「ほんっと嫌い」車椅子ギャルのエレベーター投稿に誹謗中傷が殺到…東京メトロは台湾に学べ https://diamond.jp/articles/-/329983
私の周辺で話題になっていた記事、やっと読めました。枝久保さんの数多の記事の中でもベストスリーには入るのではないかという力作。広く読まれてほしいです。
台湾の例にまで言及する視野の広さと、表参道駅のあるエレベータが障碍者の方の役にいまいちたっていないミクロな問題とが、見事につながっています。こういう文章を書きたいと常々思っていて、羨ましいです。古巣のスポークスマンにならず、一方的に断罪でもない、距離感も立派です。
交通弱者に必要なエレベーターを、特に必要な人にどう活用するか、「とにかく作ればいいんだろう」というハード面の解決にばかり目が行く問題を指摘し、ソフト面での解決を考えるべきという指摘は、今の日本が抱えている他の課題にも同じことが言えそうで、いろいろ考える起点にもなる記事です。
恩師の島薗進先生から、またまたご著書をいただく。ありがとうございます。古今の日本文学に練り込まれた死生観、もっと言うと「グリーフケア」の可能性を探る営み、と言って良いか。/ 島薗進『死生観を問う:万葉集から金子みすゞへ』
「親学」の「先進県」である埼玉県に、これ以上の「成功体験」を重ねさせてはいけないと思います。/このオンライン署名に賛同をお願いします。「10月13日可決予定!STOP! 埼玉県 子どもだけの登下校禁止条例!! #虐待禁止条例 #改正案に反対します」
https://www.change.org/p/10月13日可決予定-stop-埼玉県-子どもだけの登下校禁止条例-虐待禁止条例-改正案に反対します
そもそも今回のインボイス反対署名は、10万筆以上を持って行った時点で「少ない」という意味不明な理由で受け取り拒否されしており、さらに集めて36万筆になった際には面会要請を通してもらえず受け取り拒否どころか持っていくことすら出来ずに終わっており、それで今日の50万筆だ。
これで政権/首相が「こういう理由で受け取れません」と言うのを飲み込んでやる必要は主権者である国民に一切ない。そして、受け取り拒否の理由すら不明な現時点で「提出した側がミスしてて首相は悪くないのかも」と政権を擁護し始めてあげるのは、いったい"忠良ノ臣民"以外の何なんだと思う。
また、一度「数が少ない」で署名を受け取り拒否してるのだから(拒否すること自体が許せないが)、署名数を増やしての再提出は受け取るべきだが、ここに来て署名サイト(change.org)の信用性が云々と駄々をこねそうな気配がある。しかし、この署名サイトの署名を政府/各省が受け取った事例は過去に何度もあり、この件においてのみ不可というのは無理がある。
だいたい、官邸前の現地で、月曜日にもかかわらず何千もの人が集まってデモを行っているのだから、反対の民意を無視することに何一つとして正義も理屈もない。
愚策に反対です。インボイスは廃案を。
#STOPインボイス
もう一つ宣伝させていただきます。
2023年10月8日、梅田ラテラルというイベントハウスで共著『これだけは知っておきたい統一教会問題』の内容を中心に、日韓の近現代史と政教関係について僕と編者である島薗進がお話しします。どうぞお越しください(ネット中継もあり)。
島薗進×川瀬貴也「政治」と「宗教」の歪な関係
何度も宣伝で恐縮ですが、島薗進編『これだけは知っておきたい統一教会問題』(東洋経済新報社)、どうぞよろしくお願いします。実は今日、印税払い込みの手紙が届き、正確な刷り部数が分かったので(部数は出版社の判断にお任せなので)、もっと買ってもらわねば、となった次第です(笑)。
「#STOPインボイス
デモに行けない人、せっかくした署名を今日首相に受け取り拒否された人、みんなでご意見送ってやろうぜ。こっちは受け取り拒否できないだろうからまた50万くらい届けてやろうぜ。
https://www.kantei.go.jp/jp/forms/goiken_ssl.html
」
https://twitter.com/nj51/status/1706262806792900957
ということなので。みなさまも是非。
五・一五事件で首相官邸表門に向かった三上卓らの班「「これからいよいよやるぞ。用意はいいか」三上の声に、山岸がうなずいた。車に戻った三上は、首相官邸へと車を向かわせる。だがどの建物が官邸なのか、三上にはわからない」(小山俊樹『五・一五事件』中公新書、2020年)だったそうで、暗殺を舐めとんのかと。
太宰治が「苦悩の年鑑」(初出1946年)で二・二六事件について、
「関東地方一帯に珍らしい大雪が降った。その日に、二・二六事件というものが起った。私は、ムッとした。どうしようと言うんだ。何をしようと言うんだ。
実に不愉快であった。馬鹿野郎だと思った。激怒に似た気持であった。
プランがあるのか。組織があるのか。何も無かった……
組織の無いテロリズムは、最も悪質の犯罪である。馬鹿とも何とも言いようがない。」
と書き、
「このいい気な愚行のにおいが、所謂大東亜戦争の終りまでただよっていた。」
と書いた、その「不愉快さ」を思い出した。
今日は例の小野寺・田野先生の『検証 ナチスは「良いこと」もしたのか』(岩波ブックレット)のトークイベントに参加した。繁華街の奥にあるビル(綱敷天神社前)。約3週間後に僕もここでお話しするので、意図せざる「下見」となった(予約した時はそんな予定はなかったので)。
お二人のお話を拝聴したが、小野寺さんがおっしゃるように、日本人で「ナチスは“良いこと”もした」と言いたがる人は、実は戦前の日本や植民地支配も「良いこと」もしたと言いたい(こっちが本丸)人なので、ナチスは「二の丸」として攻められているとの指摘も重要。
要するに、植民地朝鮮を研究する僕も含まれるが、「ソフト」な歴史修正主義に対峙させられているわけです。まあ、悪しき価値相対主義だよね。もっとキツい言い方をすれば、屁理屈、逆張りしたがる思春期のメンタリティ(厨二病)。Twitterでもプロフィールに「是々非々」と書いてあったら、大体「地雷」だよね。「価値中立を装う立場性」てのもあるのよ。
この書を読了。戦前の日本軍に巣くっていた「オカルト」をここまで集中的に取材した本はなかっただろう。力作。僕は多少は知っていたとは言え、ここまで軍人が骨がらみでオカルトめいた「日本(天皇)至上主義」関わっていたら、そりゃ日本は戦争に負けるわと改めて思った(笑)。
この本を読んで今までの印象が変わったのは、陸海軍の「ユダヤ通」として以前から有名な安江仙弘と犬塚惟重の二人。一言で言って、ここまで「残念な人」たちだったとは・・・。二人の印象は、安彦良和先生の『虹色のトロツキー』で形成されていたから、結構いい人だと思っていたのよね。
https://book.asahi.com/article/14885567
川瀬貴也。大学教員。宗教学者。専門は日韓近現代宗教史。宗教学、思想史、近代文化史、社会学の周辺をぐるぐるしているつもりです。発言は個人の見解であり、所属とは無関係です。