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いわゆるALPS処理水の海洋生物への影響に関して、太平洋諸島フォーラムの専門家が警告。

コメントを出した専門家のひとり、ハワイ大学のリッチモンド教授は、昨年にNatureの記事で名前を見かけていた。
Is Fukushima wastewater release safe? What the science says
nature.com/articles/d41586-023

彼ら専門家からの警告や提言を、日本政府は聞き流している。影響力が大きくないと見て、たかをくくっているように見える。

私の個人的な意見として、批判派の専門家の意見も取り入れ、より健全な施策——ALPS処理水の放出工程が安全であるならそのことをより透明性を高めて示し、あるいは課題があるなら叡智を集めてその解決を図ることが、科学的で公正な態度だと考えています。
(ただし、この意見は今のところ非常に不人気なようです)

7/19付け発表に基づくポスト↓
kolektiva.social/@cubic_drop_f [参照]

No Hate TV、「小山・米山・室井問題」は、45分頃から。

45分頃に頭出し ↓
youtube.com/watch?v=gBy8oLFBsO

特に米山隆一議員のSNS発言問題への論評は1時間14分頃から。忙しい方は、ここから15分ほど聞いてみてください。

米山発言が、過去にさんざん繰り返された「レイシズム擁護のテンプレ」であることが分かります。

鈴木エイト氏が、「統一協会問題」を切り口に自民党総裁選の候補たちを語る。
dot.asahi.com/articles/-/23163
記事のトーンだと、最も統一教会に厳しいのは河野太郎。ほか、石破茂、上川陽子、林芳正も教会から嫌がられている。

統一教会に最も甘い懸念があるのは、菅義偉をバックとする小泉進次郎。

高市早苗も統一教会とのつながりが深いとされる。

小林鷹之は統一教会に「厳しい対応を取る」と明言。ただし「スタッフ一人一人の思想信条を聞くことには限界」と言葉を濁す。

トランプ候補は、AIで生成したフェイク画像を自分のSNSのTruth Social に投稿した。テイラー・スウィフトが「トランプに投票を」と呼びかける内容だ。

TechCrunchの記事(画像あり)
techcrunch.com/2024/08/19/coul

関連:ロイターの日本語記事
トランプ氏、偽のT・スウィフトさん画像投稿 支持見せかけ
jp.reuters.com/world/us/I25NGL

この記事、興味深い内容でした。

一田和樹
デジタル権威主義とネット世論操作
英暴動は他人事ではない......偽・誤情報の「不都合な真実」
newsweekjapan.jp/ichida/2024/0

偽情報対策が、偽情報を拡散し社会を分断させているとの指摘。

"おそらく中露イランや極右などは、欧米の対策が逆効果になるのをわかったうえで、情報工作を続けている。彼らからすれば、欧米の政府機関やメディアが偽・誤情報を発見し、注意喚起すればするほどより多くの効果を期待できる。"

実は「過剰な対策をしすぎない」ことも大事であるわけですね。

そして、次の引用。

"「フロイト(心理学)とチューリング(情報科学)の強力なタッグに、カント(啓蒙哲学)はもう太刀打ちできません」"

記事内では批判的な文脈で引用されているこの言葉の軽薄さには、あきれるばかり。

ここで"カント(啓蒙哲学)"と呼んでいるものは、国連と国際法の理念「平和と人権」の基本です。カントの否定は、虚無主義の肯定であり、現状の暴力を背景とする権威主義の肯定です。

こういう種類の言説をまき散らしたい人達がいる、ことは認めます。私たちには、平和と人権を軽視・無視する言説に対する警戒が必要です。

X/Twitterの業績はどんどん悪化している。

Fortuneの記事をYahoo! Financeで目を通した。
finance.yahoo.com/news/elon-mu

NYTが入手した内部資料によれば、X/Twitterの米国の2Q売上は1億1400万ドル。買収前の2022年2Qの6億6,100万ドルと比較するとインフレを考慮に入れ84%の売上減。このままでは倒産も視野に入る。

