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読了 津村記久子/水車小屋のネネ 

ひたすらほんわかする1冊だった。
諸事情で18歳で8歳の妹を連れて、郊外で独立することにした少女。
その少女が働くことになる蕎麦屋の水車小屋にネネと言う名の話すヨウムがいる。
姉妹とヨウムを主軸に物語は進んでいくわけだが、1981年に始まりなんとエピローグでは2021年に。
8歳だった女の子は48歳に、18歳だった姉も58歳になっている。

いろいろな出会いと別れを経ながらの40年間が綴られていた。
途中途中でイラストが挟まれるのだが、そのイラストがいい味を出しており物語の世界に更に引き込まれる一因となっていた。
紙の書籍でゆっくりじっくり見てみたかった…。
読後感も良く、序盤を除けばのんびりほっこり読み進められる1冊だった。
私自身の田舎の風景と被せながら読んだが、端々からもしや本当にその地方のことなのかな?という描写があった。
そのこともより世界観に没頭出来るきっかけだった。

読了 逢坂冬馬/歌われなかった海賊へ 

「同志少女よ〜」が好きだった為読んでみた。
前回はロシアが舞台でリュドミラ・パヴリチェンコが登場したり、舞台などがかなり史実に基づいて描かれていた。

今作はナチス政権下ドイツが舞台で「エーデルヴァイス海賊団」が主軸となっている。
このエーデルヴァイス海賊団も当時の反ナチ政権の不良少年たちの組織として実在した。
相変わらずマニアックなところを描いてくれる。

物語中盤からは怒涛の展開となり、一気読み必至。
題にもなった歌われなかった海賊、という意味が分かってくる。
そして物語最後では色々な意味で現実に引き戻される。
あ、そうだ。そもそもこの物語は現代ドイツで始まっているんだ!と。

ナチス政権下ドイツの複雑な市民感情がうまく表現されていたのが印象的だった。
エーデルヴァイス海賊団の面々が線路を冒険するシーンはS・キングの「スタンド・バイ・ミー」を彷彿とさせるものがあった。

逢坂作品は「同志〜」と本作の影響でマニアックな軍事・ミリタリー・歴史小説として琴線に触れる。
果たして「エーデルヴァイス海賊団」を小説の題材にしようと考え実行する作家が何人いることか…。

読了 青山美智子/月の立つ林で 

全部の章を通して登場人物たちがなにかしらで繋がってくる。
共通点はタケトリ・オキナがやってるポッドキャスト。
月に関する豆知識などを配信している。

このポッドキャストの主とどうしてこういう配信をしているのかは後半に明かされる。
主の物語も含めて、とても深くまた素直なものだった。

1冊を通してほっこりする物語でとても良かった。

読了 石田祥/猫を処方いたします。2 

前巻からの人物が出てきたりして読みやすさがあった。

出会えて良かったね…​:blobcatpnd_onaka_nade:

続きがあるような書き方になっていたけどシリーズ化されるのだろうか。
彼ら2人(?)の今後の身の振り方が気になる。
ゆるく読めて良かった。

読了 石田祥/猫を処方いたします。 

当初思っていたのとはちょっと違って、ゆるいファンタジー要素があった。
途中で予想がついたとはいえ、そういう結末なんだ!と思った。
猫がきっかけに悩める人々に変化が訪れるわけだけど、ホッコリするものからウルッと来るものまであった。

不思議な世界観がだいぶ刺さった。
続編も読み進めていきます。

中山七里、2冊読了。
ヒポクラテスの悲嘆
有罪、とAIは告げた

「有罪〜」は円が主人公なので静おばあちゃんの孫の活躍拝見!と意気込んだせいか、お粗末感があって残念だった。
「ヒポクラテス〜」は相変わらずの法医学教室シリーズだなーって感じでした。

読了 町田そのこ/52ヘルツのクジラたち 

率直な感想としては、こういうことは世間では当たり前に起きていることで、現実ではその声はなかなか拾われることがないまま終わってしまうよね…。というもの。

ただ当然ながら物語なわけで、そことしてはとてもよく出来ていたと思う。
あまりにポンポンと進んでいくのでなかなか登場人物に感情移入できなかった。
唯一理解できたのは「52」の母親だ。
いい親でもなければいい人間でもなかったけど、こういう被害者もいるよなー!という感じ。
一番わかり易いヒール役であり、一番の被害者だったのでは?と思ってしまうほど。

