読了 M・W・クレイヴン/グレイラットの殺人
今作は時間軸や舞台が大掛かりだったため少し混乱しつつ読み進めることに。
登場人物が多かったりすると理解度が下がってしまう。
個人的に海外作品で苦手なのが名前だ。
同一人物に対してでも、複数の呼び名があったり、人や距離感によって呼び方が変わったり階級がついたりと、もう大混乱。
こんな人物いたっけ?と思ってページを戻っても出て来ておらず、文脈的から この人のニックネームだったのか!
と気付くこともしばしば…。
犯人に関しては、その手はずるい!と思わされるものだった。
作中に登場するUSBケーブル、作者あとがきでも書いてあったけど実在するものなので本当に注意が必要。
特に海外では見知らぬケーブルを安易に自分のデバイスに繋ぐと………。
物語結末ではフリンからの連絡を受けることになるポー。
次回作が楽しみ。
電話が来たあと、ポーの愛犬エドガーは無事散歩に行けたのかな
読了 M・W・クレイヴン/キュレーターの殺人
ワシントン・ポーシリーズ3作目。
起こりから結末まで哀しすぎる1冊だった。
事件の内容も、動機も発端も、本当の被害者の心理的状態や真相を知ることになったとしたら、その計り知れない重さやショックも、黒幕の結末も、ポーが選んだ選択も。
真っ黒な闇に触れてしまったブラッドショーの今後が心配。
今ではあまり聞かなくなった"ブルーウェールチャレンジ"(青い鯨)が事件に大きく関わってくる。
2016、2017年くらいから実際に始まったこのチャレンジ、ゲーム。
世界的にかなり大きな問題となっていた。
作内でも実際のそれと同様、人間心理を上手く操って使われる。
あと事件解決の一部に"イエロードットトラッキング"が使われていたのには、渋い!!と思わされた。
本作の肝である一連の黒幕についての感想を書くと必然的にネタバレに繋がるので書けないのが残念。
ポーはまたしてもとんでもない重荷を背負わされることになってしまった。
それでも海を越えてFBI捜査官の知り合いが出来たのは、彼の出生に関する真実を知るのに大きな役に立ちそう。
ここに関しても少しずつ物語は動いているので、楽しみではある。
#読書 #読了
シリーズ2作品、面白さが増してて一気読みに近いペースで読めた。
スリリングな展開でヒリヒリ感がありつつ、ブラッドショーの成長が著しくてホックホク
ブラッドショー可愛い
ポーに次々と襲いかかる問題もブラッドショーの存在が心強すぎる!
今作の事件は、まあ、陰惨なもので…。
どうやってこれを引っくり返していくんだ!?の連続だったけど、ポーとチームの踏ん張り、機転でねじ伏せていく様は爽快さすらあった。
次作が楽しみだしポーの今後、ブラッドショーの成長と楽しみ要素がいっぱいある。
読了 M・W・クレイヴン/ストーンサークルの殺人
いつぞやのKindleセールで安くなっていて、「ワシントン・ポー シリーズ」となっていたので気になった作品。
「ポー」という名前には条件反射で飛び付いてしまう
イギリス作家、イギリス舞台の作品なのにファーストネームがワシントンというのも気になった。
題名の通り、ストーンサークルで焼死体が発見されることから事件は転がっていく。
中盤までには犯人のあたりを付けやすかったけど納得出来ない部分が多い。
しかし後半から物語はゴロンゴロンと転がり始め、あー!そういう因縁が…と納得できる事実がどんどん出てくる。
ラストスパートは主人公である「ワシントン・ポー」の出自や謎のファーストネームの由来なども分かってきて、色々なものに対して歯痒い思いや怒りが湧いてくるほど。
最後までしっかりした結論は出ていないものの、良い希望がひとつ残されたのは読んでいる側、感情移入している側としては良かった。
シリーズというだけあってセール中に他にも買っているので、続編がとても楽しみ。
ポー、イギリス舞台というだけでロクに考えず買った作品だったけど大当たりだった!
