2019年イージスア・ショア計画に反対していたころ、宮古島や石垣島の「弾薬庫」建設計画を知りました。現実のものとなっている映像を見てやりきれない。
民意を無視し軍事要塞化されてゆく沖縄の南西諸島は他人ごとではない、沖縄の島々も含め日本列島がこうして軍事要塞化されているのです。。
各地で自主上映中。
https://www.youtube.com/watch?si=dtGWMcgaN6xH9tdk&v=nBPhfgi2CUM&feature=youtu.be
数日前、「戦雲(いくさふむ)」(2024年)の三上智恵監督が撮った
ドキュメンタリ「標的の島 風かたか」(2017年)をみました。
・「標的の島 風かたか」
https://www.amazon.co.jp/dp/B07S52LT9W/
自分たちが暮らす地域に基地(米軍・自衛隊)をつくってほしくない、と沖縄の各地で行動している市民を記録した映画です。
この映画の最後、高江のヘリパッド建設に反対し工事車両を止めようとする市民たちを、警察が排除する場面が続きます。
全国各地から集められた警察です。
映像では、沖縄以外のナンバーをつけた警察車両がうつっていて、なかには柏ナンバーの機動隊車両もありました。千葉県警からも集められたのでしょう。
本来なら自分たちの生活を守ってくれるはずの警察が、前に立ちふさがり、場合によっては体をひっぱったり押さえつけたりして、市民の行動を妨害している。
そのことに、行動に参加している人たちの多くが、とても哀しげだったのが印象に残りました。
岸政彦氏の「アベノミクス」礼賛、親切な方が送ってくれた「投稿」によれば、なんと自民党総裁選で高市早苗を支持する文脈だった。
これはさすがに「開いた口がふさがらない」。ま、ついに「化けの皮が剥がれた」というところか。
極右でも「反緊縮」ならOK、であるならまさに「ナチス」でも支持できる。実際、ナチスは33年に政権を奪取してから、戦争準備のための緊縮財政を完全に反故にした。
これで「左派は経済のことを知らない」と言い放つのであるから、いやはやたいした度胸である。
それにしても、「物を知らない」+「面の皮が厚い」ということは、ある意味短期的には政治的に+になる典型である。
しかも、肩書があり、芸能人気取り、インチキ「リベラル」身振りで騙されている人もそれなりに居る訳だから始末に悪い。
ところで、この岸政彦氏、例の「リベラルの正義」批判の星野智幸、これまた「ポストモダン詐欺師」の千葉雅也氏と、元来「一味」の人である。
ある意味「物を知らない」トリオと言ってもいいが、首都圏の文化産業にコロリと騙される人が多いのは真に困ったことである。
そろそろ考え直す潮時ではないか?何と言っても「あの」高市早苗支持を表明しているのである。付け加えると、岸氏は経済学のことは「何も知らない」。
この投稿が9月10日。その後、かなりメディアも含めた激しい党内権力闘争もあったようだが、結局石破が次期首相となる。
10日の投稿でも書いたように、選挙用に「安倍的」なものを刷新する演出としては、石破が合理的なのは外からは明らか。
とは言え、この「刷新」は当然マスコミを抱き込んだ選挙キャンペーンに過ぎない。石破の政策表明としては、1)原発フル稼働、2)9条2項の改憲、ついでに3)デフレ脱却まで、安倍・岸田と同じ。
何と言っても石破は軍事法廷の設置が長年の主張である。確かに、組織が軍であれば、特別軍事法廷があるのがグローバル。スタンダード。
とは言え、ここから1年で物価上昇、株式下落、金利上昇(中小企業倒産)は避けられないから、まずは「刷新」ムードのまま解散・総選挙の可能性大。
党内基盤が弱い石破としても、自民党議員の入れ替えを行うメリットもある。
問題は維新との共闘を表明している野田立憲。
安倍的なものからの刷新を唱える石破自民と安倍2軍である維新と組む立憲という構図では、結局「自浄作用がある」自民の方がまし、となって立憲は壊滅的大敗となるだろう。
こうなってくると、WWII後大政翼賛会から出発した保守グループだけの離合集散へと収斂する可能性もある。リベラル左派の結集は如何に?
