この記事、興味深い内容でした。
一田和樹
デジタル権威主義とネット世論操作
英暴動は他人事ではない......偽・誤情報の「不都合な真実」
https://www.newsweekjapan.jp/ichida/2024/08/post-58_1.php
偽情報対策が、偽情報を拡散し社会を分断させているとの指摘。
"おそらく中露イランや極右などは、欧米の対策が逆効果になるのをわかったうえで、情報工作を続けている。彼らからすれば、欧米の政府機関やメディアが偽・誤情報を発見し、注意喚起すればするほどより多くの効果を期待できる。"
実は「過剰な対策をしすぎない」ことも大事であるわけですね。
そして、次の引用。
"「フロイト(心理学)とチューリング(情報科学)の強力なタッグに、カント(啓蒙哲学)はもう太刀打ちできません」"
記事内では批判的な文脈で引用されているこの言葉の軽薄さには、あきれるばかり。
ここで"カント(啓蒙哲学)"と呼んでいるものは、国連と国際法の理念「平和と人権」の基本です。カントの否定は、虚無主義の肯定であり、現状の暴力を背景とする権威主義の肯定です。
こういう種類の言説をまき散らしたい人達がいる、ことは認めます。私たちには、平和と人権を軽視・無視する言説に対する警戒が必要です。