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『アンソロジー 舞台!』(近藤史恵、他)

ギブ。一本目の近藤史恵が酷すぎる。2.5次元舞台に初出演する舞台俳優が慣習の違いに戸惑って……という話なのだが、それだけで終わって、ビジョンもメッセージもなく、こぢんまりとしていると言えば聞こえはいいが、話のスケールが小さすぎる。二本目の方もリーダビリティが低く、これ以上読めませんでした。テーマがテーマだけにマストリードだと思っていたのに、ここまでこうだと、流石につらい。私は私のお話を書こうと思いました。

『Modern Jazz Quartet』(Modern Jazz Quartet)

ジャズバーで流してもらった一枚。管楽器ナシでミルト・ジャクソンのヴィブラフォンという構成が特徴的。室内楽的なジャズバンド。全体的にお上品な感じ。別のアルバムにはなるが「Night In Tunisia」がThe Jazz Messengersとは比較にならないくらい静かで、なんの曲かわからんくてShazamで調べてしまった。

『トレンドフォロー大全』(マイケル・C・コベル)

ありえん分厚い(900ページ超)ので必要な箇所だけ抜き読み。本書でも頻出のワードが「規律」「ルール」「測定」。 トレンドフォロー理論は、オニールのCANSLIMのMに特化しているのだが、これは個人には実行できないと感じる。トレンドフォローを実行するためには、ルールを作る(ここまでは不可能ではない)必要性に加え、それを計算機に落とし込まねばならない。この落とし込みのプロセスは、独力で達成できなかろう。そのプロセスの労力が、アクティブファンドの手数料なのであろう。

アクティブファンドのマネージャーの代わりに自分で管理するのが個人投資なので、アクティブファンドと個人投資は実は比較対象としては異なっているだろうな。

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『インデックス投資は勝者のゲーム』(ジョン・C・ボーグル)

顧客から手数料を掠めとるアクティブファンドを罵り、低い手数料でインデックスをフォローすることを称揚する本。資産に関する価値観が著者(と、ウォーレン・バフェット)と私(と、私が参考にしている投資家ら)とでは決定的に異なるな、と思った。前者は資産が増えればいいと考え、後者が信じるのは確定した利益だけである。私が思うに、ローリスクローリターンでインデックスファンドに預けるか、ミドルリスクミドルリターンで個人で狙い撃ちするかがベターで、個人でインデックスファンドのまねごとをするのがハイリスクハイリターンなのだろうな。

『株式トレード 基本と原則』(マーク・ミネルヴィニ)

基本的に『ミネルヴィニの成長株投資法』を読めばよい。それに加えて、本書で特筆に値するのは、
・日々、記録せよ。
・損益分岐点(あるいは、得たい儲けの分岐点)を厳密に設けよ。
の二点に集約される。損益分岐点の話題はこれまで読んだ株本の中でほとんど触れられていなかったので新鮮に読むことができた。

『ミネルヴィニの成長株投資法』(マーク・ミネルヴィニ)

これまで読んできたオニールやそのフォロワーを、書きぶりを変えて総括するような一冊。オニールもミネルヴィニもテクニカルから入ってファンダメンタルで傍証を得る手法を採っているが、よりファンダメンタルに寄ったイメージを受けた。個人的には、テクニカルとファンダメンタルとのバランスは、ミネルヴィニがいちばん「しっくり来た」。しっくり来たという納得感は、一貫したパフォーマンスのために必須の一貫した手法を使い続ける(規律を守り続ける)ために重要な要素だろう。何度も読み直そう。

『CROSSING』(bohemiannvoodoo)

日本の現代のジャズバンドbohemianvoodooの最新作。fox capture planが好きならこれもどうだ、と勧められたのが本バンド。とてもメロディアスで聴きやすい。「華火夜景」が一番好きかな。自分の成長を感じられるのは、こういう聴きやすいバンドに対して「なんとなく気持ちいい~」と感じるのに留まらず、そういう気持ちよさがどの楽器から生まれているのかを分析できると感じたときだ。