QT: https://fedibird.com/@yoshiomiyake/113108439239484402 [参照]
自民党党員・党友内での支持、1位石破、2位小泉進次郎、3位高市早苗という。河野太郎は、「保険証」廃止の振る舞いで、数パーセント。衆院用の「石丸」か思われた「コバホーク」とやらも全く振るわない。この「コバホーク」、宏池会の林へのあてつけか「保険証廃止延期はあり得ず」とわざわざ表明している。
ところで、選挙を担う党員として、選挙用には「安倍的なもの」を刷新したい、その点から言うと石破1位は合理的ではある。
しかし、2位、3位の顔ぶれを見ると、もう自民党という政党には国政を担う人材そのものが払底していることがわかる。これは党の体質でもあり、安倍の手下でしかない高市が3位、というのはかなり「閉じた社会」である。
しかし、ここのところの総裁選キャンペーンが功を奏して現時点では自民党第1党は動かないと云ふ。やれやれ。
逆に長引く兵庫知事問題で維新の支持率は急落。これは少なくとも兵庫では議席を失うだろう。
この状態で維新との連携を打ち出す立憲主流派の「センスの悪さ」には驚嘆する他ない。
一方共産はメディア広報のあおりをくって現在令和を少し上回る程度。
これから自民、立憲の総裁選次第で状況は多少動くだろうが、「リベラル左派」にはなかなかに厳しい状況である。勿論中期的には可能性はあるけれども。
この方のどこをどう評価しているだろう。
私には、全くわかりません。
京都市、3年間の市政戦略を策定へ 特別顧問に上山信一氏
日本経済新聞 2024/09/26 https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUF2640P0W4A920C2000000/
つい近頃、共産+市民VS立憲も含めた京都市長で僅差で当選した、元経産省の松井考治。
市特別参与6人の内、すでに今井尚哉、鈴木寛と安倍の側近だった経産官僚を2人。植田浩は総務官僚だが、松井知事の時にすでに大阪府副知事。これに、美術品のデジタル保存、オリジナルは「ごみ箱へ」の、の元運輸官僚、維新お抱えでまだ斎藤兵庫県知事を擁護している上山信一である。
これでは京都市役所が経産官僚と維新に「のっとられた」と見られても仕方あるまい。
ちなみに今井尚哉の叔父の今井敬は真日本製鉄社長、経団連会長、日本原子力協会会長を歴任。今井家と安倍家は姻戚関係にもある。
その上、鈴木寛(前総長予定、上山信一(副学長)、といったいどこまで欲が深いのかそこが知れない。 [参照]
また岸政彦氏が「アベノミクス」景気が良くなった」という駄法螺を吹聴しているらしい。
この岸という詐欺師、マスコミはやたらと好きだが、あまりも「いいかげん」なので、最近は「作家」となのっているらしい。
ちやほやされて、最近はペットとのツーショットもXに挙げているらしいが、どうも芸能人気取りのようである。
ペットと言えば、経産省に飼われて「風評加害」を法的告訴の対象にと叫んでいる開沼博が登場する、講座「社会学 環境」の巻はまだ刊行されていないようだ。
このラインナップは開沼以外にも原発芸人が一人、あとは民俗学崩れが一人、「公害」という概念は消え去っていた筈。
公刊されれば、私は必ず批判するので、そのおつもりで。
[参照]
岸◯彦がまた「アベノミクスで学生の就職がよくなったのに」言い出ししてる。それ団塊の世代が徐々に離職していくなかで人手不足の懸念から人材確保せんとマズいんちゃうかって話なのでアベノミクス云々は言うほど関係ないのでは?とずっと思ってるんだけど違ったらすいません
京都市、すでに5人の特別顧問がいるということなので、調べてみました。
(以下、敬称略)
なんと、
・今井尚哉(内閣官房参与、三菱重工業顧問)
