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『ロスト・エモーション(Equals)』(2016年)U-NEXTで鑑賞。
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感情の発露が病気認定されてしまうディストピア社会を舞台にした、ニコラス・ホルトとクリステン・スチュアート主演のラブストーリー。ほとんど日本で撮影されたという無機質な建造美術と、白やグレーの彩度低い色調に寒色の照明を組み合わせたロケーションが近未来SFの世界観を作っている。『Arc』もそうだけど、親近感と違和感が同時に存在する奇妙な感覚。
どうなるか判らなくて怖い、けれどどうしても惹かれてしまう!近づきたい!人を好きだと思う心理の不思議と、互いに通じあった想いの昂り、触れあうことの喜びが、静かに描かれる。
設定を無視すれば「バレちゃう?ドキドキオフィスラブ」でもあり(頭悪い文章)二人が初めてキスするシーン、昨年観た『マイ・エレメント』のエンバー&ウェイドのそれと同じくらい、正直興奮した。それがまさか「ロミオとジュリエット」展開になるとは…そしてその末路にある二人の選択。感情のすれ違い、互いへの想いが均等でないことなど、誰かと共に生きることの複雑さを考えさせられる、最後は自分自身に問いが返ってくるような物語。三宅隆太先生の2017年ベスト内で紹介されていた。かなり好き。

『チェンジリング』(1980年) U-NEXTで鑑賞。
google.com/search?kgmid=/m/05y
三宅隆太先生が、本当に怖い映画だと仰っていたが、その通りでJホラーの源流も感じる作品。
特殊メイクやVFXに依らない恐怖演出。記録媒体に残される霊魂の声、古い車椅子、“リング”を観た人なら誰もが不安になる“井戸”などのディテール。
作曲家という主人公の設定と、霊が自分の存在を伝える手段の結びつけかたにもはっとさせられた。
タイトルの意味が明らかになる中盤以降は、物語の終結に向けてミステリーの様相を帯びてくるものの、大人の欲望の犠牲となった二人の子どもが不憫で、凶暴化する少年の想いも、ラスト炎の中へ導かれる彼の人の姿も切なかった。

九蓮天和(下総まう) さんがブースト

なんか今回の地震、世の中の緊急感が薄い気がする…まだ倒壊した建物の下にいる人もいるのに、もう災害は終わりさてこれから復興をどうするかですね、とでもいうような空気がうっすら漂っているような…

tottochan-movie.jp/
』(2023年)劇場がほとんど満席だった。
予告に比べて本編はキャラクターデザインが落ち着いている印象で、ずいぶん昔に読んだ原作の文章も思い出しながら鑑賞。改めて、この時代にこのような教育を受けられる学校があったこと、黒柳家の生活、文化水準の高さなど、現代と比較しても豊かさを感じると同時に、描かれていない社会の格差についても思いが至る。
“手のかかる”“予測不能”な子どもでも、一人で電車で学校に通わせるという、この時代ならではの、地域社会全体で子どもを見守るという空気も感じた。
評判通りアニメーションが素晴らしく、全体的な動画はもちろん【電車】【水中】【悪夢】という、子どもの想像力や可能性が拡がっていく表現パートでは、異なる手法が短い時間でもとても印象に残る。易しい口調で語られる原作に準じて進行してきた映画のクライマックスは、生きたくても生きられなかった命があることの理不尽を知った子どもの眼差しで戦争のある世界を映す。炎上する学舎、取り壊される夢のように可愛らしいおうち、無くなってしまっても消えない未来への希望が示されるラスト…トットちゃんのお話はいつも、いつかみんないなくなる寂しさと、自分はまだ生きていることを感じさせる。

