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「ホワイトハッピー・ご覧のスポン」(町田康)

『群像短篇名作選 2000~2014』より。町田康の語りを少しだけでも覚えたい。冷静な語りに突如として感情を差し込む技法、普段着の言葉をズラしてズラして意味不明にまで昇華する技法、逸脱。ドライブ感が気持ちいい。

『palmstories』(津村記久子・他)

読みました。二人称小説が畳み掛ける。特殊な人称の掌編であるため、着想がそのまま評価に直結する。津村記久子がダントツ。

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240520 二次創作同人をやめて商業を目指すよの話 - 箱庭療法記 yobitz.hatenablog.com/entry/no

『劇場版  ポールプリンセス!!』(監督:江副仁美)
映像の力をバリバリ感じました! 競技としての基礎が練習風景などでしっかり描写されているおかげで、画を良くするためのウソをすんなり飲み込めて(流石に剣が炎を吹いたり歌を歌ったりせんことくらいはわかった)、その意味で創作の勉強にもなりました。ノアさんのダンスが一番好きでした。

出張先への電車がちょうどレコード1枚分と気付いたので出張ごとに1枚聴けることがわかった。

『Love in Us All』(Pharoah Sanders)

大作2曲のアルバム。1曲目「Love is Everywhere」はメインテーマとフレーズ「Love is Everywhere」のリフレインが特徴的。様々な楽器で繰り返されて心地良い。2曲目「To John」は打って変わって不協和音が不快感を煽る。チャールズ・ミンガスの『直立猿人』を彷彿させる。1曲目は何度でも聞けるが、2曲目はしんどい。奇妙なアルバムでした。

『Con Alma: The Oscar Peterson Trio - Live in Lugano, 1964』(Oscar Peterson)

ここしばらくはオスカー・ピーターソンのこれとバド・パウエルを重点的に聴いていました。ジャズのピアノについて、「左手」「右手」に注意を向けながらバド・パウエルとオスカー・ピーターソンとを聞き比べているのですが(だから良いとか悪いとかではなく)前者の左手はややワンパターンになる一方で、後者は自在すぎて左も右もわからなくて、ピアニストの違いがわかってきた気がします。

『Groovy』(Red Garland)

『ピアノトリオ』(マイク・モラスキー)で紹介されていたアルバム。ピアノの演奏法が切り替わる瞬間が分かるようになってきて、そういうのが面白い。

『成瀬は天下を取りにいく』(宮島未奈)

ギブ。
ファニーなガールがファニーなことをする構図の三連発で飽きた。詳細は別途ブログ記事の通り。
yobitz.hatenablog.com/entry/20

『成瀬は~』の面白にピンと来なかったので、なぜピンと来なかったのか考えました。オチはないです。まだ読了もしてないです。
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240505 萌えるシチュエーション - 箱庭療法記 yobitz.hatenablog.com/entry/20

『想像のレッスン』(鷲田清一)

2000年代前半の芸術作品を始め、著者が関心を抱いた表現に関するエッセイ集。真髄を読み込むまでは至っていないのだが、表層をなぞるだけでも、表現にひたることの愉しみを感じられる。年に1回くらい読んで「世界にはこんなに自在に比喩を用いて「日常」を言葉にできる人がいるのであるなあ」と感動する。内容は読んだそばから忘れていく。
amazon.co.jp/想像のレッスン-ちくま文庫-鷲田-

『小説の惑星 オーシャンラズベリー篇』(伊坂幸太郎・編)

「恋愛雑用論」(絲山秋子)と「KISS」(島村洋子)が好き。
「恋愛雑用論」は、恋愛を雑用に喩える女性が周囲の男性に惹かれない話。恋愛を雑用に喩える着想は、仮に私が万年生きたとしてもひねり出せないだろう。
「KISS」は、グラビアクイーンになった元・同級生でいじめられっ子だった女性のサイン会に無理矢理連れて行かれる男子大学生の短編。後味の複雑さに驚嘆する。甘い記憶が共有されることで現在が苦くなる。見事の一言。
amazon.co.jp/小説の惑星-オーシャンラズベリー篇

「KISS」(島村洋子)、グラビアクイーンになった元・同級生でいじめられっ子だった女性のサイン会に無理矢理連れて行かれる男子大学生のお話なのだが、後味の複雑さに驚嘆する。凡百の「感傷マゾ」はこの一振りで切って捨てられる。
amazon.co.jp/KISS-Friends-祥伝社文

『小説の惑星 ノーザンブルーベリー篇』(伊坂幸太郎・編)

どれも本当に読み応え十分。その中でも「休憩時間」(井伏鱒二)、「サボテンの花」(宮部みゆき)が屈指。
「休憩時間」は、何か特別なイベントが起きるわけでもない、帝国大学の休憩時間の一幕。客観的には小さなイベントしかない、けれど登場人物たちの主観としては大きな変化が起きているであろう、そういうのが濃密に描かれていた。これまでの人生で読んだ大学生モノでトップに躍り出た。それくらい良かった。
「サボテンの花」は切れ味鮮やかなミステリ。徹底して「いい話」なのよね。編者の伊坂も解説で述べていた通り、いい話をやり切るのは難しい。いいものを読ませて頂きました。
amazon.co.jp/小説の惑星-ノーザンブルーベリー篇

『舞台監督読本 舞台はこうしてつくられる』(舞台監督研究室)

読みました、といった感。物足りなさを覚えた。舞台監督の仕事を膨らませたいなら『ザ・スタッフ』を読めるならそれで事足りるか。

1冊読んで1パラグラフ作れたら御の字やと思ってます。

『ダンスのメンタルトレーニング』(ジム・タイラー、セチ・タイラー)

メンタルコントロールの手法を、特にダンスにフォーカスして適用したところが読みどころ。メンタルコントロールの類書は数あれど、ここまで絞った本はない。
ダンサーに「ポジティブ・チェンジ」を促すための手法を説く。
ポジティブ・チェンジ=アウェアネス(気づき)+コントロール(統制)+レペティション(繰り返し)。
これらの基礎には、ダンスへの執着が求められる。その執着をいかに生み、維持し、更新し続けるかがポイントとなる。
以下、箇条書きで。
・レッスンではそのときのメンタルもノートテイクする。
・緊張感は逆U字(横軸を緊張レベル、縦軸をパフォーマンスレベルとして)が望ましい。
・緊張を生じさせる原因(自己評価)は①場からの期待、②期待に応える能力の有無、③期待に対処した結果、④結果によってもたらされた出来事、⑤自分の身体についての原因、に分類される。
・筋肉が緊張したときには、むしろいったん高負荷な緊張まで上げてから下げるとリラックスされる。
・イメージングコントロールを使う。具体的なイメージで、イメージの時間の流れを変えながら。
・イメージングコントロールを日々の日課に採り入れる。

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