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再読 有栖川 有栖/江神二郎シリーズ 

有栖川 有栖のデビュー作から続く長寿シリーズ。
Kindle版で買い直して通しで読んでいました。

月光ゲーム(デビュー作)→孤島パズル→双頭の悪魔→女王国の城(上下)→江神二郎の洞察

初めて読んだのが小学生の頃で父の本棚から拝借しました。
これきっかけで所謂"フーダニット物本格ミステリ"にハマりました。

Kindleに移行するまで推理小説はメモ取りまくって、大体の犯人とトリックなどを割ってから解決編に進んでいました。
流石に電子でそれは中々難しいので、主人公の視点に立って一緒に物語を進んでいく読み方になりました。

本シリーズを読んでいると当時の事が思い出されて懐かしい気持ちになったり、有栖川 有栖は読みやすいし面白いしいいなー、と改めて認識出来ました。
気付けば父の部屋の本棚や本棚の中の独特な香り、部屋の様子などを思い出しつつ読み進めていました。

徹底的にメモをして矛盾点や相違点を書き出し、解決編直前では本よりも自分のメモを眺め回す読み方も楽しかったけど、物語に没入してただただ読み進めるのも面白い。

最後の短編集はいつ出るのか楽しみです。

読了 中山 七里/嗤う淑女 二人 

「カエル男」シリーズの有働さゆりが帰って来た!!
美智留とさゆりの最悪で最高なコンビが暴れ散らかします。

ある意味豪華な二人がとんでもない規模の事件を次々に起こしていく中、警察は見事に術中に嵌まり見当違いの捜査をしてしまいます。
さゆり絡みで御子柴や古手川も登場して、とにかく豪華な面々を巻き込みながら展開していく物語には手が止まりませんでした。

美智留の知能にさゆりの行動力が合わさるとこうなってしまうのか…と恐ろしいばかり。
しかも当然ながら2人ともお互いを全く信用していないのでラストまでハラハラです。

次作もありそうなので楽しみなシリーズです。

読了 米澤穂信/可燃物 

米澤穂信初の警察物。
短編集。

主要キャラクターの刑事がとにかく淡々としている。
特に部下に慕われるでも上司に気に入られているわけでもない。

通しての共通点といえば、一見して事件の被疑者、動機、証拠、方法等に疑問はないのだが、どこか小さな違和感やズレがある。
それを徹底的に洗い出し一つ一つ潰していって隠された真相を暴き出す、というもの。

この刑事は指揮する側で捜査等は部下に任せるタイプ。
その人遣いの荒いこと。
それでも特に褒めたり労ったりもしません。

今までの刑事キャラだと、捜査は単独でも自分でやる、態度は悪いけど上や下から信頼されている、というものが多かっただけにある意味新鮮でした。

長編になっちゃうと、その淡々さ故に読み疲れてしまいそうな気もします。
短編で丁度いいかな、と思ってしまいました。

読了 中山七里/ふたたび嗤う淑女 

前作の衝撃的なラストからどのようになっていくのか。

前作は自分のため、保身のために人を潰し、今作はたった1人の人物を始末するために周囲の人間を潰していく。
その手腕たるや凄まじく鮮やか。
とても有能な右腕が出てくるのだがいい役割を果たす。

今作もとんでもないエピローグが待っているわけだが、あー!やっぱりあの書き方はそれを示唆していたのか :blobcatshocked: !!というもの。

とにかく自分の手は汚さず周りがどんどん不幸になっていくのを愉しく見守る彼女はなんと魅力的なのでしょうか :ablobcatnodveryslow:

しかし!彼女の背後には麻生刑事の手が… :blobcatpolicepeek:
彼らの攻防も楽しみです。

読了 中山 七里/嗤う淑女 

五十嵐貴久さんのリカシリーズぶりにとんでもない女性に出会ってしまいました :blobcataww:
自分の保身や欲のためなら周囲は一切関係なし、殺人だろうが詐欺だろうが教唆だろうがおかまいなし!
近親者をも利用する。
容姿端麗、頭脳明晰、極悪非道。

中学生の頃から、容姿を利用して相手を籠絡し自分への危険因子を排除していく。
更にその才能を発揮し………。

無事に枷から解き放たれた彼女は大人になって更に知識などを身に着け恐ろしい悪女へと成長していく。

ここまで来ると読んでいて痛快だし人間のエゴや欲望、弱さというものに上手く付け込み自分の利益を最大限獲得する才能に恵まれた人もいるのか…となります。

続編を読んでいくのが楽しみです!

