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『帝国の亡霊、そして殺人』読み終わって、自分はインドのこと知らないんだな…と思ったな。世界の近現代史でわかってないことが多すぎる。いや、日本のことだってよく知らない。なんかね、勉強したいですね。

同じインドが舞台の『カルカッタの殺人』の一世代ちょっと後の話で、あちらの事を思いながら読んだりした。主人公がイギリス人とインド人(正確にはパールシーと言うべき?)という違いがありながら、同じような所に踏み入っていくのだよね。
『カルカッタの殺人』では、イギリス人警部が植民地支配の翳りの中でイギリスの統治者の欺瞞と対峙し、『帝国の亡霊、そして殺人』ではインド人警部がインドの独立への歩みの中で英雄好みの絶対視と対峙し、社会を成り立たせる難しさの中を進んでいく。

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『帝国の亡霊、そして殺人』読了

1950年代初頭、インド初の女性警部ペルシスがイギリス人名士の殺人事件に臨む。ミステリとしてはオーソドックスながら舞台設定が興味深く、イギリスからの独立・印パ分離独立の混乱の暗い影、女性蔑視の社会や組織の圧力が絡み合い、事件捜査が展開され面白い。ペルシスが自身の在り方に悩みつつも猪突猛進といった様子で正義の捜査に向かう姿は応援したくなる。開明的ながら頑固でつい減らず口を叩く負けない性格なのが、危なっかしくもありハラハラ。
独立への歩み、印パ分離時の混乱という言葉では簡単すぎるインド社会の重たい動揺の一端が窺い知れる。独立を闘い続ける難しさ。
ペルシスの「いつから真実はどうでもいいものになったんですか」「将来に善を成す機会を残す」といった言葉が鮮やかに感じた。
次作も楽しみだ。

おやつにガトーナンテとミルクティー(ウバ)。
地元の映画館のカフェ売店に、地元の別の珈琲とお菓子のお店の焼菓子が販売されていて。試しに買って食べたところなかなか美味しかったので、映画を観に行った時はできるだけ購入している。
今回のガトーナンテは初めて見かけた。説明にラム酒を使用と書いてあったので、酒風味!買わねば!と購入。酒を使ったお菓子に目がないので…
ラム酒もほど良く、アーモンドがたっぷり入っていて、期待を上回る風味だった。フィナンシェの方向だけどまた少し違う。しっとりしたアイシングもいいね。このお菓子を考えた人、フランス人ですかね?流石だね。美味しく作ってくれたお菓子のお店もありがたや。私的には、焼菓子が美味しかった時の満足感というのはじんわり長く続くものなので嬉しいのだ。
映画館での販売は手にとりやすいので、今後も続けて欲しい。まだ他のお菓子も試してみたい。

『マエストロ』他には
指揮シーンは少な目だったと思うし、私は詳しくないけれど、終盤の指揮シーンなんかはブラッドリー・クーパー熱演って感じで素晴らしかったと思う。本人にかなり寄せてるよね?わかる人にはわかるのだろうな。で、そこからフェリシアを流れね。上手いね。

キャリー・マリガンもが良いのは当然なんですが、彼女の怒りの演技が好きなので、今作では感謝祭のシーンがかなり好きです。

指揮者ものとして『TAR』と共通するような行動があって、やはり芸術家はそもそもそういう所があるものなのかなーなどと思う。

ブラッドリー・クーパーは、バーンスタインに共感するところがあって撮ってたのか、それとももうすこし距離のある関心があって撮ったのか、というのも思いますね。表現者と創造者の外向内向の話なんか特にね。

