だめすぎる最低な「謝罪会見」や「経営陣からの説明」を見るたびに思うが、なぜ会見を開く前に、その分野に熟練した専門家を入れてみっちり準備して来ないんだろう……
いやそういう問題じゃないのは分かっていますが……
企業や組織であれば、今後どのような対応を取ることが社会的に正しく誠意あるものと受け止められるかはものすごく重要で慎重に考えるべきことのはずなのに、検討して出してきたのがこれなの!?といちいち驚愕するし苛立ちと脱力感がすごい。
内部の人間だけで考えてもまず問題点の正確な認識もできていないから、質疑応答でボロが出るとかですらなく、初手から全てがボロボロなのを見せられると今後に何の期待もできなくてしんどすぎる。
新潮クレスト・ブックスの周年フェアに寄せた西加奈子さんのインタビューを読んでいたら、西さんが挙げた好きな新潮クレスト本に品切れが目立つのが悲しい……。
数えたら、話に上った作品17冊のうち5冊が品切れだった(刊行年は2001年〜2012年)。
ジュンパ・ラヒリやリュドミラ・ウリツカヤにも、すでに買えない本があるんだ……!?😭びっくりした。
他の出版社でも、雑誌等の本特集を読んでいると紹介作品に「品切れ」記載をちょくちょく見かけるし、海外文学って絶版までほんとに早いなあと改めて思う。
読みたくても読めないことがどんどん増えていくのかなあ。現代作家の本が読めなくなるのは辛い🥲
電子書籍化されていたり図書館にあれば良いけど、生活圏内にアクセス可能な図書館があるかどうかも課題だし……。
8月に買った・読んだ本。
『慣れろ、おちょくれ、踏み外せ』がめちゃくちゃ素晴らしい対話本で、読んでる間ずっとワクワクしていました。
ロビン・ディアンジェロの本が『ホワイト・フラジリティ』に続きベストセラーになったことや、フランスにおけるホロコーストとユダヤ人差別の過去と現在を描くノンフィクション小説である『ポストカード』が高校生たちに支持されていることには、希望を感じられる気がして嬉しくなりました。
◆アンヌ・ベレスト『ポストカード』
◆キム・ソンジュン『エディ、あるいはアシュリー』
◆蝉谷めぐ実『化け者手本』
◆宮部みゆき『青瓜不動』
◆小川公代『世界文学をケアで読み解く』
◆森山至貴×能町みね子『慣れろ、おちょくれ、踏み外せ 性と身体をめぐるクィアな対話』
◆ロビン・ディアンジェロ『ナイス・レイシズム なぜリベラルなあなたが差別するのか?』
◆周司あきら 高井ゆと里『トランスジェンダー入門』
◆ピーター・スワンソン『8つの完璧な殺人』
宮部みゆき『青瓜不動 三島屋変調百物語九之続』
今作はまるまる、富次郎が自らの来し方行く末について思い巡らせる一冊だった。
表題作は虐げられ居場所を失った女性たちが身を寄せ合い助け合って暮らす、江戸時代版DVシェルター!
ただシェルターの庵主となったお奈津が、父親と相容れなかったことを後悔して「父には父の苦しさがあったのだ」と自分を責めるのには、父親の仕打ちをそんなふうに許さなくてもいいのにな……とモヤモヤ。
そんなお奈津だからこそ彼女のもとに不動明王(うりんぼ様)が顕現したのだろうとは思うけども。
四篇目は、里の大人たちの行動に泣けて泣けて……。展開は分かっているのに、こういうのに本当に弱い。
昨日久しぶりに午前中に総合病院を受診したら、熱中症のような症状・状態でフラフラになったお年寄りがたくさん来ていらして、辛い気持ちになった…(待合室での看護師さんとの問診が聞こえてしまう)。
なんとか自分で来た方や、家族が付き添ってる方、それにご近所さん?が連れてきてくれた方など様々だったけれど、新聞では熱中症で搬送された数字しか出ていないから、本当はもっと多くの人が危険な状況にあるんだろうな…
陳思宏『亡霊の地』(三須祐介訳)を読みました。
7人きょうだいの末っ子である陳天宏が、ベルリンで恋人“T”との間に起きたことを追想しながら、台湾に帰郷する。
視点は天宏から5人の姉たちや父母へと次々に移ってゆくのだが、誰も彼もがめちゃくちゃ辛い。
田舎の驚くほど狭く逃げ場のないコミュニティの中で、家族という一番近しく濃い関係性から生じる、容赦のない様々な形での抑圧が生々しく描かれており、ものすごく苦しい。
家族は体験を共有していながらも、立場も違うし見たこと知っていたことも自分ひとりだけのものであり、何を感じどうやって生き延びてきたのかもみんな違う。
多視点によって語られる、家族それぞれの痛みと苦悩にまみれた過去と現在とを追いながら、密接に絡み合って最後に立ち現れるものに胸がつまる圧巻の群像劇でした。
ケイセン・カレンダー『フィリックス エヴァー アフター』(武居ちひろ訳)を読みました。
こんなに瑞々しくて、眩しいほどに真っ当な青春小説を初めて読みました!
家族や友人への複雑な感情と関係、将来への不安、そしてジェンダー・アイデンティティに葛藤しながら、答えを探すフィリックスに胸が熱くなる。
アウティングを受けたフィリックスの苦しみ、そして無知との衝突に心抉られるのだけど、「人は誰でも過ちから成長できるはずだから許すべきなのかもしれない、しかし差別者を許さない」ことを選ぶフィリックスの決断が描かれており、ここは本当に重要だと思う。
自分の尊厳を犠牲にするべきではないこと、自分を守る選択も、絶対に尊重されるべき。
主人公をはじめ、非白人のクィアの登場人物がこんなにも当たり前にたくさん出てくる物語が読めて、すごく嬉しい。
読んだ本のことなど。海外文学を中心に読んでいます。 地方で暮らすクィアです。(Aro/Ace)