実際の52Hzの鯨は、奇形の個体か、混血個体か、実は人間が考えていたより帯域が広かったのでは説があったりしつつも、未だにちゃんと解明出来ていなかったり特定も出来ていなくてロマンがある。
そんな「52」は昔から興味があって好きだった。
本書が出た時に「52」関連の書籍だと思ってときめいた思い出がある。

読了 多崎礼/レーエンデ国物語 

レーエンデ3作読み終わった。
本格ファンタジーは少し苦手だったけど本作は気になったので読んでみた。

1冊でひとつの時代が終わり、次巻は前巻から100年後の世界になっているので追いつくのが少し大変だった。
架空の街や民族なので、争いや力関係などを覚えるのも大変だった。

内容はワクワクしたりドキドキしたりして面白い部分もあったけど、言い回しが大げさだったりご都合主義的に過ぎてあまり入り込むことが出来なかった。
ファンタジーだからといえばそれまでだが…。

3作目に関してはちょっと異色感があって、うーーん…という感じで読み終わってしまった。
あまりに世界観が違くて読みたかったのじゃない…となってしまった。

やはりファンタジーは難しかった。

読了 ファンタジー系3冊 

多崎礼のレーエンデ国物語を読んでみたくて、肩慣らしに久々にファンタジー系の作品を読んでみた。

「この本を〜」と「空想〜」は一部繫がり(前日譚)があって面白かった。
日本の架空都市が舞台でSFやスチームパンクな世界観もあったゆるやかファンタジー。

「煌夜祭」は多崎礼のデビュー作ということで、レーエンデの前に読んで世界観とどのくらいのファンタジー具合かを試すために読んでみた。
当然ながらしっかりガッツリファンタジーで、最初こそ世界観の把握に苦労したけど流石に慣れることができた。

ファンタジーは世界観の把握は当然、人物名や地名、種族などの特殊設定を覚えるのが大変でなかなか手を出しにくい。
そんな中、レーエンデは結構話題になっていて面白そうだったので興味を持った。
楽しく読めればいいけども…。

読了 伊吹有喜/犬がいた季節 

とあるきっかけから学校で飼われることになった1匹の犬。
その犬の視点を交えつつ物語が進んでいく。
飼われることになった昭和から平成、令和と時代は移る。

生徒視点では各時代の流行りのものや歌、世相などが反映されていて面白かった。
時代ならではの悩みや出来事があり立ち向かっていく生徒たち。

令和の時代では過去の時代の生徒たちが大人になって登場したりもして、まるっと綺麗におさまった感じがした。
犬関連ではホロっとする場面も。

個人的には鈴鹿サーキットにセナを観に行く物語が趣味と合致したのもあり、熱い物語で凄く良かった。

読了 ホリー・ジャクソン/自由研究には向かない殺人 3部作 

いつぞやのKindleセールで安くなっていたので買ってみたシリーズ。
1作目 自由研究には向かない殺人と2作目 優等生は探偵に向かない までは面白かった。

3作目の卒業生には向かない真実も途中までは面白かった。
1、2作目の伏線がきれいに回収されていくまでは…。
中盤からは主人公の正義感が暴走しまくってしまい、結末までご都合主義に傾き過ぎてしまった気がする。

1作目は優等生で賢い女子高生ピップが自由研究の課題として、自分の街で起きた殺人事件に疑問を持ち、いちから掘り起こし真相を突き止めて行く。
2作目では友人のお兄さんが行方不明になり、追い掛けて行く内に過去の事件との繫がりや意外な人物の関わりなどが見えてきて…。
3作目では途中まではついにピップにも実害が出始め、色々ケリを付けるために最後の事件解決へと乗り出すが…。
4作目は1作目の前日譚となっており、友人宅で集まりマーダーゲームをする中で探偵の一端を見出したり、今までの作品の中のちょっとした物事がチラチラ出てくるもの。

