BIWAPOT について - biwahouse-gallery ページ!
https://biwahouse-gallery.jimdofree.com/about-us/
ミウラ折りとは、人工衛星を軌道上で開くときの折り方にも採用された技術で、ご存じの方もあるかもしれない(私は知らなかったが妻が知っていた)。すごく雑に言うと、平たいものをコンパクトに折りたたんで自然な形で開く折り方です。つぼみの中にある葉っぱやさなぎのなかの甲虫の羽なども、同じ理屈で折りたたまれているというから、面白いものですね。
大きな地図などを普通に畳むとごわついてすぐに開いてしまったり、一回開くと元に戻すのが大変だったり、果ては使っているうちに破れてしまうけれど、この折り方だとそれらが全て改善されるという。
私もワークショップ形式で折り方を教わってきました。
大きな方言地図などをミウラ折りでコンパクトに畳んで本に挟む、といったことを考えたりしました。日本言語地図のPDFをダウンロードして、あとで折りたたんでみようか。1枚単位で表紙を付けて配付したりしたら、フェスなんかでちょっと面白いかもしれない。 [添付: 5 枚の画像]
柳田国男『蝸牛考』(1930)を読んでいたら、サザエの壺焼きの「ツボ」は「ツブ貝」の「ツブ」と同語源であるという説を見て、興味深いと思った次第。確かに「円谷(つぶらや)」「つぶらな瞳」、「つぶつぶ」は丸いという意味を共有していて、それが丸い巻き貝である「ツブ貝」の語源と結びついているのはそれなりに納得のいく説ではある。
柳田は、「三浦三崎などでは栄螺をツボッカヒと謂ひ、又ツボ焼きといふ複合形に至つては、現に我々の標準語でさへもあるのである。」と述べている。
越谷吾山『物類称呼』(1775)でも、相州に「つぼっかい」という語形があるという。
日本国語大辞典によれば、貝類、特にサザエを殻のまま焼いて味付けしたものが壺焼きなのであって、サザエに限定しないようだが、近畿圏の方言研究者に聞いてみると、ツブ貝を焼いて食べるものは壺焼きって言うことがあるよということだった。やはり「つぶ」が「つぼ」と通じているのかもしれない。
なんかこの手の語源説は危ないことは危ない。調理の仕方が問われる案件です。
かつて学生に勧められて『東京卍リベンジャーズ』を読んだときに、価値観のアップデートのなされなさに相当驚いた記憶がある。大手少年誌である。
対極にあるジャンプラなどではその手の心配はほとんどないので、油断していたということなのかもしれない。しかしそれを言うとヤンキーもの自体が少年誌で成立しないということにもなり、難しい。ポリコレ的に正しいヤンキーマンガというのも形容矛盾であるようにも感じられる。
少年マガジンの作家の中に性暴力を好む人間が紛れている
https://anond.hatelabo.jp/20231024005450
で、これだ。(リンク先のリンクはかなりどぎついので耐性がない方は踏まない方が良い)
個人的には表現の自由は守られるべきものだろうけれど、ゾーニングを理由に許されるというならば、それを内心の自由に置き換えて児童への性犯罪の欲望を持つものが教員でもいいか、というと少なくともどこかで表明された時点で違う倫理に触れるに違いないと思う。同様に、本件もこれが世間に漏れてしまった時点で、倫理的な問題に不可避的に曝されてしまう。その時、問われるのは言うまでもなく出版社の倫理だろう。
バレなきゃ何をやってもいいとは思わない。しかしバレたらもうダメだということも世間にはあると思う。
今日、ネットの記事で、「湯を注ぐだけで簡単に白湯ができます」的な記述を見た。ん?ってなって、とんちきなこと言ってんなと思ったのですが、界隈にはまさかの湯と白湯は違うという考え方があるようです。
連れ合いにそういう広告を見たんだよ、つったらケラケラ笑って、それ見間違いじゃないか、という。いや確かにそう書いてあったんだよ。何を言っているのか分からねーと思うが!とかいうネットミームじゃないけども。
白湯とお湯の違いと効果とは!水道水からケトルやレンジでの作り方! | Sodate(ソダテ)
https://www.eyefulhome.jp/sodate/article/tips-boiled-water/
「40度以上の水が湯」で「一度沸騰させた状態で温かいやつが白湯」という。マジか。初耳だ。我らが日本国語大辞典は「沸かしただけで、何もまぜないで飲む湯。」とある。いや、それだろう。何も混ぜないというところに意味の中核があるはずだ。
いやー、何がすごいってこうやって商売がクリエイトされるわけですよ。私が見た広告は、このポットにお湯を注ぐだけでどこにでも白湯を持ち運べます的なやつだった。これぞ虚業。無から概念を作り出した人が胴元になる仕組み。
なんと湯を注ぐだけで白湯になるんですよー、で、わー便利って。界隈すごいな。
日本語学の研究者です。漢字音史、漢語アクセント史を文献ベースで狭くやってます。自己紹介的な論文に、「アニメ『ドラゴンボール』における「気」のアクセント─漢語アクセント形成史の断線から─」(日本語学2022年6月号)あり。データベース作ったり、自転車に乗ったり、珈琲を飲んだり、ジャム作ったりしています。https://researchmap.jp/read0135868