イギリスの選挙結果と今後の動きは興味深い。
BBCでは、投票する有権者が支持政党を容易に変化させるようになったと捉えている。
https://www.youtube.com/watch?feature=shared&v=YWxYTYpsMag
僕の考えは、前に投稿した内容からも推し量れると思うが、有権者における支持政党の構成に地域差が減少し、全選挙区で以前よりも似たような構成を示すようになったということではないかと思う。
理論的に予想しているだけなので、是非、専門の人に得票数のデータを使って調べてみて欲しい(他人任せ😅 )
日本でも似たような感じになるだろうから、現在の与党と野党第一党の間に議員数として大きな差があっても、得票数としての差はそこまででは無いので、同様に与野党がひっくり返るのは難しくないと思う。
従来型の選挙は、投票した時点という瞬間において、選挙民の考えが最も反映されるように当選者が選ばれるべきということに重きを置いていて、多くの選挙の数理もその範疇で考えられている。これは、その瞬間における最大派閥かそれに類似する候補者を選ぶというもの。
僕の提案する確率選挙は、投票した時点という瞬間では、選挙民の考えが最も反映されるとは言えないが、確率的に見れば反映されるというもの。集団の意見を反映するというのは、本来、最大派閥の意見を選ぶと言うことでは無いはず。
先の意見で最大派閥を選んでしまうのは、特定の瞬間においてという要請によって、一回毎に切り離して考えるべきという条件が付け加わった事による。
確率をどう解釈するかは難しいところだが、パラレルワールドを考えても良いし、仮に同じ集団が何度も繰り返し選挙をすると考えても良いが、前者であればパラレルワールドの総体として、後者であれば、長期に渡る結果の総体として、当選者の構成は選挙民の構成と一致する方が、より本質的に集団の意見を反映していると僕は思う。(まぁ、ここは価値観の問題w)
ということで、選挙制度について興味を持った人に、以前投稿したこの本をお勧めします。
「数と正義のパラドクス 頭の痛い数学ミステリー」ジョージ・G・スピロ
https://amzn.asia/d/h8FV1iv [参照]
そうは言っても、現行の選挙制度においては戦略が存在するのは事実だし、それを知って投票するのが良いというのも、その通り。
ただ、それで満足するのでは無く、その歪さを選挙制度の改革に持って行って欲しいなぁと思う。
僕の確率選挙ほどラディカルでなくても、世界では、色々と選挙制度が孕む矛盾を問題視して制度改革がされているので、制度ありきで考えるのは、あまりに飼い慣らされすぎているのでは無いかなぁとw
例えば、選挙民の過半数の意見を反映する候補者がいれば、その候補者にとって、少数派の意見を取り入れることは得票数を減らすことにつながりこそすれ、得は無い。よって、一度、絶対的な多数派になると、往々にして思想的に先鋭化しがちという問題点がある。
一方で、確率選挙であれば、60%の得票数を得たとしても、当選する確率は6割で半々よりちょっと良いに過ぎない。少しでも当選確率を上げるには、より多くの選挙民から支持を受ける必要がある。また、90%くらいの得票数を得ているのでも無い限り、確実に当選するとは言えないわけで、癒着・馴れ合いは生じにくくなるし、実力もないのに何代にも渡って議員を務める家系のような不自然なことが起きる可能性も限りなく小さくなるのでは無いかと思う。
少数派どころか、非常に僅かな人たちの意見を、次善策に集約させることなく顕在化させつつ、社会を構成する多数が一定程度満足するという矛盾が民主主義社会には求められているわけだけど、これには、2つの点での改善策があると思っている。
1つ目は教科書的ではあるけれど、選挙民は自分の権利を最大限主張するのでは無く、主権者としての自覚を持って少数派の存在を自覚し、落とし所を考えて投票すべきと言うもの。ただ、これについて言えば、選ばれる議員ですら、このような考えが欠如したものが多いことをもってしても不可能に近いと思われる。
2つ目は選挙制度を変えるというもの。実は、少数の意見でもそれに見合った分だけ反映させるという方法が数学的には存在する。つまり、得票数に比例する形で確率的に当選者が決まるというものだ。ザックリ言えば、例え1%にしか支持されない候補者であっても、100回に1回くらい当選したって良いのではというもの。実は、この確率選挙は僕が思いついてから知り合いに話しているのだが、副作用として多くの選挙における矛盾まで解消してくれる上に、大きな問題は指摘されていない。とは言え、確率という概念の難しさ故に、理解が難しい面はあるのだけど・・・。
まぁ、思考実験として、ちょっと、想像してみてもらえると嬉しいなw
個々の戦略によって決めるという方向性で理想的な選挙制度を作るなら、それぞれの選挙民はスマホから投票し、得票数は時々刻々と反映される上に、自分の投票先も投票終了の時刻まで自由に変えられるようにするのが良いということになりそうだけど、そういう未来を想像しても、僕は望ましい制度とは思えないんだけどなぁ。
結局の所、選挙は常に少数派を切り捨てていくところがあるので、理想的には、当選者数ではあるけど、それが無理でも、やはり少数派の存在が顕在化することも重要では無いのかなぁ。
当然、現状を見れば、そのようなことを当選者は気にしないし、何の意味も無いと言うのは分かるのだけど、それは、選挙制度を変えることで解決すべき事では無いかと思う。
選挙は自分の一番良いと思う人を選ぶわけでは無くて云々みたいなのが、最近流れてくるけど、どういう根拠で言ってるのかな?以前から、よく言われている話ではあるので、気になっている。
投票の数理に関する研究で言えば、こういうのは、ある種の矛盾として捉えられていて、どちらかと言えば、投票する側の不勉強と言うよりは、選挙制度の問題として捉えられていると思う。
投票の考え方を変えるべきだとか言うのも、どちらかと言えば、選挙というものが選挙民の意見を反映させる制度であるというよりも、立候補者間の戦略の問題と思わせる側面が強いように思えて、それはそれで、投票率を下げる側面があるのでは無いかなぁとも危惧している。
SNSも同じだから、ここで言うのも変な話なんだけど、リアルタイム性というのはそれだけで麻薬のような所があって、正常な判断を歪めつつ、依存していくところがあるよね。
今でこそ新聞は遅いメディアだけど、明治から昭和の中頃までは、新聞も似たようなところがあったのかもしれない。そして、より早い媒体を求めて、テレビやネットニュースがその地位を取って代わっていったのだろうなぁ。
こういう時は、古典や学術書のような、時間をかけて、ある意味、現実の世界との過度なつながりを切った情報を仕入れて、翻ってリアルタイムの問題を自分の頭で捉え直すのが良いよね。
分かってはいるのだけど、麻薬の力が強くて、自分で工夫したり、意識的に避けるような強い意志が無いと、すぐに飲み込まれてしまう・・・😅
そう考えると、依存するほど人を集めないSNSが良いという厄介なことになるわけだけど。まぁ、実際、そんな気もするw
趣味:料理・音楽鑑賞(クラシック・ジャズ)・サイクリング・ピアノ(Simply Pianoというアプリに小さな電子キーボードを繋げて遊んでます。初心者。)
Duolingoでドイツ語とアラビア語を始めました。まだ始めたばかりですが😅
お酒や珈琲が好きですが、お酒は薬の関係で最近飲んでいません。
学術系の話題は全般に興味があります。
たまにPythonで簡単なプログラムを書きます。
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