九蓮天和(下総まう) さんがブースト

安倍内閣のときは、内閣がそう発表したわけでもないのに「この政策にはこういう深い意味があるんだ。そんなこともわからないのか」と言う人がTwitterにたくさんいました。それを見るたびに、「本当に尊師に従っていいのだろうか。やはり人を殺すのはまずいのでは」と思いつつ「いや、尊師にはわたしにはわからない深い考えがあるのだ。わたしの修業が足りないからわからないだけだ」と考えて犯罪にまで至ったオウム事件の実行犯を思い出していました。安倍さんは麻原と同じだと言いたいのではなく、周囲が勝手に意思を読み取り始めるのは危険だという話です。
菅・岸田両内閣ではそのような「解説者」が減ったように思っていたのですが、今回の地震でまた増えてきたように思えて気がかりです。

九蓮天和(下総まう) さんがブースト

雑な話 

すごく雑なことを言うけど、色んなことが、「東京じゃないから」でこうなっているんだろと腹が立ってしまう。地震の対応が遅いのも、揺れたら壊れる原発を置いちゃうのも、沖縄に基地を押し付けるのも、汚染水を海に捨てちゃうのも、東京から見たら遠くのどこかの話だからでしょ。東京に台風が来てるときだけ報道が大騒ぎするっていうネタ、本当にそうだと思う。
こう言うと、東京で生まれ育った人は嫌な気持ちになるだろうけども。東京から地方に出た人や、地方から東京に行った人は、いかに地方が「観光や特産品や自然を提供してくれる場所」程度にしか認識されていないか、よく分かっていると思う。

gaga.ne.jp/talktome/
『トーク・トゥー・ミー』(2023年)
パーティー、(ドラッグを暗喩している)憑依チャレンジ、ヤバい動画投稿…親の立場で観ていると、ハラハラしかない。
主人公ミアはハッキリと援助が必要な子どもなんだけれど、大人に不信感がある上に、何なら同世代からもじゃっかんウザがられてどんどん孤立していく。
酩酊?快感?に溺れて憑依チャレンジが止められなくなっていくのが本当に怖くて、そこにローティーン男子が“一回だけやらせてー”とか絡んでいく。事故の予感しかなくて、結果あんなことになり、ジェイド母スーの主張に全面同意…。
子どもだけで解決しようとしてどんどん悪い方に行ってしまうのも、世代や、依存症で苦しむ人との断絶を感じてしまう。いちばん寄り添ってくれる相手との関係も壊れて、すべてを抱えたミアが迎えるラストは本当に絶望だった。これが若い作り手から生まれるのは、オバちゃんがあーだこーだ言うより当事者世代に刺さるんだろうな…。
ホラー的には、音よりも画で驚かす手法で、ビクッとするようなジャンプスケアは少なめかも。この世のものではない存在の怖さと、自分のやらかしによる現実の怖さと両方が映っている。あと、笑っていいのかわからん気まずエロシーン?元カレダニエル色々不憫… 😓

九蓮天和(下総まう) さんがブースト

あまりに色んなことがあって裏金のこと忘れちゃいそうだけど、毎年のように大きな災害がおき、避難所は相変わらず劣悪、防災関連の予算は大幅削減の中で自分たちの利益は死守してきたんだから絶対許せん。

『ピギー』欧米映画でよくある“鹿”の演出が、この作品だと“雄牛”になるのかしら…
とも思った。

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piggy-movie.com/
』(CERDITA/2022年)公開当時気になっていたのに、劇場で観られなかった。U-NEXTで鑑賞
とても複雑なティーンエイジャーの心情と成長を、スラッシャーの手法で描いている。
主人公サラ…普通にとてもかわいらしいやん…なんであんないじめする奴ら、自分を恥じろよマジで…😡
そして殺人者との、言葉ではない視線の交わし合いから感じられる、感情の共鳴。
恐怖と嫌悪感の中にある官能、といった相反する要素が“でも、こういうことってあるかもしれない”と共感させておいて、理屈ではないまだ未熟な主人公の行動に、最後まで心揺さぶられる物語だった。
彼女はこちらを選択したんだ…と思わせておいての、そんな確信なんかないよね!と、おりこうさんな解釈にとどまらせない、ラストにとてつもないロマンスも感じた。
お揃いのブレスレット、冒頭とラストに映るバイクに乗る人物…など、映像で示す人物たちの関係性やその行為が暗喩しているものが、とても豊かに感じられる、丁寧な青春映画だと思う。
三宅隆太先生の2023年ベスト映画も納得の、ジャンルエンタメ手法で描かれた文芸エロスといった趣でした。