・鈴木寛(元文部科学大臣補佐官、日本財団ドワンゴ学園準備会顧問)
とすでに2人の元経産(通産)官僚がメンバーにいます。
また、
・植田浩(元総務官僚)
は、松井一郎知事(維新)のときに、大阪府副知事をしていた人物。
つまり、いまの京都市の特別顧問のうち、経産・維新関係者は5人のうち3人。
今回、そこに上山信一が加わって、6人中4人が経産・維新関係者となります。
QT: https://fedibird.com/@chaton14/113207917809696035 [参照]
さて、今日の東京新聞の1面の自民党総裁選の見出しは「非核三原則見直し・アジア版NATO」である。これは極めて「まとも」
ところが6面には中島岳志氏が「星野智幸のリベラル批判」と太字で書いたリード、「リベラルを自任する人たちは、絶対的な『正義』に依存し、自分達こそが「正しさ」を担っているという自意識」を強くもっている」などと壊れたテープレコーダーのような凡庸な懐メロを書いている。
私自身は「リベラル」ではなく、「左派」だと思うが、絶対的な的な「正義」を自任する自意識をもつリベラル」なんて人、ほんとうにいるのか?
中島氏本人はご自分を「保守」だと仰っている。いやはや。ついで「文学の力を信じる」などと面白いことを言っている。彼の書いたものを眺めると、海外の大家は勿論漱石・鴎外さえ読んだ形跡が見当たらない。
これでは、ごく普通に星野智幸を批判している平野啓一郎の方がはるかに「まし」。
ところで、中島氏の最初の本に女性の東大教授第一世代長崎暢子さん(インド研究者)が推薦の帯を書いていたのを思い出した。長崎さんはインド大反乱の研究者であり、私も彼女の本は全て読んだ。
長崎さんは樺美智子と同学年であり、長崎浩と結婚していた時期もある。とにかくあの「帯」は長崎さんにとって残念なことだった。
アジェンデ(大統領)といえばラテンアメリカ文学の雄フリオ・コルタサルとも縁が深い。
かつて自嘲気味に「美的領域に関する出来事以外、一切の世事に対してブルジョア的盲目を貫く」と語っていた作家は、年を経るごとに現実世界への政治にコミットしていく。カストロと親交を持ち、チリのアジェンデ政権を支持し、明確に革命支持の立場に立ったニカラグア紀行まで発表する。サンディニスタ!ザ・クラッシュである。支持せずにはいられない。
そんなコルタサルを翻訳者の寺尾隆吉は、後年コルタサルは政治にかまけて真面目に小説を書かなくなったと発言している。寺尾氏は翻訳では良い仕事をしているが、マヌエル・プイグを軽薄な作家としたり、イサベル・アジェンデを「安易」と切って捨てるなど、個々の文学の評価には全く同意できない部分もある。
これって、文学、音楽、映画、あらゆる分野において「表現から政治につながる部分を徹底的に忌避する」日本の風潮の一つの現われだろう。
しかし、「百年の孤独」「族長の秋」「戒厳下チリ潜入記」、「精霊たちの家」、「蜘蛛女のキス」、これらの作品を政治を抜きにして読めるわけがないのだ。
社民、立民と維新の連携けん制 「選挙協力あり得ず」
2024/9/26 - 共同通信 https://nordot.app/1211872252167242330
映画「テルマ&ルイーズ」をアマゾンプライムで見ました。
・「テルマ&ルイーズ」
https://www.amazon.co.jp/gp/video/detail/B09PRG92BN
最高の映画でした。
みてよかった。
すでに古典的な有名作品ですが、今まで未見で、
もうすぐプライムでの配信終了と出ていたので、この機会に見ました。
あらすじも結末も知っていたのですが、テンポがすごくよくて、状況的には追い詰められていってるのに、主人公の女性2人がどんどん開放され自由に向かって疾走していく、
予想外にさわやかな気持ちになる映画でした。