#読書 #読了
再読 三島由紀夫/色々と
三島文学に定期的にどっぷり浸かりたくなる。
前回売ってしまったので急ぎ買い戻しをした。
まだまだ買い戻せてないけど、三島作品だけに集中して読めた。
花ざかりの森は豊饒の海作品への伏線だと毎回思うものの、どうしても深いところまでの理解は到底出来ない
文体、言葉遣い、詩的表現、比喩全てが美しく気持ちがいい。
たとえ内容や三島の意図などがほとんど理解出来なくても、一作品、いや一章でも読んでみてほしい
鹿鳴館に関しては戯曲作品集になっていて、小説形式ではなく台本形式で物語は進んでいく。
取っ付きやすい1冊だと思う。
2000年代になっても鹿鳴館は公演されているくらいの作品。
これからもチマチマと買い戻して、最後はしっかり読破したいもの。
読了 アンナ・カヴァン/アサイラム・ピース
世界観に引き込まれた1冊。
何か似た感想を持ったものを読んだような…と思ったがたぶんドグラ・マグラを読んだ時の感想かも。
ドグラ・マグラほど入り組んでいるわけではない。
それでも奇書といってもいいのでは?
逃げ場がなく追い詰められている心情や狂気がありつつも、静謐な雰囲気や美しい描写もありそこがまた狂気さを一層際立たせていたように思った。
具体的な物語といった風ではない。
それでもとても引き込まれる文章。
特に最後の1ページはグッと来る描写だった。
深く共感しながら読むと引っ張られすぎてしまいそうになる箇所もあったので、そういうところはサラーっと読んだ。
クセになる作者かも。
溢れるくらいの感想はあるものの、現代アートとか表現を観たときの感想のようなもので、自分の心にはあるけど上手く言語化して表に出せない!というもどかしさがある読後感だった。
長編も読んでみようと思う。
#読書
Kindleセールで横溝正史とクリスティが来てる
数冊買っておこう
#読書
読了 野﨑まど/タイタン
アムリタシリーズ以来の野﨑まど。
今作はSF小説だけど、単純なSF小説ではなくメインテーマは仕事。
この作品の世界では大半の人類は仕事をしておらず、する必要もない。
だからこそ主人公たちは難題にぶつかりまくるわけだけども、素敵な旅の中で様々なものを見て触れて話して体験していく。
終盤から忙しくなるけども最後の終わり方がなかなか好きで、洒落たオチをつけてくれたなあ…、と思った。
野﨑まどのSFでは「know」を読んだけどあれとはまた大きく違ったものになっていて楽しめた。
#読書
読了 中山七里/笑え、シャイロック
銀行物の作品。
取っ付きにくいかな、と思ったけど意外と読みやすかったです。
とは言っても耳慣れない言葉が出たりしましたが…。
主人公の回収屋さんがとんでもない上司の刺殺事件を受けて後を継ぐのですが、流石にちょっと都合好く進み過ぎ?と思ってしまいました。
それはさておき、中山作品では馴染みの団体が多数出て来て、ここでも活躍してたんだとなりました。
主人公の恋人の存在がとても大きいのが印象的で、こんな"人間ができた人"がいて堪るか!と悔し涙を流しつつ読み進めていました。
おやおや、意外性のまったくない人物が犯人でしたね、と高を括っていたら最後にしっかり引っ繰り返されました。
あからさまなミスリードに尻尾振って引っかかりました。
あ、そういえばそんな人いたわ!という人物が出てきて納得の結末です。
銀行屋さん、回収屋さんに対する解像度がもっと高ければ更におもしろい部分があったのかもしれません。
読了 村田沙耶香/生命式
短編集となっており、大体の作品が村田沙耶香!という味がしてとても良かった。
遠い遠い未来、少し極端な意見に左右されたらありえなくもない話、というのが村田作品の良さでもあり怖さでもあると思っているのですが、今作はそれが存分に発揮されていました。
表題作では火葬文化が消滅しつつあり、亡くなった人は調理をして食べ新たな命に繋げていく(ぼかしてぼかして)というもの。
さらに人間亡き後、火葬して無くしてしまうのは勿体無いし残酷だ!という世界では、家具などに再利用されていく。
骨などを使ったソファや皮を使ったシャンデリアなどは高級家具の代表作!
これはエド・ゲイン(絶対に調べてはいけない)
を思い出しつつ読んでいました。
あとは人皮装幀本なんかも有名ですよね。
他にもいい感じにずれているけど、もしかしたら身の回りにいるのかも…?と思わされるようなものから、ちょっと共感出来る!というものまで。
ゾワゾワワクワクしながら読むことが出来ました。
読了 米澤穂信/ インシテミル
ずっと読んだ気でいて、実は未読だったやつです。
ずっとリストに入ってるな読んだのに。と思って整理をしたところ未読が発覚
インシテミルの漢字が意外でした。
何個か意味を考えていましたがどれも当てはらまず。
私ならこの作品内のような時給の仕事には手を出したくないです!