正直1作目と2作目だけで良かったかな…と思ってしまった。
3作目は作風が変わったものとして受け止めればドキドキ感はあったかな?くらいの感じ。

耳栓使用感 

Loopというメーカーの耳栓を買ってみました。
Quiet、Experience、Engageの3タイプあって、買ったのはQuiet。
一番遮音してくれるやつ。
病院の待ち時間と電車の中、ショッピングセンターで試してみました。

人差し指をしっかり耳に入れた感覚が近いかも。
だいぶ音が軽減されるので、雑踏があまり気にならなくなりパニック発作の原因になる騒音はだいぶ軽減されました。

病院の呼び出しの声やBGMは聴こえる、電車の社内アナウンスも支障なく聴こえる、町中は通行の際に周囲の音が聞こえないのでちょっと怖いかも。
ExperienceとかEngageだともう少し遮音が弱いので町中歩くにはそっちの方がいいかも?
安全に自分の殻に篭りたいときはQuietでいいかな。

個人的には店内放送やBGM、人の話し声の騒音がパニック発作のトリガーになりやすいので、Quietでいい感じでした。
ただ買い物中に母の話し声が聞き取れず外すこともあったので、他のも試してみようかな、と思っています。

付け心地はぴったりハマるカナル型イヤホン、軽さはほぼ着けてるのを忘れるほど、大きさは耳の中にぴったり入るほどコンパクト。
シリコンなので丸洗い可能!

外出が楽になりそう。
自分の心音などは気になる…。

読了 シャーリイ・ジャクスン/ずっとお城で暮らしてる 

フォロワーさんにおすすめして頂いた作品。

平和な狂気ってあるんだね…。
2人の少女の年齢を考えるとその純粋さと幼さがとても怖い。
ある意味では村人たちが姉妹一家に向ける純粋な悪意の方が健全だと思ってしまうほど。

姉、優しいじゃん!て思ったのは最初だけで、姉もしっかり狂ってた。
真っ当に狂った(認知症的症状あり)おじさんだけがこの家の中では正常なのかな、と思った。

村人たちがとある出来事の後、この姉妹とおじさんが住む屋敷に行う行為が人として最低な行いだと認識出来つつも、2人の狂気性から考えるとまだしも真っ直ぐでとても真っ当な行いに見えてしまう。

そしてしょうもない従兄弟に関しては、器が小さくプライドは大きいけど唯一人間的でちょっと好きなキャラクターだった。

イヤミスとはまた違う嫌な読後感を味わえて"幸せ"です。

読了 アンナ・カヴァン/氷 

フォロワーさんにおすすめして頂いて読んだ作品。

展開がジェットコースターみたいだった!
場面がシームレスに移り変わっていくので、翻弄されつつ物語にグイグイ引き込まれて行った。

「氷」という世界を浸潤していく不条理から逃げつつ強烈な美少女を追いかける主人公たち。
こんな世界で何やってんだよ!という気持ちと、こんな世界だからこそ追い求めるのかな?という気持ちがあった。
サディスティックな母親に虐待されて育った幼少期、今度は恐怖の権化のような長官と信頼の置ききれない「私」に追いかけられるアルビノの美少女。

これを浅い考えで「少女」=作者、男たち=薬物と考えると作者(少女)の薬物からの(男たちからの)自立、という一つのテーマが見えてくるけど、そんな浅いものではないんだろうな…。
深い、深いよアンナ・カヴァン!

カフカの作品には強い孤独を感じるけれども、アンナ・カヴァンにも凄まじい孤独と荒廃を感じる。
衝撃的な読書体験が出来た。

読了 森見登美彦/シャーロック・ホームズの凱旋 

森見登美彦の新作。

ホームズの世界と京都の街がまさかのがっちゃんこ!
ベーカー街221Bは寺町通221Bに。
京都の街中に女王の宮殿やビッグ・ベンがある世界。

ワトソンやメアリ、ハドソンさん、レストレードなどお馴染みの面々から、モリアーティ教授、アイリーン・アドラーも登場する。
とくに後の2人は意外な役で…。

森見登美彦の世界で描かれるホームズ話かと思いきや段々と雲行きが怪しくなりはじめ、気付けば通常のホームズの世界になっており、更に京都に戻ってくるという入れ子構造は同著者の「熱帯」を少しだけ思い出した。

意外すぎる役を与えられたキャラクターたち、パラレルワールド的なSF感ある作風、京都とイギリス ロンドンがごちゃごちゃになった世界観、どれも面白くて好き。

体調が良いときにもう一度通して一気に読みたい作品。
SF要素で言えば、「四畳半タイムマシンブルース」に通ずるところもあるのかな?
でもあっちは時間移動のSFだから違うかな?