穴埋めにテスラ株を売却するのでは、と株主は心配している。

"〈特別公開〉石丸現象とTikTok――若者世代のリアリティ(伊藤昌亮) 2024.08.16

※『世界』2024年9月号収録の記事を、増補のうえ特別公開します。"
websekai.iwanami.co.jp/posts/8

説明:都知事選2位の石丸伸二候補について、バズったTikTok動画を題材に、若い世代の考え方や行動にまで踏み込み分析。

一読をお勧めします。

イーロン・マスクが作らせたAI"Grok"の画像生成機能は、“機関銃を撃つミッキーマウス”や“ドナルド・トランプ前米大統領と手を繋いで微笑むテイラー・スウィフト”などのフェイク画像を手軽に生成できる。

今までの生成AIサービスではかけられていた安全装置を外した形だ。

論より証拠、記事に掲載された画像をみてください。
itmedia.co.jp/news/articles/24

なお、石丸は「女子供」発言に見られるように内面では女性を見下ろしているが、建前では男女平等と多様化の尊重を唱えつつ本音では女性を見下すこともまた、日本の企業社会でよく見られる態度ではある。

まとめ:
石丸候補は、選挙後にバズった動画を見るとマスメディアに対して異様に攻撃的な人物に見えるが、選挙前にバズった動画を分析するなら、非政治的な若い世代が共感しやすい自己啓発や老害批判のメッセージが中心だった。

感想:
「デスゲームをうまく戦ってきた大人」であり「デスゲームの戦い方を若者向けに指南」する石丸にリアリティと共感を感じる層が、「デスゲームはおかしい。変えよう」と唱える蓮舫候補の支持者よりも人数が多かった。これは重大な指摘だ。

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伊藤昌亮、「石丸現象とTikTok——若者世代のリアリティ」(岩波『世界』2024年9月号)は、自分にとって興味深い内容だった。伊藤は『ネット右派の歴史社会学』の著者。

都知事選で2位につけた石丸伸二候補の人気を分析するため、TikTokの「石丸動画」のうち「いいね」数1万以上を獲得した128本を分析した。都知事選の投票日前に公開された動画では、「自己啓発的な若者応援」と「若者の成功を阻害する老害の批判」が多くの「いいね」を獲得していたことが分かった。

現代の若者の多くは世の中のシステムを改善する発想にリアリティを持てず、現状のシステム内での自己実現に関心がある(=若者の多くは政治的ではない)。その非政治的な若者層の共感を獲得することに成功したと分析する。

石丸候補は弱者への福祉を語らない。ネオリベラリズムが内面化されている。一方で、文化的には小池百合子のような極右ではなく、関東大震災で虐殺された朝鮮人の追悼式典への出席を表明したり、上野千鶴子の著作を評価したりする。このような態度(経済右派、文化左派)は、実は日本の企業社会ではごく当たり前である。
(続く

星 暁雄 (Akio Hoshi) さんがブースト

主にイギリスの方をメインに、XからThreadsへの大量移入が起こっているみたいですね。実際の数は分かりませんが、Xで大きなフォロワーを抱えていたアカウントが、それを消してThreadsへ移行したと、雪崩を打った様に報告されている。
イギリスで暴動が起こる中で、イーロンが「内戦が起こる」などと、暴力を煽る行為を繰り返したのに、愛想を尽かした人が多い様です。

英国の極右暴動をイーロン・マスクは公然と扇動。いっぽう、Telegramは極右をブロックした。

Wiredの記事から、いくつか抜粋して紹介する。
wired.com/story/telegram-is-bl

"『フィナンシャル・タイムズ』紙の報道によれば、X/Twitterは、英国当局からの国家安全保障を脅かす書き込みの削除要求を拒んでいる。"

UK faces resistance from X over taking down disinformation during riots
ft.com/content/31919b4e-4a5a-4

"Xのオーナーであるイーロン・マスクは、白人暴徒がマイノリティよりも厳しく警察に対処されていると主張する極右陰謀論を広め、緊張を煽っている。"

"マスクはその巨大な影響力を利用、多様性が暴動を引き起こすとほのめかす。「相容れない文化が同化することなく一緒になれば衝突は避けられない」"