再読 有栖川有栖/月光ゲーム 

初めて読んだのは小学生の頃。
父の本棚から借りて読んだのを憶えています。

その後も何度か読み返しているのですが、懐かしい気持ちになる作品です。

学生アリスシリーズはとにかく時代を感じる言葉遣いや文化で溢れているので読んでいて面白いです。

休火山にキャンプに来たら噴火して…という舞台でそれは見事なクローズドサークルもの。
大学生がここまで機転を利かせられるのか!?という場面があったりはするものの、本格ミステリ感が満載で内容もとても面白い!
引き続き「学生アリス」シリーズを買い直して読んでいこうと思います。

再読 伊坂幸太郎/オーデュボンの祈り 

電子版で買い直しての再読。

やっぱりこの作品は大好きです。
伊坂作品では本書と「砂漠」が特に好きでよく読み返していました。

とにかく善悪含めて登場人物のキャラクターが非常に良い!
未来が見えて喋ることが出来るカカシの優午、彼の緻密な誘導によって起こる事件の数々は何回読んでも見事です。

どこか哀愁を感じさせる人物たちや、100%完全な悪意しかない人物、ちょろっと登場するけど重要な役割を担っている人物等々、物語に出てくる人物は皆魅力的です :ablobcatnod:

優午の本心、真の目的などを考えると様々な結末を考えられそうでそこも面白いポイントです。

読了 辻村深月/ふちなしのかがみ 

短編集。
子供の死が共通した作品でした。
学校の怪談、呪い(まじない)や占いの類、都市伝説、死者と生者の交流などがそれぞれテーマにあり、どこか懐かしくもあり切なく、物哀しくもあるという物語でした。

子供の死=救われない、重たい物語 という印象がある中、子供の頃に読んだ学校の怪談や都市伝説の本や観たテレビ番組なんかを思い出すような懐かしさがありました。

ただ、「おとうさん、したいがあるよ」という作品に関しては読み返しても考察のしようがないな…と諦めた不思議物語でした。
不条理ものになるのかな :blobcatthinkingeyes:
カフカの「変身」を初めて読んだときと同じような???が浮かびました。
あとで解説サイトをいくつか見てみようかな :blobcatidea:

夏の終わりを感じる、そんな1冊で季節的にもちょうど良かったなという読後感でした。

読了 中山 七里/セイレーンの懺悔 

今作は中山作品ではお馴染み、帝都テレビが舞台。

女性リポーターは今回の事件で色々な事を学ぶことに。
誤報、本当の社会正義、事件の"裏側"、自分たちがなにを伝えなければならないのか、伝えきることができるのか。

事件自体もやり切れないものだったけど、それに纏わる人物たちが全員クズなのが寂しすぎました。
被害者は浮かばれないことでしょう。

そして現実を身を持って体験することになった女性リポーターは大きく成長するのだと思います。

しかし、帝都グループが成長することはないのだろうな。
むしろ帝都グループさんには変わらずこのままゴミクズっぷりを思う存分発揮してもらって、中山作品で悪目立ちをするいいアクセントになって頂きたいものです!

読了 中山 七里/境界線 

どこが人を分ける転機になるのか、今回の登場人物たちや舞台の東北地方はそれが東日本大震災だった。

結構重たい内容で、人が道を外れたり思想信条が変わるのは本当に紙一重だな…と思いました。
何かのきっかけでそれまでの倫理観が180度変わったり、大切なものを失ったりするものだと思い知ります。

復興とは?という部分も描かれていて10年以上経った現在、いったいどれだけの"復興"が行われたのかということも現実をしっかり見ていかないといけないですね。

社会派 中山七里が全開でした!

読了 アシュリー・ウィーヴァー/金庫破りときどきスパイ 

第二次大戦のイギリスが舞台。
ドイツのスパイを捕まえるべく奮闘する。

堅物の少佐が果たして主人公の女性に抱いた思いは…とか、女性が少佐に抱いた感情は…?とか色々邪推もしつつ読めて面白かったです。

金庫破りを裏稼業としてやっている叔父一族。
この叔父一族がなかなか素敵なキャラクターでとても好きです。
とくに叔父さんはいい :blobcatheartbongo:

今後の2人の進展を勝手に想像したり、国の行く末を想像したり楽しい1冊でした。

読了 アンディ・ウィアー/プロジェクト・ヘイル・メアリー(下) 

いよいよ異星人が主人公の船にやってきて、太陽滅亡の危機に関して2人で力を合わせながら様々な実験を繰り返し、解決に向かっていく。

挫折や苦労、お互いの理解度の深まり、解決と実験の繰り返しがありついにふたつの星を救う手段を発見するに至る。
お互いの星に向かってそれぞれ帰っていくわけだが、その帰路で大問題が発生。
逡巡した結果主人公が取った行動は…。

