楽しみにしていた、ベンハミン・ラバトゥッツ『恐るべき緑』(松本健二訳、白水社)を読みました。帯には「チリの新鋭による奇天烈なフィクション!」と書いてあります。
内容の説明が難しいのですが:章ごとにフォーカスされる科学者は変わる。科学者たちは傷病そのほか苦痛に苛まれ、アイディアを孕みつつ煩悶する。新発見がときに毒となり、人々を害する。とりわけ世界大戦と大量死のイメージが反復され、チリの山間部を舞台にした私小説的なエピローグにまで影を落とす……。という破滅に満ちた小説です。
史実の面白エピソードと完全なるフィクションをうまいこと盛り合わせ、「爆発寸前の高圧力タンク」「密度の高い物語」(訳者あとがきより)に仕立てています。
文章の格好良さ、イメージの重なりや反復で勝負しているところがいいです。
(「私たちが世界を理解しなくなったとき」の章は、ヒロインが病で衰えていく神秘的な天才少女で少々鼻白んだのですが……)
https://www.hakusuisha.co.jp/book/b638527.html
家族向けに買ったオーストラリア土産、これでした。
クオッカワラビーのパッケージで、デーツやココアパウダーを使ったブリスボール ( https://ja.m.wikipedia.org/wiki/ブリスボール ) みたいなおやつ。2つずつ個包装で5パック入りです。
2023年夏にFinancial Timesに載ったテッド・チャンのインタビューが、『クーリエ・ジャポン』に翻訳掲載されていますね。プレミアム会員限定記事。
https://courrier.jp/news/archives/329570/
原文はこちら。
https://www.ft.com/content/c1f6d948-3dde-405f-924c-09cc0dcf8c84
blueskyの木原善彦氏の投稿で知りました。
>国立大学法人の電気通信大学と大阪大学は15日、可食素材で動くロボットを食べた人間の知覚や食感に変化が生じることを明らかにしたと発表した。
「ロボットを食べた際の知覚の変化を研究。動いている状態で食べると罪悪感」(2024/02/16)
https://pc.watch.impress.co.jp/docs/news/1569358.html
新潮文庫の安部公房生誕100年フェア、何をやるんでしょう?(後日「情報解禁」と告知されている)
リンク先はX。
https://twitter.com/shinchobunko/status/1758431029876920366?s=20
Instagramが私に、ロブスターの編みぐるみのためにセーターを編むアカウントを勧めてきました。
https://www.instagram.com/reel/Cx8J_UyoL7U/?igsh=MTU1Z3B0cmlieW42dQ==
AIつきスマートメガネFrame、価格が349ドル(約5万2000円)とお安いですね。
https://japan.cnet.com/article/35215068/
ギリシャで同性婚が可能に。
[Greece legalizes same-sex marriage despite church opposition : NPR](https://www.npr.org/2024/02/15/1231881652/greece-legalizes-same-sex-marriage?utm_medium=JSONFeed&utm_campaign=news&utm_source=press.coop)
bluesky、有名人/インフルエンサーや公式アカウントが一気に増えましたね。Discover(おすすめタブ)、少し前はフォロワーのフォロワーの投稿が見られるくらいでのどかでしたが、今はいいねやリプライの多い投稿で溢れかえっています。
アンソロジー'After Australia'は総じて社会に牙を剥かれる恐怖や規範から疎外される体験を綴った話が多いです。しかも日本とも地続きの、かなり普遍的な問題として捉えられました。
たとえば女性2人の家庭に精子ドナー提供を受けて生まれたインド系オーストラリア人の私小説であるSarah Ross “Stitches Through Time”の、神父や政治家のなにげない発言(自分の家庭が考慮されていない、認められていない点に)に傷つき続けるくだり。
あるいはコンゴ系オーストラリア人Future D. Fidelの“Your Skin is the Only Cloth You Cannot Wash”は、ソーラーパネルの訪問営業の仕事をしていたら各戸を回っている間に警察を呼ばれ、住人不在の住宅からテレビを盗んだ容疑で留置所に連れていかれ、取り調べを受けた逸話です。
会社員ときどき文筆業。
Japanese SFF book reviewer & anthologist