『エッセンシャル版 マーケットの魔術師 投資で勝つ23の教え』(ジャック・D・シュワッガー)

投資で勝つのに必須な能力は「規律」である。勝ち負けのルールを定めること、そしてルールを守ること。23の教えとあるが、絶対的に必須の能力は規律だ。特に耳が痛いのは「トレーディングをしたいという欲望」が生物には備わっているという事実だ。私は先月から今月に掛けてかなりの数の株本を読んでいるのだが、これは現実にお金を動かしてトレーディングする代わりに、読書を通じてその欲望を発散させることも兼ねているのかもしれない。ところで、投資の世界で問題なのは、規律を持って守るべきルールの中には「ルールを柔軟に変える」ことまで含まれていることだが……。

『This Here Is Bobby Timmons』(Bobby Timmons)

先日行ったビフテキ屋さんで流れていて「Moanin'」のメロディをShazamして発見した。Bobby TimmonsはJazz Messengers(代表曲に「Moanin’」が挙げられる)のメンバーであり「Moanin'」の作曲者でもある。「Lush Life」もまたいいですね。

『Live at Yoshi's』(Mulrew Miller)

「Joshua」がゴキゲンでいい感じ。けっこう前から聞いていたものの、アルバム全体で1時間12分と集中して聞き通すには長く感想も曖昧に。

『会社四季報 2024年2集 春』(東洋経済)

日本には様々な企業が存在するのだが、どんな業界にどれくらいのボリュームで存在するのか規模感を把握できたのがよかった。オンリーワンの強みを持つ、投資に値する企業は少ないと肌感覚でわかったのもよい。投資の観点から言えばオンラインで検索して洗い出せば済み、紙の本で頭から尻まで読むのは「修行」以上の価値を見出せないかもしれない。次の号は通読しないと思います。

『日経 業界地図 2024』(日本経済新聞社)

個別株の銘柄選びをカードゲームのデッキに入れるカード選びだとすれば、業界選びはデッキタイプ選び。来週3/18にカードリストもとい四季報が発売されるので、その前にデッキリストもとい業界地図を読んだ次第。

自分の話をすると、私は自分の勤め先の会社がWHYを示せているとも自部署が現時点で有しているとも思っていない。でも自部署では、今まさに志ある人々がWHYを打ち出し部署に根付かせようとしている。自分たちで自分たちのWHYを問い直せる、価値観を立ち上げるチャンスで、そのチャレンジに応えるのが私がいま働くWHYになっている。ありがたいことです。

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『WHYから始めよ!』に戻ると、「なぜ働くんですか?」に対して「お金をもらえるから」と答えるのは寂しいが、一方で、従業員にお金を出さない組織が従業員に信頼・忠誠心=WHYを組織の外に広げたいと思わせられるか――を持たせられるか(あるいはそういう余裕を持てるのか)というとまた別の話でもあるでしょう。本当に偉大なるWHYを有する組織があったとして(そこに全ベットする気持ちにさせてくれたとして)、組織には全ベットに応えるだけのリターン、食い扶持と言ってもいいですが、を示して欲しい。それがこの資本主義社会における一種の(最低限の)道徳だと言ってもいいと思います。

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『ONE OUTS』の作者は、明確にいわゆるリーダーシップ論を参照していますよね。心理戦を好んで描くけど、その中でも特にリーダーシップ論を好んでいる。もっと言うと、より広がりを持つ価値観を打ち出せたリーダーが勝つ漫画を描いていますよね。
作者、甲斐谷忍はむしろ『LIAR GAME』の作者として有名ですが、あの主人公もまた明確にWHY=悪徳マルチへの復讐、ひいては悪徳そのものへの復讐がありましたよね。
amazon.co.jp/LIAR-GAME-1-ヤングジャ

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