ディアナ・レイバーン『暗殺者たちに口紅を』(西谷かおり訳、創元推理文庫)を読み終えました。
『キック・アス』や『ジョン・ウィック』『キングスマン』等を彷彿とさせる、ハイテンポで痛快な暗殺アクション小説です。退職したはずだった60歳の女性暗殺者たちが暴れまわります。未亡人も女性の配偶者がいる人も独身もいますよ!
http://www.tsogen.co.jp/sp/isbn/9784488191061
37分以降の「テック業界やXR/VR業界での就労に興味を持つトランス&ジェンダー・ノンコンフォーミング者へのアドバイスは?」という話題、ちょっと泣けました。3人が立て続けに「テック業界はいまだ旧弊でセクシスト、ただし安心安全な会社がないわけではない」という話をしています。
フェムなところ(女性的な面)を見せると評価が下がると複数人が言っています。前述のベテランエンジニアは「私はノンバイナリーだけど、人生の大半をヘテロ白人男性で通してきていて、できればそんなことしないで(don't do that)って言いたい」と発言していました。
ただし別のノンバイナリーの方は、幸運なことにずっとオープンにしてゲーム業界で就労してきたし、直近所属した2チームのメンバーは半数がトランスだったと語っていました。
「類は友を呼ぶので、仲間から評判を聞いて会社を探すといい」という助言が出ていました。
プライド月間に合わせて、VRC Trans Academyというグループが講演の配信を行なっていました。
リンク先は、VRChat社で働くトランス、ノンバイナリー、ジェンダー・ノンコンフォーミングの人たちの座談会パネルの録画です。(蘭茶みすみさん経由情報)
https://youtu.be/5vWqeDG-3f4
長いので私もフルでは視聴していません。
3/5人がケモノのアバターで、昔はテキストチャットやケモのコミュニティが居心地のよい場所だったと話されていました。
30分あたりからがおすすめです。
採用面接や労働もアバターのままでOKだった話。やや年配(45歳)の人の、昔からこういうものがあったらという発言。しっくりくるアイデンティティ発見の話「クリックしてアバターを着替えた瞬間、鏡に自分が映った。自分がいた。肉の牢獄(the flesh prison)じゃなくて。自分像が上書きされた」等々。
#fedibird #fedibird_info 自分のフォローやフォロワーの一覧・状態を、自分から見えないようにするための設定を追加しました。
それぞれ、フォローした相手やフォロワーの一覧がみえなくなり、『フォローされています』などの表示もされなくなります。
あくまで自分に対して制限を加える機能で、他のユーザーには影響しません。
APIレベルで機能するので、クライアントアプリを使用している場合にも効果があります。
副作用として、WebUIやクライアントアプリが相手をフォロー中であるかどうか判断できないため、既にフォローしている相手に対しても、フォローボタンが常に『フォロー』になります。そのままではフォロー解除できないので、必要な場合は設定を解除してください。
これは、誰をフォローしているか、誰からフォローされているかを、強制的に意識から外すための設定です。
今朝追加した、投稿数・フォロー・フォロワー・購読数を隠す設定と対になるものです。
非常にニッチな機能ですが、有用だと思う人は使ってみて下さい。 [参照]
ちなみに白水社の日本版あらすじには私は不満がある。
舞台の当時は言葉や概念が存在しなかったから、トマスのセクシュアリティやジェンダーは本書では謎のままだ。はっきりしているのは女装がトマスに解放やめざめを与え、ジョンの傍らに堂々といられる安らぎを感じさせることだけだ。ジェンダーフルイド、ノンバイナリー、ジェンダー・ノンコンフォーミングかもしれない。
だから、あらすじの「勇敢な兵士でありながら女としてのアイデンティティーに目覚めたトマスによって、生き生きと語られる」という1文はバイナリー(男女二元的)すぎるし、なんらかのクィアであるトマスを限定的に語りすぎている。
木原氏の訳文は役割語を使わず、きわめてフラットな語りになっているのでそこは安心してほしい。
(承前)バリーの祖父の大おじは、実際にアイルランド飢饉のとき米国に発った人。そしてバリーの息子は10代後半に父親にゲイであるとカミングアウトしている。つまり本書は、バリーが家族のために理想や願いを託した小説であって、当時のリアリティや倫理観に必ずしも沿ってはいない。
だからドラァグは楽しく、同性愛は引き裂かれず、ネイティブ・アメリカンの少女を守りぬけるのだ。しかし派手さは全然なく、朴訥とした語りが特徴である。娯楽作ではない。
ジョンやウィノナの考えや性格は、読者にはまったくわからない。検索するとやっぱり読者からそこに批判や不満の声も上がっていたようだ。ただし語り手のトマスが学がなく、コミュニケーションに不器用な異邦人であることを考慮すると、彼が他者の内面がほとんどわからないのも不思議はない。
セバスチャン・バリー『終わりのない日々』(木原善彦 訳、白水社)をやや駆け足に読んだ。ややモヤモヤするところもあったが、ひとまずはハッピーな結末に安堵した。
本書は19世紀米国を舞台にした西部劇的な小説である。ただし作者バリーはアイルランド人。主人公はアイルランド飢饉の際に米国に移民した少年トマス・マクナルティ。彼は現地で出会った少年ジョン・コールと共に、まず鉱夫向けの酒場で女装して酌婦をし、成長すると軍隊に入って命じられるがままに戦うようになる。
トマスはジョンと関係を持ち、ネイティブ・アメリカンの少女ウィノナを助けて3人家族になる。最終的に脱走兵となったトマスはジョンの妻を装い、潜伏するのだが……。(感想つづきます)
https://www.hakusuisha.co.jp/smp/book/b624993.html
蘭州牛肉麺のザムザムの泉、広尾から京都に移転していたのね。そしてコースの最低料金が8000円から。随分ハイエンドに振ったなー。3000円台のうちに食べておいて良かった。間違いなくその価値のある味だったし。
BT 一部の不得意によって生じる劣等感や周囲の幻滅はしんどいですよね。
私も見えない困難があるタイプでしたが、何より一番しんどいのは困難を信じてもらえないことでした。教師もまじめにやっていないと思ったり、できるまで繰り返させようとしてきたりする。
会社員ときどき文筆業。
Japanese SFF book reviewer & anthologist