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田沼朝『いやはや熱海くん』1巻

大変好きです。おもしろいなー。温度感とテンポが良い。
こういう「文化の共有のできなさ」みたいなものってすごく残酷だなぁと思うんだけど、個人間だけで見れば、その残酷って乗り越えられるところもいっぱいあるんだよね。
でも個人の乗り越えだけではその残酷な溝は埋まらずに人は社会的に死んだり殺されたり簡単にしてしまうので、だから社会には「理解」ではなく「尊厳と制度」が必要で、社会にはそれを求めるんだけど。
セクシュアリティにせよ家庭のことにせよ、なんにつけても。
ドラマチックではない日常の残酷って、こんな感じのぬるいやさしさのなかにあって、案外大丈夫で、でも突然決壊してブチリと社会から切り離されて不可逆的に戻れなくなっていたりするから怖いよね。

おもしろいなぁ、かわいいなぁ、この作品の淡々としたゆるさ好きすぎる! と心から感じていて、そう書こうと思っていたのに、いざ感想書き始めたらこんな文章になってるんだから、やっぱり文章書くっておもしろいな。
言葉にするという過程で、私は私の形をやっと認識できてるんだなぁ。ここまでかよ。
2巻も待ち遠しいし、作者さんの別作品も絶対読みたい!

amzn.to/3XhhU1W

冬縞しぐれ『純情でなにが悪い』

夢見るチェリーの受けくんがやり手でヤリチンの攻めくんに翻弄されて絆されていく話かと思ったら、ほとんど一目惚れで攻めくんのほうが翻弄されていておもしろww となった。
いや、かわいいのよ。鈍感な受けくんが「えっ、こいつもしかして俺のこと好きだな?」ってちょっと調子良くなるんだけど、そのころ攻めくんは本当に受けくんのこと好きだから、いいぞ、いいぞ! となる。
受けくん純情なんだけど、受けくんだけじゃなく、つかむしろ攻めくんの方が純情では?

amzn.to/3IdjtcL

マミタ『40までにしたい10のこと』

いやぁーかわいくて、よかった!
『オールドファッション カップケーキ』と似た構図で、若い今どき男子×もうすぐ40歳のおっさんBL。
オールド〜 も好きです! という前提で言うのだが、私はこちらの作品の方が好き。
おじさんがかわいらしいファンタジーおじさんであるにもかかわらず、しっかりおじさんのにおいがするところ。とか。
若い子くんの、余裕あるように見えて実はままならなさや、たぶん咄嗟の経験の足りなさのようなものが垣間見えるリアルなところも。
悪気すらない無邪気に晒されたときの、多分気にしていない側から見たら過剰防衛なのだろう、しかし「学習」で身についてしまった当然の反応のことを思う。あそこから一歩踏み込むのは難しいし、無邪気のひとが、無邪気でわからないままでも一歩歩み寄ろうとしてくれたところには希望が見える(でもその希望は、多少なりとも希望を持てるだけの余裕ある身だから言えることなのかも)。

あと、絵が好きです。マミタさんのスーツはいいよね!!!!!(ギンモクセイの仕立て屋も読んでね!)

amzn.to/3YiuAH2

ろじ『ぼくのパパとパパのはなし』

私はBLのいわゆる子育てモノが大変に苦手なのですが、これはBLなんだけど、子育てモノのなかのBL、という主客逆転感があり、いやでも逆転してない、これこそが元来私がBLに見出し魅力を感じ求めるようになったきっかけのもので、いや普通にBLじゃん……みたいな心地になりながら読みました。

恋愛の話というより、家族の話で、愛の話で、ひととひととが一緒に生きるってどういう営みなのかなーとか、そういう話です。
好きです。

amzn.to/3jNQoLJ

私はもしねこ派ですかいぬ派ですかときかれれば、わんこさんを推させていただくタイプなのですが、昨日買ったねこねこBLが最高に可愛くてねぇ……ねこさんかわいいねぇの気持ちが大変に強い今朝です。
今日11? 12? 冊大人買いして、同じ作家さんの作品もう10冊ちょいいま買いました.今月のBL予算はもう枯渇気味です。(セールとクーポンと貯めてたポイントを大放出したので、モノクロームロマンス文庫ぶんくらいは残してある)

ねこねこBLなのですが、作中に出てくるわんこさんが大変に、大変にかわいい。癒ししかなかった。ありがとう。気持ちがささくれそうになったら何度も読むね……!
1枚目の画像とリンク先は、シリーズのわんこさんが出てくるやつ。2枚目の画像は、シリーズで一番好きだった作品(和菓子屋御曹司と四十路の元モデルさんの話)です。
Kindleとかhontoさんでいまキャンペーンやっててお得!