ホストが用意している小物はミステリ好きには刺さるものばかり。
ノックスの十戒、そして誰もいなくなった のインディアン人形や色んなミステリ小説由来の凶器等々。
エピローグとして、生き残った実験の参加者たちのその後が描かれるわけですが二人を除いてみんな悲惨の極みでした。
須和名さんがとにかく怖い…
#読書
デボラ・インストールのロボット・イン・ザ シリーズ最新刊出たんだ
読み直したいけど、電子で買い直さないとだから気が重い…
タング可愛すぎるんだよな
#読書
読了 辻村深月/鍵のない夢を見る
短編集。
どれも狭いコミュニティや田舎の閉塞感などが上手く描かれており、いい意味で嫌な、暗い気持ちにさせてくれる1冊でした。
・現代男版八百屋お七物語かと思いきや、主人公女性の狭い世間や焦りが生み出した壮大な勘違いだった話
・容姿が整ったプライドが高く自信家の男子大学生と付き合ってる女性の常軌を逸したオチ
・ようやく待ち望んだ子供を出産して育児に勤しむ主人公、ある日ショッピングモールに行ってふと目を離した隙にベビーカーごと盗まれてしまう話
上の3つは特に来るものがあって好きでした。
2つめは、最後の最後凄い怖いけど、あーこの思考の人知ってるな…となって二重でゾワゾワしました。
最後もかなり強烈で女性の苦労や育児ノイローゼ的なもの、環境の変化などといったものが秀逸な描き方をされていて真に迫る作品でした。
巻末に林真理子さんと辻村深月さんの対談が掲載されているのですが、それも興味深く読むことが出来ました。
読了 辻村深月/朝が来る
不妊治療の末、結果として自分たちの子供を諦めた夫婦が特別養子縁組というものを知る。
一方でキチッキチッとした家庭に違和感や気持ち悪さを覚え始めた少女がいる。
彼女は中学生の時に同級生と恋人になり、妊娠をする。
この少女の物語がとても胸に来るものでした。
タイトル間違えたんじゃないの?夜が来るとか夜が続く、の方がしっくり来るぞ?
と思いつつ読んでいました。
最後の最後の最後になってやっとタイトルが回収され、そうなるとこの後というのがとても気になる!
彼女はどんな人生を今後歩んでいくことになるのか。
まさに子供が実親と養親にとっての夜明けとなり朝を連れてきてくれた。
#読書
読了 伊坂幸太郎/777 トリプルセブン
久し振りの殺し屋シリーズ書き下ろし!
天道虫が相も変わらず災難な目に遭い続ける作品。
よくこれだけ登場人物と舞台を広げて、綺麗にまとめることが出来るな、と毎度のことながら感動します。
エピローグではとある人物たちのその後がしっかり触れられていて、綺麗な終わり方でした。
世の中本当にこういう業者たちが暗躍しているなら末恐ろしい。
ホテルでこれだけ事件が起こっているのに、最後はほとんど表沙汰にならないという手際。
業者が結集して、一致団結したら国ばかりか世界をもひっくり返せるのでは…?と思ってしまうほど。
今作、一番気になったのは「チーズケーキと柚子胡椒の相性について」でした。
再読 伊坂幸太郎/死神シリーズ
死神の精度、死神の浮力の2冊。
「精度」は短編集となっており、どこかしらで以前"死神"である千葉が担当したことのある人物たちがどこかしらで繋がっている、という伊坂作品らしい面がある。
何度読んでも、個人的には最後の美容師の話が一番好き。
「浮力」は長編。
少し胸糞悪い内容になっているのだが、悪人側の結末はファンタジー色があるものの、考える程に恐ろしいもの。
どちらにも共通する登場人物、千葉という名前の"死神"のキャラクターは本当に愛おしいもので、世の中の死神へのイメージアップに繋がりそう。
この緊急時にすっとぼけたこと言ってんじゃない!とヤキモキする場面もあるけど、そこも含めて良さだと思う。
個人的伊坂作品の上位に食い込み続けているシリーズ。
個人的不動の1位は「砂漠」です。
五十嵐貴久 新刊お知らせ の通知が来たので、うおーーリカシリーズ最新刊来たのかと喜び勇んだけど別のシリーズでした
あぁ、やっとリカとリカの子供に会えると思ったのに
#読書
いやー、有栖川 有栖はやっぱり面白い
#読書
双極性障害(うつ型)とパニック障害、腰椎椎間板ヘルニアで闘病中の男です。
読書が趣味です。
から へ!