『テーマからつくる物語創作再入門』(K. M. ワイランド)かなりアツいです。
本書は、テーマ・プロット・キャラクターの三者の融合によって物語を創作することを志しています。三者のどれかにフィーチャーした創作論は数多くあれど(そして、自ずと融合を論じることになった創作論もいくらかあれど)、最初から融合それ自体を目標として語るのは初めてお目に掛かりました。三者の融合を語るために、読者には三者に関する前提知識を求められるのですが、ある程度の創作論を読んだ人には強く勧めたい。
テーマ・プロット・キャラクターの融合は言うに及ばず、脇役の作り方や、サブテクストの深め方、シンボリズムによる意味の表現の仕方、テーマ(抽象)とメッセージ(具体)の行き来の仕方など、前提知識の要求水準が高い分だけ、高度な議論がなされています。
私は同著者の『ストラクチャーから書く~』を創作論のバイブルにして、適宜に『アウトラインから書く~』を眺めているんですが、『テーマからつくる~』は新たなバイブルになると確信しました。
ガチでお勧めです。
https://www.filmart.co.jp/books/978-4-8459-2111-9/
フィルムアート社のカクヨムに要約もあるので、とりあえずそちらだけ読んでもいいかも。
https://kakuyomu.jp/works/1177354055193794270/episodes/16817139554701242091
『十二人の怒れる男』(シドニー・ルメット) #よしざき観たよ
凄すぎる……。陪審員のために集まった12人が、容疑者を有罪か無罪か話し合いで決める密室劇。当初は有罪が圧倒的優勢だったが、話し合いが進むにつれ、形勢が変わっていく。
12人(しかも、それぞれに役名すら与えられていない)がずっと口角泡を飛ばしている絵面が続くのに、まったく目が離せない。12人それぞれの人間心理が変化していく様がありありと見えた。これは凄いですよ……。
『Undercurrent』(Bill Evans & Jim Hall) #よしざき聴いたよ
ピアノとギターのデュオ。二つしか楽器がないはずなのに、空間に音が満ち満ちている。和声を操れる楽器の可能性を体感した。
『バイバイ、ブラックバード』(伊坂幸太郎)#読了 #よしざき読んだよ
借金やらなんやらで「あのバス」という死を予感させる存在に乗せられることになった、5股(!)男が女たちに別れを告げに行く話。
興味深かったのは本編よりも付録の伊坂のインタビューで「短編なのに長編の書き方をしてしまう」と述べていたこと。物語を構成するリズムが長編向きなんでしょうね。確かに、長編の方が冴えている。短編集は連作だったとしても切れ味がマチマチ。伊坂ほどのエンタメ作家でも、得意不得意が明確にあるんだな、と。でも、得意な型(ハメ手)に持って行って面白い話を作れる。
アマチュアの書き手としては、なんだか肩が軽くなったように感じられた。オールラウンダーにならなくていいんだって。
『スポーツクライミング教本』(東秀磯) #よしざき読んだよ
新しいチャレンジ、ボルダリングをしようと思って、まずはその教本を読みました。とにかく壁にくっついて、とにかく身体の重心と壁の支点(ホールド)との距離を意識して、「てこ」を作用させる。あとは実践してみよう。
今月はオタク活動に励んでおりました。ジャズ7枚、本22冊でした。
はてなブログに投稿しました
241031 2024年10月度月報 - 箱庭療法記 https://yobitz.hatenablog.com/entry/2024/10/31/195714
#はてなブログ
『The Amazin Bud Powell Vol.2』(Bud Powell) #よしざき聴いたよ
このアルバム、バド・パウエルの演奏で突如としてピアノの「タッチ」の気持ちが分かった気がする。
『GO』(Dexter Gordon) #よしざき聴いたよ
テナーサックスのデクスター・ゴードンがリーダーの一枚。テナーサックスが自在に動き回る。かといって他の楽器がバックに回るかというとぜんぜんそんなことはなく、聴かせどころを作る。「Love For Sale」は特に面白い。
『Reaching Fourth』(McCoy Tyner) #よしざき聴いたよ
表題作「Reaching Fourth」を聴いて「打鍵の力強さ」という概念がフンワリ伝わった気がした。
『Play Your Own Thing: A Story of Jazz in Europe』(ユリアン・ベネディクト) #よしざき観たよ
ヨーロッパのジャズメンぜんぜん知らんくてついていけんかった。
『ジャズを聴く』(ジェリー・コカー) #よしざき読んだよ
ジャズに用いられる音楽理論をちょうど良く絞って紹介しつつ、実際の名曲の演奏がどのように実践されているかを詳細に解説する。理論と実践のバランスの良い一冊。ただ、私がまだ未熟なリスナーで、その何分の一もわかったかすらあやしい。
『「簡潔さ」は最強の戦略である』(ジム・バンデハイ、他) #よしざき読んだよ
読む価値なし。シンプルに書けという本なのだが、著者の来歴が延々と語られて、戦略に説得力がない(公開範囲間違えてたので再投稿)。
小説/ジャズ/中国茶。🌍は、読書・音楽・茶の記録について。🔒は、それに加えて日常について。