amzn.to/3HVh0Ue

岩本ナオ『yesterday yes a day』、再読にて読了。

岩本ナオは長編もおもしろい、という前提の話ではあるけど、短編の威力凄い。1冊読み切り作品。
完全に孤独なわけではなく、あたたかい誰かがそばにいて、それでもどうしようもなくどうにもならないままならなさが、じわりとやさしく、誠実に描かれている。
みんなそれぞれにいい子なんだけど、ちょっと不器用だったり、ちょっと強くあれなかったり、ちょっと世界のすり合わせができず噛み合わなかっただけで接点をもつに至らなかったり……。
それでも「たぶんどうにかなってしまう」切実なさみしさと、日常の強さみたいなものが、やさしくあたたかく描かれているんだよ…… すごいね……?!

なおこちらの作品は、全3冊の『雨無村役場産業課兼観光係』と同じ世界観(普通に日本だけど)で、でも読んでなくても全然大丈夫なやつです。
でもあっちの作品好きだった人は、是非読んでみてほしい。この作品、大変に「岩本ナオの真髄!!」感あるので。

amzn.to/3l4Eiyb

岩本ナオ『スケルトン イン ザ クローゼット』、再読にて読了。

表題作含む初期短編集。スケルトンインザクローゼットとは、文字通り「箪笥の中の骸骨」で、「親が他人に見せたくないと思っている子ども」のことだそう。

表題作の3人のうち、私はいつもメガネの彼を思って、胃が気持ち悪くなって吐き気がするほど胸が苦しくなるんだけど、伝わるだろうか。

とりわけかっこいいのは『僕の一番好きな歌』の2人、一番好きなのは『花の名前』(最後のコマのおばちゃんに話しかけるところが特に良い)なんだけど、いやぁどれも、しみじみといいんだよなぁ。『冬色自転車』の、甘えと誠実さとのギリギリのせめぎ合いが静かに描かれているところとか、凄すぎる。

『町でうわさの天狗の子』もめちゃくちゃ素晴らしいのだが、大変すぎて筆を折ろうとしていたそうな。
今も漫画を描いていてくれてよかった。長く長く読みたいよ。インボイスは今すぐポシャれ。

amzn.to/3XYzn02

『とんがり帽子のキッチン』2巻。

異世界レシピ本。レシピ載せられても食べられないこと『ダンジョン飯』のごときなんだけど、まぁおいしそう。
栞茶いいなぁ! お茶を淹れる楽しみがありすぎる。
本編最新刊、怖すぎて買ったきりひらけていないので、(ただ詰んでいただけの)こちらのシリーズを読むことで心の準備を試みている次第です。

amzn.to/3Y5C0gg

小山愛子『舞妓さんちのまかないさん』22巻。

小山愛子作品は『ちろり』もそうなのだが、琴線に触れられてしまってだめ。好きです。
「おかあさん」とおにいさんの感じがいい。他人だけど特別な親密もある感じ。同じ街で同じ文化の中にいて、同じ景色を別の場所から見ている。となりよりも、もう3つ4つあいてる距離感。その距離感でも時間は重なっている、というのが、良い。

とはいえやはり手放しに絶賛はできなくて、キヨちゃんの概念化とか、「舞妓」世界(業界?)のあり方とか、それをこの社会はどういうものとしてどう扱っているのかとか、スルーしちゃいけないヤバいものたちが、「きれいでかわいく味わい深さある日常の営みモノ」として、脱臭されているわけで……。

なお『ちろり』にもそういう部分があり、しかし『ちろり』にあるのはまた別のヤバさでもあるような……一番引いたのは、1巻冒頭です。なんであんなシーン描いたの……? いやほんとうに、なんでなんだよ……?

ショックすら受けたくせにどうしたって俄然「好き」なんだから、つくづく、「好きかどうか」「おもしろいと感じるかどうか」「社会的な意味でどうか」ってそれぞれ別個の話なんだよなぁ。

amzn.to/3wBac7O

ところで使ってるアプリのアイコンこれなんですけど(Ice Cubes)、主カミュカラーなので素晴らしいですね。

↓BTs
とっさに、朝田ねむい『スリーピングデッド』のこと思い出したけど、キョンシーとゾンビってそういえば……どうなんだ……? 同じ? 別物? どちらかがどちらかの中に含まれる概念だったり???