感想:
異常な事態だ。

イーロン・マスクにも独自の意見を表現する自由はあるが、その自由は責任を伴う。暴力扇動や差別発言は法規制されうる。

X/Twitter買収当時からさんざん警告されてきたことだが、いまやイーロン・マスクが巨大SNSを所有していることは、世界の不和を煽るリスクとなっている。

クルーグマンは、イーロン・マスクらテック富豪たちの「おかしさ」を以前から指摘してきた。彼らは金銭的な利益を追求するだけでなく、自己愛が強すぎ名声を欲しがる。そして極右に染まる。経済学者の目から見ても、超富裕層は社会のバランスを崩す存在に見えているのである。

私から補足:
クルーグマンの言うことにビットコイン支持者は反発するだろうが、ひとついえることは、政府がビットコイン流通量の5%を保有した程度ではアメリカ経済への影響は皆無。業界と一部の保有者が喜ぶだけだ。

加えて、ビットコイン支持者が唱える「ビットコイン本位制」などのアイデアは、経済学者らの検証を十分に経た理論とはいえない。主流派経済学者が無視あるいは反対するのは当たり前。共有できる理論がない以上、生産的な議論も難しいだろう。

なお、私自身の立場は、アンチビットコインでも、ビットコイン推進派でもない。善用も悪用もできる要注意の存在として慎重に取り扱うべきだと考えている。経済学的には、せいいっぱい好意的に考えても「未検証の存在」として扱うべきだろう。

そして私自身は、政府のビットコイン大量保有は悪手だと考えている。それはビットコインの市場を歪め、その特徴を殺してしまうからだ。

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トランプ共和党が業界と結託し、クリプト/ビットコイン支持政策を打ち出した件について、「主流派経済学者は何をやってるんだ?」と思っていたが、ポール・クルーグマンがやってくれた。

J.D.バンス副大統領候補への批判記事の中で、ビットコイン政策についても「ビットコインは経済学的には役立たずだ」とばっさり。

Tech Bro Elegy: How Did JD Vance Get Here?, New York Times, July 29, 2024
nytimes.com/2024/07/29/opinion

クルーグマンは「トランプとバンスのチケットを強力に支持するテック業界の億万長者たちは、非常に裕福ではあるが、比較的小さなグループである」と書く。その通りだ。これはごく少人数の人々の利益のための取引で、すべての人の方を向いた政策などではない。

また共和党が発表した綱領には、業界独特の(カルト的な)言葉使いで、ビットコインとクリプトの支持、中央銀行デジタル通貨の否定が書き込まれた。「有権者に向けたと思われるかなり短い文書に、奇妙な内容を盛り込むのはいかがなものだろうか」とクルーグマンは指摘する。これはまったくの正論だ。
(続く

追記:大事な話をひとつ追記。
「大手メディア企業は、必ずしもひとつの意見で統一された一枚岩の団体ではない」

例えばNHKや朝日新聞の報道姿勢への批判の声がある。他の例では、日経にはなまじテック業界の記事が載る分、テック系専門家から「分かってない」などと批判されがちだ。

変な報道はときどきあるだろう。だとしても、大きな組織の中には必ず複数の意見があり、腕利きの記者もいる。NHKや朝日や日経ほどの規模であれば、無視できないほど重要な報道を時々出すだろう。面倒くさくても、個別の報道ごとに是非を判断した方がいいと思っている。

もちろん、本当にダメだと思った会社はスルーするのもひとつのやり方だ。自分の持ち時間、余力のなかで、できる範囲でメディアとうまく付き合うのがいいだろう。

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メディアとの付き合い方。

気になる記事を見たら、

(1) 記事全文をちゃんと読む(ネット記事のタイトルだけで判断しない)
(2) 複数の媒体、複数の記事をチェックする
(3) 英文の記事、それもなるべく長文の記事を読む(Washington Post、New York Times、Guardianなどは長文記事をよく載せる)
「日本発、日本語情報だけの話題」には慎重な態度で臨む。
(4) 一般むけと専門メディアの両方に目を通す
(5) 自説は保留、まず記事の主張を読む