movie2.anime-eupho.com/
届けたいメロディ』
Eテレ放送で観た。TVシリーズは全く観ていないが、期間限定で目標に向かう中での青春群像劇に弱い自分は、観れば必ず心揺さぶられるだろうと思ってはいる。
(映画ちはやふるで描かれた)百人一首かるたはまだ体技要素もあり、勝敗も解りやすいが、高校演劇大会にしろ、吹奏楽コンクールにしろ、その学校にリアルタイムで通える生徒から構成されたメンバーで“表現”を競い、順位をつけるというのは、独特の厳しさを感じる。おそらく、個々の技能よりも指導者の資質に依る部分が大きい気もするし…。
本作は、シングルの母親が望む進路と、自分の望む生き方の違いが親子の衝突を生んでいる受験生が、何を選択し、そのために何をするかを、その当人ではなく、同じ高校の吹奏楽部に所属する主人公の視点を通して描いている。保護者に養育されている間は、自分で選べることが極端に少ない。彼女は最終的に壮絶な努力で自分の希望を叶えるけれど、精神的ヤングケアラーでもある。大人側から、自分の思う通りにすればいいんだよ!と言ってあげられないのが辛い。同じ子どもである主人公が彼女の拒絶に怯まず「私があなたと一緒に演奏したい」と伝えられたシーン、その勇気に拍手したくなった。泣いた。

九蓮天和(下総まう) さんがブースト

「子どもの貧困」もそうなんだけど、ヤングケアラーも根本的には福祉の問題なのに子ども支援になってしまうのは何故なのか。社会に貧困がなければ子どもも貧困にならないし、支援の必要な人を国や社会が支えていればヤングケアラーも生まれない。

九蓮天和(下総まう) さんがブースト

『ゲ謎』を観てきたので、本作が鬼太郎のオリジンを翻案したことの意義や、作中で帝国主義/植民地主義/家父長制がどのように批判されているのかなどについて、私の感想を書いてます。そして、ファンダムにおける言及の偏りについて追記しました。『ゲ謎』良い映画だしオススメです。
『鬼太郎誕生 ゲゲゲの謎』感想 - UNITAMENTE
ubuhanabusa.hatenablog.com/ent

leechangdong4k.com/
イ・チャンドンレトロスペクティヴ4K上映で『』(2007年)を観た。
悲しみの底から抜け出そうとする女性の葛藤を描く、とあるが、女性が望む生き方を自ら選択できない社会のなかで、常に“奪われる”人生を送ってきた主人公シネが、ありのままの自分を受け容れて生きていこうとするまでの物語に思えた。
夫は他のひとに、息子の命も、おそらく父親からは未来の選択肢を奪われ続け、その憤りを表にあらわした時、頭に置かれたあの掌は辛かったね…という肯定であり、それはたしかに彼女の慰めになったのだと思う。ただ、その後宗教活動にのめり込むシネの姿に、観ている私は“信仰”の想いをあまり感じ取れず…案の定、刑務所でのシーン、自分が主体で思い描いていた幻想は砕かれ、根本的には何も変わっていない彼女の内面が露呈する。その後“奪う”側になってやろうと抗うが、結局は自らの命さえ奪うことはできなかった。
自分に気がある男が、どうしても「ないわー」なのもリアルで、ソン・ガンホ演じるジョン社長は後ろから、鏡越しに、シネの前に立って…と彼女を見つめるシーンが何度もあるのに、徹頭徹尾視線が向き合わない演出、男のわかってなさの表現が秀逸。
まさに文学を映像化した作品、という印象

九蓮天和(下総まう) さんがブースト

政治家の差別発言が目に余るほど多いんだけれど、なんか最近異常じゃないですか?差別発言すると何らかのインセンティブが入るのか??というレベルで目につくんだけど、あの人も、この人も政治家になるときの初心は本当にそんなだったんだろうかって考えてしまうよ。

