『ロビンソン・クルーソー』
ダニエル・デフォー著、唐戸信嘉訳、光文社古典新訳文庫 2018年8月発行
言わずとしれた名作。なんだけど子どもの頃に(おそらくダイジェスト版を)読んで以来なので、ぼんやりとしか覚えてない。遭難し、ただ一人孤島に辿り着きサバイバルする。典型的な「行きて帰りし物語」。島での暮らしは28年に及ぶ。どんな失敗をしたか、なぜそのような失敗をしたかが丁寧に語られているのが興味深いし物語にリアリティを与えている。にしても、当時のヨーロッパ人の無邪気な残酷さというか、野生のヤギを捕まえて閉じ込め1週間放置していたら餌がなくて死にかけていた、みたいなエピソードがたくさん。子ども向きの本ではどうなってるんだろうね……。
『図説 科学史入門』
橋本毅彦著、ちくま新書 2016年11月発行
7つの科学分野における歴史を、当時の図版を解説しながら概観する本。これ1冊でひととおり見わたせるのは良いのだけど、いかんせん図が少なく、やや中途半端な印象を受けた。新書1冊に盛りこもうとすると、このあたりが限界なのかも。それはともかく、科学史をひもとくと、ごく最近(ほんの100~数百年前)まで、現代ではあたりまえの知識や概念が存在しなかったことに驚く。科学者ですら100年ちょっと前だと原子の存在を信じないとか。これだけ急激に知の体系が変化し、直観とはまるで異なる事実が積み重なると、科学と相容れない人が一定数出てしまうのも仕方ないのかも、と思ってしまう。
『世界文化小史』
H.G.ウェルズ著、角川文庫 1971年3月発行
この「小史」も「世界文化史大系」も国会図書館デジタルコレクションで複数の翻訳がタダで読めるのだけど、やはり手元に置いておきたいということで。ただしもう絶版になってるので古書で入手。宇宙の誕生から現代までの通史をビッグヒストリーとしてまとめた本が今も毎年のように出版されているのは、それだけ人気が高いジャンルなのだろう。原著は1922年発行で、大著「世界文化史大系」の後に書かれたのだけど、ダイジェスト版というわけではなく、より一般の人が一気に通して、興味を持って読めるように書かれている(とウェルズも前書きに記している)。ただ1970年代の文庫本なので活字が細かいのよね。もっとゆったりしたハードカバーで読みたいから、どこかが新装版とか出さないかなと思ってるけど、さすがに無理だろうなー。
読書が捗らない本好き。フリーランスと無職の狭間。オカメインコとセキセイインコのお世話係。好きなもの:本、web小説、生成AI
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