ルイーズ役のスーザン・サランドンは、間違っていることに対して躊躇なく声をあげ、発言を行うことでも有名です。
最近も、「イスラエルのやっていることをアメリカが支援するのはおかしい」、「自分たちが払っている税金がジェノサイドのために使われるのはイヤだ」と訴えかける行動をしています。
・Al Jazeera speaks to Susan Sarandon as she lobbies for a Gaza ceasefire(18 Feb 2024,Al Jazeera)
昨日、東京新聞創刊140周年記念号の編集局長との斎藤美奈子さんの対談を読んで、少し期待したのだが、今日の中島岳志の「論壇時評」を見て、がっかりした。
中島岳志という人は、勿論知ってはいたのだが、「あまりにも知的にレベルが低く」、とは言えマスコミで「維新」を批判しているらしいので、敢てこれまで言及せずにきた。
しかし、「星野智幸のリベラル批判」と題して論壇時評全部を星野擁護に費やしているとあっては、無視するわけにもいかない。ましてや、「朝日」でも「毎日」でもなく、「東京」で、とあっては尚更である。
中島岳志氏は「中村屋のボース」で西部邁などから後押しされてデビュー、西部の「発言者」などの常連となる。
まるで、アジア主義(特にインド)通であるかのように、振る舞って「リベラル保守」を名乗っているが、彼がヒンドゥー語も読めず、しばしば孫引きするバークもトクヴィルも読んだことはないことは明白である(捲ったことはあるかもだが)。これは知っている人なら知っている噺。
私も生活クラブ生協の雑誌で彼の「保守」(バーク・トクヴィル)噺が、まるで「デタラメ」だったことをよく覚えている。
しかし、東京新聞、記事は良のものも多いが、人文・思想・理論・書評が極めて弱い。これが課題になるだろう。
ところで、ドイツや米国では、哲学者フォエルバッハより、父の刑法学者アンゼルム・フォイエルバッハの方が、現在でも遥かに知られている。
アンゼルムはヘーゲルより4歳上の1775年生、イェーナ大学にてカント哲学、ライプニッツ、ルソー、ロックなどを学ぶ。
しかし、23歳で結婚、ルードヴィヒ・アンドレアスをはじめ多くの子供をもうけたアンゼルムは、生活の必要から哲学から法学へ専攻を転換(ただし哲学学位は取得)。
1799-1800年に『実定刑法の根本原則及び根本概念の省察』、1801年に『現行ドイツ普通刑法綱要』を出版。
「罪刑法定主義」を明示した後者の著作は19世紀後半までドイツの大学で刑法の教科書として使用され、アンゼルム・フィエルバッハは今でも「近代刑法の父」と言われる。ちなみに、フオイエルバッハは、ウィーン体制下のフランス法典編纂論争にも介入、ティボーに左袒している。
またフィエルバッハ父は1861年まで効力をもったバイエルン王国刑法典編纂に関与。この刑法典は1886年にアルゼンチンに継受された。
5人の息子の内、長男は考古学者、その息子が後期ロマン派の画家として有名なアンゼルムで、そして4男が、かの哲学者ルートヴイヒ・フォイエルバッハ、ということになる。
哲学・思想史・批判理論/国際関係史
著書
『世界史の中の戦後思想ー自由主義・民主主義・社会主義』(地平社)2024年
『ファシズムと冷戦のはざまで 戦後思想の胎動と形成 1930-1960』(東京大学出版会)2019年
『知識人と社会 J=P.サルトルの政治と実存』岩波書店(2000年)
編著『近代世界システムと新自由主義グローバリズム 資本主義は持続可能か?』(作品社)2014年
編著『移動と革命 ディアスポラたちの世界史』(論創社)2012年
論文「戦争と奴隷制のサピエンス史」(2022年)『世界』10月号
「戦後思想の胎動と誕生1930-1948」(2022年)『世界』11月号
翻訳F.ジェイムソン『サルトルー回帰する唯物論』(論創社)1999年