子供だった頃の自分に見せて恥ずかしくないのかな。きっと恵まれた教育を受けただろうに何が腐らせてしまうのかな。入った党なのか、求められる役割なのか。そんな生き方悲しいね。

九蓮天和(下総まう) さんがブースト

タイムスリップした女子高生が特攻隊員と恋に落ちる実写映画、予告みただけでもほんとに絶句した。終戦の年にタイムスリップしてるなら、こんな状況じゃないことなんて分かるはずなのに、分かっていてやってるんだと思った。戦争の美化が加速していて本当に気持ち悪い。最低最悪の「永遠の0」だって、ここまで躊躇なくキラッキラの特攻隊賛美はしてなかったよ。
youtu.be/op-4vT2s6Ok?si=EmxHgF

』(1973年)と
』(2023年)を
連続で観ました。元作品をちゃんと観るの実は初めてで、昔の映画なのに120分ある!と驚き
そして新作は、画やモチーフの引用やオマージュもありながら、悪魔憑きという事象にどう対処するかがとても現代的なアプローチになっていた
理不尽に体や心を蝕まれる子どもたちの姿は、どうしても現在進行形の戦争、虐殺を連想させる
目の前の命を守るのがいちばん大事なことで、思想信条が違えどそれはあなたもわたしも同じでしょう?と問いかけられている気がした
儀式の型を用いて問題に対処する女性たちが医療従事者っていうのも、古来の知見と科学の両立という感じ
そして、“母の愛の力”についての描写は、あの母娘に託すところがサービスぅ!となったね
そしてちゃんとパンフレットにサタニスト高橋ヨシキさんが寄稿されてました。さすが

九蓮天和(下総まう) さんがブースト

結婚しないと生活に困窮する可能性が高くなるっていうのは、本当にひどい話だよね。人権問題だよ。「それが嫌なら結婚すればいいじゃん」とかそういう問題じゃないよ。結婚しないと生活に困窮する社会のほうが完全に間違ってるよ。この後結婚.出産しなかったせいで大変なことになるとしても、そうなった上でこれは間違ってるって堂々と言いたい。誰にも「それ見たことか」なんて言わせない。

九蓮天和(下総まう) さんがブースト

mcpass.jp/media/article001.htm
人生に不安を抱えているので貯蓄の情報を見たりしちゃうが、とりあえず平均と中央値の格差がでかすぎて内容が入ってこない。特に単身者。どんだけ富が片寄ってんだよ。

』(2023年)kitaro-tanjo.com/
とても面白かった。子どもが観る映画じゃねーべ…となる龍賀一族の設定のえげつなさ
大人だと余計に深読みしちゃって、時貞の下衆さが増す
戦争や資本主義における、搾取する側をきっちり“悪”として描いている
最初はそれに追随しようとしていた水木の本質にある熱さが、妖怪と関わることで現れていく流れ
ゲゲ郎が立ち回るアクションシーンのカッコよさ、人の死に様を最期まで見せないけど(グロ配慮)絶妙に嫌〜な感じもよかった(血はたくさん飛び散る!)
切なく苦しい選択の果てに、命を生かして、その未来に責任を負うことを受け容れるラスト
これまで何度もテレビシリーズ化され、映画もたくさん作られてきた鬼太郎ユニバースともうまくつなげていて巧い!でもこれ単体でも充分楽しめる
幼少の頃から鬼太郎大好きな相方と二人で観たのだが、鑑賞前から「鬼太郎6期は武器の決め手に欠ける。オカリナ笛の汎用性が高すぎた」「3期4期の猫ちゃんが至高」などテレビシリーズへの言及止まらず、鑑賞後には「わたしゲゲ父みたいな顔に弱いんよー!なんでおそ松がカッコよく見えるんだろうと思ってたけど、理由わかったかも…」などの気付きを得ていて、彼女の感想すべてが面白かった

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