岩本ナオ『yesterday yes a day』、再読にて読了。
岩本ナオは長編もおもしろい、という前提の話ではあるけど、短編の威力凄い。1冊読み切り作品。
完全に孤独なわけではなく、あたたかい誰かがそばにいて、それでもどうしようもなくどうにもならないままならなさが、じわりとやさしく、誠実に描かれている。
みんなそれぞれにいい子なんだけど、ちょっと不器用だったり、ちょっと強くあれなかったり、ちょっと世界のすり合わせができず噛み合わなかっただけで接点をもつに至らなかったり……。
それでも「たぶんどうにかなってしまう」切実なさみしさと、日常の強さみたいなものが、やさしくあたたかく描かれているんだよ…… すごいね……?!
なおこちらの作品は、全3冊の『雨無村役場産業課兼観光係』と同じ世界観(普通に日本だけど)で、でも読んでなくても全然大丈夫なやつです。
でもあっちの作品好きだった人は、是非読んでみてほしい。この作品、大変に「岩本ナオの真髄!!」感あるので。