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tottochan-movie.jp/
』(2023年)劇場がほとんど満席だった。
予告に比べて本編はキャラクターデザインが落ち着いている印象で、ずいぶん昔に読んだ原作の文章も思い出しながら鑑賞。改めて、この時代にこのような教育を受けられる学校があったこと、黒柳家の生活、文化水準の高さなど、現代と比較しても豊かさを感じると同時に、描かれていない社会の格差についても思いが至る。
“手のかかる”“予測不能”な子どもでも、一人で電車で学校に通わせるという、この時代ならではの、地域社会全体で子どもを見守るという空気も感じた。
評判通りアニメーションが素晴らしく、全体的な動画はもちろん【電車】【水中】【悪夢】という、子どもの想像力や可能性が拡がっていく表現パートでは、異なる手法が短い時間でもとても印象に残る。易しい口調で語られる原作に準じて進行してきた映画のクライマックスは、生きたくても生きられなかった命があることの理不尽を知った子どもの眼差しで戦争のある世界を映す。炎上する学舎、取り壊される夢のように可愛らしいおうち、無くなってしまっても消えない未来への希望が示されるラスト…トットちゃんのお話はいつも、いつかみんないなくなる寂しさと、自分はまだ生きていることを感じさせる。

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