わからないけど『スリーピングデッド』はおもしろいです!
上・下巻の2冊でしっかり完結!

amzn.to/3JeOwpz

itz『コントラスト』。
タイトルがだんだん切実みを帯びていく感じ、読んでいて心地よかった。
「親友」の子がまた良くて、いや私あの子が好きだわ。新作フラペ飲み行こ!

なお本編よりも、その後のあの数ページのほうが印象深い。
綺麗すぎるけど、謝罪させないというのは正しくもある。正しくないけど正しい。

amzn.to/3H49Mff

ペパーくん夢なら余裕なんだけど(夢嗜好ないのに)、私が狙うポジションはヨクバリスです。

の話です。
「クリア」したけど、名作すぎてびっくりしてる……
剣盾(剣)とアルセウスも家にあるので、クリア後のやりこみやったら、そちらもやろうかなぁ

9歳(剣履修済み)は「剣の50倍くらいよかった!」とのこと。
ただ、理由は剣では道端の人らとバトルの不可避なのがウザかったから、だそう。
なるほどねー。

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雨隠ギド『おとなりに銀河』5巻。
何度でも言ってしまうのだけど、雨隠ギドさんはBLも非BLもGLも全部好きだし全部おもしろいし、好き……好きだ……!

「好きという気持ちに性別は関係ない」という欺瞞がとりわけBLに向けられることに私はイラりとするタイプなんだけど、雨隠ギドさんだけは、もしこの先このセリフを言われても私は「そうだね……そう!!!」ってスタオベしながら納得してしまう気がする。

この5巻は「ささやかなこと」がテーマにある1冊だったと思うけど、ささやかなことで涙が出るほどあたたかい気持ちにさせてくれる、こんなにやさしく琴線に触れてくれる作家さんは稀有だと思う。
……もう絶賛しかしないよ! 6巻も楽しみ。

amzn.to/3iyCblp

マーガレット・アトウッド『侍女の物語』、読み途中。
匂いの描写でうっ、となる。匂いって記憶とか感覚とかと本当に強く結びついているんだな。
まだかなり冒頭。

なんで服の色は赤なんだ? 理由あるの?
すごく目立つね。。

amzn.to/3QkiidZ

ついにタイミング来たのかなーと思ったので、マーガレット・アトウッド『侍女の物語』を読みはじめました。
3年くらい積んでいたのでは……?(あるある)

白川紺子『九重家献立暦』

『後宮の烏』がおもしろかったので、作家買い。非ファンタジー。
瀬尾まいこと森絵都と宮下奈都を混ぜたような感触で、余計な装飾がなく自然な文体。
文章はやさしくてさらりとしているのに抉り方が鋭角で、錆びついたナイフで刺した後丁寧に捻ってこちらの出血をさらに煽るようなことする。

読後感が全然良くない。
「家族の再生の物語」みたいな説明を見た気がしたんだけど、別に全く再生してない。
「あの人も人間だ、だからあの人のことも悪いばかりとは言い切れない」「とは言えうちらみんなもう、どうしようもないな」みたいな、諦念の物語だと感じた。
諦念からしか顔をあげられないことってあるし、とても「健全」な諦念と思った。
つまり、読後感が悪いにも関わらず、おそらく私はこの物語を好ましく思っています。

「読後感が悪い」というのも、振り返ってよくよく、いや普通に考えてみたら「は???」となる感じであって、物語の幕の閉じ方は大変美しい。日常の美しさ。人間の内実など見向きもしない、見慣れて色褪せそうな世界の、いつも通りの美しさが終幕を飾っています。
気落ちして、息を詰めて、そのあとため息つきたいようなときにお勧め。なんだそりゃ。

amzn.to/3WQy5DM

イトイ圭『あなたとは眠れない』。

あー! タイトルこういう意味での回収か?! みたいな気づきが遅れてやってきた。

私には読み取り難いタイプの雰囲気マンガかなーと思ったんだけど、
ほんとうにただただ私が読み取れてないだけでこれすごいおもしろいのでは……?!?! みたいなことを読了少ししてから感じているので、遠からずもう一度読みます。

amzn.to/3GA2iBv

伊坂幸太郎『魔王』を去年再読したんだけど、10年くらい前から「みんな読んでみてほしいな!」の1冊になってしまっているので、今年もおすすめしよう。
ぜひ読んでみて欲しいな!

なおKindleだといま40%分のポイントが返ってきます。
amzn.to/3Cl7Aym

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