大根 さんがブースト

いしいひさいち『ROCA 吉川ロカ ストーリーライブ』読了。
ぽんこつな女の子がファド歌手として成功するまでを描くビルドゥングスロマン。
「ファド」ってポルトガルの大衆歌謡だそうです。
読んでる最中はさほどでもなかったのですが、読み終わって本を置いてから、言祝ぐしかない喪失感が迫ってきて泣いてしまった。大きな風が吹いて去った感じ。
4コマ漫画なので流れはパスパス切れるし、説明も最低限なので、行間がとても大きくて、読んでるこちらが積極的にその行間を埋めにいかなきゃいけないけど、辿り着けない部分がだいぶあるけど、でもたぶんそれでいい。
主人公がファド歌手になりたい理由が一切説明されてない。で、成功するまでの物語なので、成功した姿やその後は語られない。
ファドとか聞いたことないけど、読んでる最中主人公のファンにさせられます。
んで、作中で「ライナスの毛布」と称されていた友情の話でもありまして。
これが、サウダージなのかな。

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わたしたぶん、フィクション読むの向いてないんだよな。
何を食べて生活してるのかとか、その予算はどこから出ているのかとか、気になるよね。

『生誕100年 山下清展』に行った。
貼り絵で有名な作家さん。一生の仕事をざっと総覧できる感じの展示でした。
代表的な貼り絵だけでなく、マジックで書いたペン画、焼き物への絵付け、幼少期の鉛筆画などが展示してありました。子供時代の落書き?なんかよく取ってあったなあ!
貼り絵なんですが、ちぎってある紙は細かく、土台の紙はA0ぐらいあって大きかったです。
人間って、細かい仕事と大きな成果物に感動するようにできてるよね。
記憶力が凄かったです。

『ROCA』! いいよねー。
サウダージ、サウダージ。最後の見開きに吹く風よ。

大根 さんがブースト

薄い本を出せるほどの量も書けないし、布教できるほどの熱量も質もない。

大根 さんがブースト

福岡県立美術館内の喫茶店の張り紙がかわいかったので写真を撮ったけど、遠かったすぎて拡大してもよく見えないな

勤労感謝の日
十一月二十三日 勤労をたつとび、生産を祝い、国民たがいに感謝しあう。
(国民の祝日に関する法律(昭和二十三年法律第百七十八号)第二条より抜粋)

ヒッタイトの通史の他に、宗教や建築など、今分かっているヒッタイトのことを、簡潔に網羅的におさめている新書なのではないかと思いました。

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津本英利『ヒッタイト帝国』読了。
日本では「鉄の王国」として知られるヒッタイト。この本では、そんなこと言ってるのは日本だけだし、ヒッタイトが他の国と比べて製鉄に優れていた形跡はない、と書かれています。
この時代の鉄は主に隕鉄で、「天から降ってきた金属」と認識されていた、と。浪漫だ!

「ヒッタイトとは、文化が混在している国だな」といった印象を持ちました。
ええと、まず、「ヒッタイト」というのは現在の英語での呼び方で、正確には「ハッティ国」で、「ハッティの人々」が住むアナトリアに、インド=ヨーロッパ語族の「ネシャ語」を話す人々がやってきて、「ハッティの人々」を支配して、これが「ハッティ国」と呼ばれる国だと。で、「ハッティ国」にセム語系のアッシリア商人がやってきて交易し、「ネシャ語(ヒッタイト語)」とは違うインド=ヨーロッパ語族の「ルウィ語」、北東の「パラー語」、敵対するミタンニ国の「フリ語」を話す人が、ヒッタイトにはいた、と。これが初期のヒッタイトで、ここから帝国に発展していったそうです。頭がこんがらがる。
王位の継承もすんなりいってなくて、簒奪に次ぐ簒奪を繰り返しているのですが、系図を細かく載せてくださっているので、だいぶ助かります。

『MINIATURE LIFE展』に行った。
田中達也氏の作品展。門司港に来てくれて、ありがとう。
身近な道具や食べ物を見立て作品で有名な作家さんですが、実際に実物を見てみると、その小ささにびっくりします。ミニチュアの隣に写真も展示してくださっており、「これがこうなるのか」と、二重に楽しい。
あと、なんだかやたらに、スタッフの方々から、「写真撮影OKです」「インスタに写真アップしてください」とフレンドリーなお声がけをいただいた。

『ロボット・ドリームズ』を見た。
ストーリーも演出も外連味はなく静謐。舞台は80年代のNYで、主人公は都会の孤独な青年、その約一年間のお話。擬人化された動物たちが暮らしています。絵本がそのまま動いている感じ。
話の運び方が結構強引なのですが、絵本的な絵面なので、リアリティラインが引き下げられてて、まあいいかとなります。
友達をお金で買っていいのかと、びっくりしてしまったけれども。都会の孤独な青年とは、たぶんそういう存在なのでしょう。
セリフなしの映画ですが、表情が雄弁なので、話はすんなり理解できます。そんなに難しいことは語っていないし。
ただ、このなだらかさで1時間50分は個人的には長くて。だけど人生を語るには、この長さも必要だったのかなあ。

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