下巻後半以降は、残り少なくなってきたけどここからどんな結末に行くんだ!?とハラハラしました。
前作の「アルテミス」よりも科学色が強かったものの、拒絶反応が出るほどでは無かったです。
あぁ、うんうん、なんとなくわかった :baka: くらいの浅い理解度ですが、雰囲気でなんとなく分かります。

実際に"アストロファージ"という生命体がいたとして、作品内のような解決策を見つけるまでどれくらいかかるのか、そもそも見つけられるのか、と考えると国家間、個人間の両方の点から無理なんだろうな、と。
そもそも環境問題云々の時点でこれだけ考え方や姿勢に差がある訳ですし。

作品内のような数十年で滅ぶ!という事態が起こらないことを願うばかりです。

ロッキー、可愛い :blobcataww:

読了 アンディ・ウィアー/プロジェクト・ヘイル・メアリー(上) 

太陽周りで異常事態が発生、地球は近いうちに氷河期に突入、人類滅亡!
その危機に立ち向かうべく世界最高の頭脳を集めて色々対策を考えていざ宇宙へ!!

記憶が欠落した男性が徐々に記憶を取り戻していくところから始まります。
状況や蘇ってきた記憶から推測するに宇宙船の中。
そこからどんどん記憶が蘇り自分の状況を把握して冷静に対処をしていく。
そんな中でなんと異星人とコンタクトして時間を掛けて言語やお互いの知識を交換していく。
そうするとお互いに同じ目的で同じものを求めて宇宙旅行に出掛けていたことが分かる。

と、あらすじや前半部分を読んでいる限りはかなり深刻な人類滅亡を阻止するべく生粋の頭脳が集まり、対策をして様々な実験などを経て精鋭を3人宇宙へと放つ、とシリアスな内容かと。
しかし読みすすめて行くと不思議科学を持った異星人が出てきたり、交流を深めていったりと意外な方向へ展開して行く。

まさか宇宙人と交流を持つことになるとは…。
シリアスでスリリングな方向性で進んでくれても、それそれで面白そうだったなと思ってしまいました :blobcatdizzy2:

何はともあれ下巻の展開も気になります。

読了 アンディ・ウィアー/アルテミス(下) 

下巻はなかなかに怒涛の展開でした。
ちょっと都合良すぎやしないかい?と思う箇所はありつつもなんとか付いていくことが出来ました。

やはり訳の個性というか日本語の使い回しやそもそも使ってる日本語がそっちの読み方を採用したのか、というものが多々あって慣れるのに時間を要しました。

物語ラストはちょっと無理があるんじゃない!?という流れになりつつも主人公の本来の性格が上手くリンクしていて、案外本当にこういう口上で説得しちゃうものなのかも?と思えました。

特に不自然すぎる場面はなく、普段ほとんどSFを読まないゴリゴリ文系の私でも気軽に読み進めることができた1作品でした。

でも「火星の人」のほうが面白かったかな。
J・P・ホーガン、H・ハウイー、本著者、名作と言われる作品をちょろちょろくらいしかロクにSF作品読んだことないけど読みやすい部類ではあると思います。

読了 アンディ・ウィアー/アルテミス(上) 

「火星の人」以来のアンディ・ウィアー作品。
最新作が結構評判が良くてKindleセールに来ていたので1個前の作品になる本作も一緒に購入。

月に人類が住み始め、月旅行が行われるようになった時代設定。
主人公となる女性は所謂不良娘がそのまま大きくなりました、という感じ。
配達の仕事をしつつ密輸で小遣い稼ぎをして夢は大きく!と。

少しだけ訳に癖があるかな?
原文だとなんて書いてあるんだろう?と思う箇所があったりしました。
訳者さんの癖が出るから仕方ない部分ではありますね。

上巻なので、世界観や人物紹介などの描写に大半が割かれて、後半からやっと物語が動き始めました。
やはりメインは下巻になります。

月世界で完結しているわけじゃなく、所々で地球を巻き込んでくれるのが読みやすい一点でもあるかも、と思いました。

読了 中山七里/ワルツを踊ろう 

田舎から都会へ出ていった主人公が外資系企業をクビになりUターンしてくる物語。
エリートだった彼が限界集落となった故郷へ戻ってくるも余所者、一度生まれ故郷を捨てて出て行った者への排斥という田舎あるあるに悩まされながらも、なんとか馴染もうとしていく。
しかし空振りばかり。