こうしたプロセスで、自分の中の意見の複数性を確保する。

特に原子力、再エネ、自動車、ジェンダーの話題は情報源の偏りに注意。

賛成派と反対派が争っている事案は、なるべく両者の主張を見る。「争い」や「反対」を無理に避けようとしない。異論は悪ではないが、嘘、ごまかし、故意の無知は悪になりうる。

「中立」や「価値相対主義」には警戒する。悪意のあるなしに関わらず、中立を装いながら間違えている言説は多い。

リンク先ツイートの発言へのコメント。

おっしゃる通りです。人間は、中央集権国家と軍事技術の発明のあと、自然界にはなかった大規模な残酷行為を繰り返した。

一方で、この発言のように、人間には自らを省みる能力がある。

ベターなやり方を求め、もがき続けるのが「人間らしさ」ではないか。例えば平和と人権の概念を発明し国連機関/国際法に実装するなど……国連も国際法もまだまだ不完全ですが、少しずつ前進している(バックラッシュもあるが)。

「is(である)はought(べき)を直接導かない」という有名な言葉がある。現状のひどさを認識することは、「現状のままでいい」ことを意味しない。よりベターなやり方を求めてもがくインプットということなのだと信じます。
x.com/komugikonofan/status/181

"シエンタの後面衝突試験では、試験車両の重量を軽く見せるため、書類には軽くした重量を書く不正も見つかったという。"

感想;
これは、自分勝手な主張を繰り返すトヨタ自動車への国交省からの「意趣返し」の側面もあるだろう。

トヨタ自動車は、不正問題の発覚後も、「国交省の基準より厳しい条件で試験していた」など自己正当化を繰り返し、それを鵜呑みにして報道する自動車専門メディアもあった。

問題の矮小化やメディア工作の前に、問題があるなら解決、改善することを優先するべきだったのではないか。

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朝日新聞の記事。

トヨタのプリウスαなど7車種で新たに不正発覚 「ない」一転
asahi.com/articles/ASS702JKSS7

次の関連記事は興味深い。国交省への取材に基づき、トヨタの主張の問題点をあばいている。

トヨタ会長が主張の「北米基準の1800キロ」 実は06年に廃止
digital.asahi.com/articles/ASS

"不正があった後面衝突試験で、トヨタの豊田章男会長が「北米基準」と主張していた基準が2006年に廃止されていたことが国土交通省への取材でわかった。"

"6月の会見で豊田会長は「後方からぶつけられた場合の北米基準だと、1800キロの重さを後ろからぶつけなさい。ところが、日本の基準だって1100なんですね」 / トヨタの宮本真志・カスタマーファースト推進本部長もこの会見で、「より厳しい条件の試験」をしていたと繰り返した。"

"だが、1814キロの台車を用いるという米国の基準は06年に廃止され、現在は1361キロという。/ 国交省関係者によると、日本や欧州は小型車が多く、アメリカは大型車が多いなど各国の実情に沿った基準になっており、より重いもので試験をすれば良いというものではないという。"

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記録として。

新たにトヨタ自動車の7車種で不正発覚などにより、国交省は31日、トヨタの佐藤恒治社長を呼び出し是正命令書を手渡し。1か月以内に抜本的な再発防止策を策定、四半期ごとに実施状況報告を求める。

トヨタに初の是正命令 「型式指定」の不正で 国交省, NHK, 2024年7月31日
www3.nhk.or.jp/news/html/20240

トヨタ自動車、ニュースリリース
型式指定申請に関する是正命令について
global.toyota/jp/newsroom/corp

◎グループ企業での不正問題
22年3月、日野自動車
23年3月、豊田自動織機
23年4月、ダイハツ工業
24年6月、トヨタ自動車(本体)
24年7月、トヨタ自動車に是正命令

23年4月には豊田章男会長は「ガバナンスを強化する」「グループ全体で総点検を実施」と約束したが、その後も不正は相次いだ。

感想:度重なる不正発覚を「いじめ」などと評する報道もあったが(情報の発信源はどこだろう?)、トヨタ自動車が本当にグループ全体のガバナンスを見直し姿勢を正していたなら、こうはならない。

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