本の雑誌2025年2月号No.500(2025年1月8日)発売号の海外文学時評欄に寄稿しております。2回目/任期24回です。
今回取り上げたのは下記です。
ジェスミン・ウォード『降りていこう』(石川由美子訳、青木耕平解説/作品社)
クレア・キーガン『ほんのささやかなこと』(鴻巣友季子訳/早川書房)
メレディス・ルッソ『理想の彼女だったなら』(佐々木楓訳/書肆侃侃房)
ケリー・リンク『白猫、黒犬』(金子ゆき子役/集英社)
レベッカ・ブラウン『天国ではなく、どこかよそで』(柴田元幸訳/twililight)
あと、大橋由香子『翻訳する女たち』(エトセトラブックス)に少し言及しています。
https://www.webdoku.jp/honshi/2025/2-241225155700.html
2024年12月初旬に、ロジャー・ゼラズニイ『ロードマークス』(植草昌実訳/新紀元社)の新訳が出ます。私は解説を担当しております。時空を移動できる〈道〉を舞台に、抹殺対象に指定された男と暗殺者たちのドラマが展開されるぞ。ティラノサウルスだって出てくる。
https://www01.hanmoto.com/bd/isbn/9784775319888
独立出版『inch magazine』さんの海外短編翻訳企画PocketStoriesの02が出ます。
パク・ヘウル『この星を離れた種族』(廣岡孝弥訳, 2024.11.30発売予定)
韓国の新進SF作家の環境問題に抗う短編ひとつ、ユーモラスな掌編ひとつを収録。
私は解説を寄稿しています。作品・作家の紹介は廣岡さんが担当していて、私は近年話題のCli-fiやソーラーパンクとは何か、SFでどのように環境問題が扱われてきたかを1950年代からふりかえって書いています。
https://www.instagram.com/p/DCMZo90SEU3/?igsh=dWk5d25vaTBtZnM3
ジーン・シェパード『ワンダ・ヒッキーの最高にステキな思い出の夜』(若島正 編訳/河出書房新社)
ラジオ・パーソナリティでユーモア作家、かつて『プレイボーイ』誌で人気を博した著者の日本初作品集。
巻頭の2編はどちらも子供時代の思い出の話で、かたやBB弾銃がほしくてたまらない少年、かたや10歳のときに読書感想文の課題のため自宅で発掘してきた本がポルノだった少年。子供の不安や恥辱だけで、小気味よく短編をまとめ上げている。
本書には浅倉久志訳の「スカット・ファーカスと魔性のマライア」も採録されている。
https://www.kawade.co.jp/sp/isbn/9784309209166/
本日は2冊読み、3冊目を77ページまで読んだので布団に入ります。
BOOX Go6を買いました。2年ほど使っていた先代の画面が破損してしまったので。
UIや反応速度が向上していて使いやすくなっている! 電子書籍やPDFを読むのに最適です。充電が長持ちするし速いのもうれしい。
CIDERというサイトの、ニセコのスキー場セーターがリコメンドされてきた。
SheinやTemuと同様、若い女子向け激安ファッションプラットフォームらしい。主なターゲットは欧米。
きっと、ニセコを知らない人たちが世界各地で古着風レトロセーターとして着こなすのだろう。
BT 鐵塔書院、2年くらい片付け兼閉店セールをしてましたが、ついに完全閉店か……(“既にご案内の通り、当店は1月6日(月)〜13日(月)の間に閉店いたします”)
https://x.com/tettou_syoin/status/1875533633727164893?t=zXJZNs6KTzFQD18fD3xnTg&s=19
思わず熊の作者のインタビューを読んだり、Instagramを見たりしたが、漢字を使う理由まではわからなかった。40代くらいの人っぽいな
https://www.agntsclothing.com/blog/chasing-the-bear-an-interview
アルファベットが鳥になっているキーボードの全貌がようやくわかった。
https://www.pigeonpost.cafe/product/keybird-keycaps-special-edition
もうすぐ消滅するという人間の翻訳について(平野暁人)
https://note.com/aki0309/n/n1f05cb496913
「翻訳家・通訳(日仏伊)/主に舞台芸術の翻訳、通訳を生業」とされている方が書かれた、ということを踏まえて読むと、より重みが増すと思う。
・物価上昇や円安によるコスト上昇によって、海外舞台芸術の日本での紹介の機会が激減
・英語によるコミュニケーションが国際的な場で主流化することにより非英語圏国からの発信が英語化
・機械翻訳によるほどほどの品質による翻訳が人による翻訳業を駆逐し、翻訳業に参入する人がいなくなっていく
といった自らが体感している状況を踏まえた上で、多様な言語に基づく文化的営為自体が失われ、生成AIが作り出す「一般的」で「理解しやすい」言葉に覆われた、ある意味で「平和」な未来が語られ、一方でその未来に抗う可能性が問われている、という感じの話ではないかと。
生成AIのもたらす文化的影響に関する議論として、今年の初めに読むことができて良かった。
ソハム・グハさんの英語の第一短編集Fractal Dreams that Unmakeが、インドの出版社The Antonymから2025年2月ごろ発売予定。ベンガル語で書かれたものの英訳だそうです。
日本語で読めるのは今のところ「波の上の人生」(本人の英訳と本人のバージョンアップしたベンガル語版を参照し、暴力と破滅の運び手さんと私が共訳。Rikka Zine vol.1収録)だけです。
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会社員ときどき文筆業。
Japanese SFF book reviewer & anthologist