この主人公、有名なシュトラウスの「美しく青きドナウ」を崇拝しているのですが、後半の殺戮ラッシュの時にこれを聴きながら暴れ回るんです。
作者が音楽描写も非常に精緻に描き込んでくるので次回からドナウを聴くときに場面が蘇りそうです :blobcatsweat:
岬シリーズなど、音楽描写が秀逸な作品も書いてる作者なのでそれはそれは美しい音楽描写とグロテスクな殺戮シーンの落差たるや。

"ああ、何て楽しいのだろう。血と歌い、肉と踊る。相手が血に塗れ、自分も返り血を浴びると、まるで二人してワルツを舞っているようだ。了衛は恍惚としながら見えないタクトを振る。"という文体、表現にはゾクゾクとするものを感じました。
あぁ、「ワルツを踊ろう」か。とストンと落ちました。

さて、最後にとある人物のもとに宮篠さんが現れヒートについて言及する場面が。
おぉ、ヒートがここでも絡んできた!というラストでした。

読了 中山 七里/ヒートアップ 

「魔女は甦る」の続編的立ち位置の本作。
前作でちらっと出てきた麻取の捜査官が主人公格なのだが、どれだけお薬打ったりしても効果がないという最早人間離れした特異体質の持ち主。
それを活かしてのおとり捜査を行うのだが、冒頭からぶっ飛んでるなあ…という感じでした。

宏龍会という裏社会組織が中山作品では度々登場するのですが、その中でも渉外担当の山崎さんという方が様々な作品に顔を出します。
私はこの山崎さん、大好きでして本作でもいい味を出してくれるんです。
山崎さんだけで文字数いっぱい書けるくらい好きなキャラクターです。
彼のお陰で本作は読みすすめられたと言っても過言ではないですね…。

"ヒート"を巡ってチャイニーズ・マフィア、警察、麻取、宏龍会の追いかけっ子だったのが最後には自衛隊に米軍も登場。
果ては新型ナパーム弾で前回の舞台だった海外製薬会社を爆撃しまくる中主人公たちは逃げる、というなんだかハリウッド映画の終盤かな!?という展開。

麻取の課長さんはいいミスリードで騙されました。
"ヒート"関連は大味というか設定が大掛かりというか、読み物としては面白いけど………という感想でした :blobcatfacepalm2:

読了 中山七里/魔女は甦る 

結局fedibirdで読書記録を壁打ちしていくことに決めました :blobcatread:
久しぶりのfedibirdでの読書記録は中山七里作品です。

生物を無敵存在に変えてしまうヤバイお薬"ヒート"が巻き起こす一連の事件。
海外製薬会社が絡んでいたり大掛かりなミステリになるのかと思いきや意外にもスプラッタホラーな要素が強め。
犯人の意外性、登場人物のバックボーンの胸糞の悪さ、ラストシーンのモヤモヤ感、無敵超人のような存在…等々ちょっと うーん :blobcatnotlikethis2: な部分が多かったように思います。

ただ、こういった内容でも物語を書けてしまう中山七里という人物はやはり凄いな、と感じます。
もう少し現実路線の海外製薬会社を相手取ったミステリの筋書きも読んでみたい。

なによりこの事件の収束はあるのか、ラストシーンの二通り考えられる箇所は果たしてどちらなのか、気になる部分はてんこ盛りです。

同じ薬物"ヒート"を扱った作品はあるのですが、正統な続編ではないそうなので読むか迷います。

読了 有栖川有栖/インド倶楽部の謎 

久しぶりの国名シリーズ。
火村とアリスの掛け合いはやはり面白いです。

舞台が神戸という異国情緒溢れるイメージがある場所で、インドという神秘性の高い国がテーマなので一風変わった作風ながら楽しめました。

ただ、直前まで読んでいたのが五十嵐貴久のリカシリーズだったため、そのままのテンションで読み始めてしまった序盤の頃は圧倒的な物足りなさがありました。

空気感に慣れてくれば途端に面白くなったので良かったです!
このままもう1冊、国名シリーズを読みすすめます。

読了 五十嵐貴久/リベンジ 

リカシリーズの最新作。
ここで一番気になっていた人物とリカの熱い闘いが!
リカの足取りを追う内に衝撃の事実が。
だからリカは生き延びたんだね…。

いよいよ最終決戦!というところだったのですが、さすがは我らのリカ。
そんな甘いものではありませんでした。
物凄くいいところで本書は終わり。
続編が楽しみすぎます。

ここで登場するのか、という人物が最後に現れここであの伏線が効いてくるのかという発言を残し舞台は一度幕を下ろす。

展開が気になりすぎる!

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