ドイルのホームズシリーズを読み返したくなった。
一番好きなのはやっぱり延原訳の新潮版。
表紙がエンボス加工されていておしゃれだし、読みやすい!

読了 横溝正史/本陣殺人事件 

表題作も面白い内容だったけど、個人的に好きだったのは最後の「黒猫亭事件」。
所謂、顔のない殺人トリックをメインに据えているものの、予想してなかった結末でした。
追い詰められ、無慈悲になった女性の怖さがヒシヒシと迫ってきてゾワゾワとする感じがいい!
それでも好きな相手には………というのがまた!

このあたりの時代の推理小説は現代からじゃ考えられないトリックだったり(科学捜査が発達したりで使えないトリック故)探偵と警察の立場や癒着具合があってとても面白い。
時代背景や話し言葉、文体も味があって大好きです。
クリスティやカー、クイーン、ポーとか江戸川乱歩とか堪らないものがありますねえ…。

次はクリスティ読もうかな​:blobbonebook:

読了 横溝正史/八つ墓村 

金田一耕助シリーズ。
文庫本で持ってたけど電子書籍で買い直し。
各巻表紙のインパクトが凄い。

前に読んだときは、双子の婆様たちの描写がもっと不気味だったような印象があった。

横溝正史というと時代を感じるけど、文章は意外と近代的で読みやすいんですよね。

田舎の陰湿さやいい意味で暗い部分が凄くよく表現されていてとても良い!
八つ墓村の元ネタとなったとされる津山30人殺し、こちらの事件を知ったのが先だったので陰惨さと陰湿さがなんとも言えず。

金田一耕助シリーズはチマチマ集めて読み進めて行きたいな​:blobcataww:

読了 M・W・クレイヴン/グレイラットの殺人 

今作は時間軸や舞台が大掛かりだったため少し混乱しつつ読み進めることに。
登場人物が多かったりすると理解度が下がってしまう。
個人的に海外作品で苦手なのが名前だ。
同一人物に対してでも、複数の呼び名があったり、人や距離感によって呼び方が変わったり階級がついたりと、もう大混乱。
こんな人物いたっけ?と思ってページを戻っても出て来ておらず、文脈的から この人のニックネームだったのか!
と気付くこともしばしば…。

犯人に関しては、その手はずるい!と思わされるものだった。
作中に登場するUSBケーブル、作者あとがきでも書いてあったけど実在するものなので本当に注意が必要。
特に海外では見知らぬケーブルを安易に自分のデバイスに繋ぐと………。

物語結末ではフリンからの連絡を受けることになるポー。
次回作が楽しみ。
電話が来たあと、ポーの愛犬エドガーは無事散歩に行けたのかな​:ablobcat_wakaran:

読了 M・W・クレイヴン/キュレーターの殺人 

ワシントン・ポーシリーズ3作目。

起こりから結末まで哀しすぎる1冊だった。
事件の内容も、動機も発端も、本当の被害者の心理的状態や真相を知ることになったとしたら、その計り知れない重さやショックも、黒幕の結末も、ポーが選んだ選択も。
真っ黒な闇に触れてしまったブラッドショーの今後が心配。

今ではあまり聞かなくなった"ブルーウェールチャレンジ"(青い鯨)が事件に大きく関わってくる。
2016、2017年くらいから実際に始まったこのチャレンジ、ゲーム。
世界的にかなり大きな問題となっていた。
作内でも実際のそれと同様、人間心理を上手く操って使われる。
あと事件解決の一部に"イエロードットトラッキング"が使われていたのには、渋い!!と思わされた。

本作の肝である一連の黒幕についての感想を書くと必然的にネタバレに繋がるので書けないのが残念。
ポーはまたしてもとんでもない重荷を背負わされることになってしまった。
それでも海を越えてFBI捜査官の知り合いが出来たのは、彼の出生に関する真実を知るのに大きな役に立ちそう。
ここに関しても少しずつ物語は動いているので、楽しみではある。

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