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『マエストロ:その音楽と愛と』観た

バーンスタインの芸術面というよりもその人物像、彼と妻フェリシアの愛情の話であったのだが、恐らく意識的にドラマチックにしない、夫婦愛といっても哀愁が漂う愛ある関係の難しさの視線での話で、個人的には面白かった。バーンスタインになりきったブラッドリー・クーパーも大変良かったし、何しろキャリー・マリガンが素晴らしい。言葉にしない感情の表現が好きですね。二人の会話の親密そうなのが(説明しきらない台詞なのもあるが)、観ていて本当に面白いし心地よかった。
バーンスタインなりきりと言えば、メイク、メイクが凄い。本人の顔はきちんと認識していないが、ブラッドリーであってそうでない具合が見事。皮膚の質感も見事すぎて、初アップ時の老けメイクの自然さにちょっと驚く。メイクはカズ・ヒロさんと後で知って納得だった。
一番面白かったのは、技巧を凝らした映像。色々全然詳しくない自分でも、凝りに凝ってる~!とわかる。ショットや画面サイズに質感、白黒とカラーの切り替えなど、上手いんだろうなぁ。映像については特に、本当に観ていて楽しかった。
音楽も詳しくないですが、全編バーンスタインの音楽鳴りっぱなしで知ってる人は耳が楽しいと思われるし、実際素敵だった。

『永遠に僕のもの』観た

1971年の実際の事件を元に。所謂サイコパスと思われる青年、「世の中の全てのものは自分のもの」と語るように窃盗が"得意"なのだが、しかし得られないものもあったのかもね、という彼なりの孤独や虚しさに視線を向けた作品かな。

主人公はラモン青年とその家族と出会い次々と犯罪を重ねていく。この家族が窃盗稼業をしているのが自然に語られるのでまず驚く。主人公がこの犯罪者達とも明らかに思考回路が異なるというのも自然に見えてくる。迷いなく欲のままに動いているようで、しかし彼自身が明確に認識できずに手を出せないものの周りを漂うような様子に、彼は今何をどう思っているのだろうかと惹きつけられるようだった。思いがけず、ラモンとの距離の揺れが情緒たっぷりで良かった…。

感情や行動が想定の横を行く感じ、また見目の麗しさに無垢を感じ取ってしまうように、危うさにも美がある様に撮られていて、なかなか好きな作品だった。色使いもいいし、音楽がとても好みの感じで、大好きですね。ダンスもとても癖になる感じで、良い。

『ナポレオン』観た

ナポレオンの心を占めたのは、ジョゼフィーヌと戦争。個人的で卑近なものと、他人と欧州の命運を巻き込む重大ごと。この二点を対比させることで、偉大な英雄で皇帝に上り詰めた存在の滑稽さと虚しさを焦点にした作品という印象。普通の伝記スペクタクル作ではない。

ナポレオンとジョゼフィーヌの愛憎のような主導権争いのような、超パーソナルな関係変化のドラマ、私的には好物なので面白かったけれど、期待を越えるまではいかないかな…という感じ。史実ではジョセフィーヌが年上なので、ホアキンとヴェネッサ・カービーだと絵的に違和感はぬぐえないんだけど、ヴァネッサの堂々とした演技と雰囲気、ホアキンの甘えとナイーヴそう性格をみせる演技でかなりカバーしてたと思う。ホアキン、こういう役上手いな。

戦闘場面はさすがのリドスコ監督、壮大でリアリティあって見たいものを見せてもらって大満足です。映像もリッチ。景色のでかさと泥臭さ、本当に良いよねー。主にアウステルリッツとワーテルローの戦いを取り上げ、本当にこの二つは見応えあった。

『マディのおしごと 恋の手ほどき始めます』観た

金に困った三十路女が金持ち夫婦の内気な息子の筆おろしの仕事にありつくラブコメ…とひどい倫理観の設定なのだが、これが案外真っ当な作品で。後半どんどんきちんとしたところに落ち着いていく。いいじゃないのこれ。

マディがパーシーの幼さに一切つけ入らないところ(訴えようとするのは男の部分に。しかし強引すぎるw)、年上の方がひどい目にあうユーモア担当、打算とロマンチックの狭間でてんやわんやするうちに傷を負った者同士の心の交流になっていくのが良いよね。最後はパーシーの気持ちを思って少し辛くなった。久々に人と親密になるのっていいよね…と自然に思った。素敵な作品だよ。

ジェニファー・ローレンスがもうめちゃくちゃ体を張っていて凄い…!乳の振り乱し具合に本気を見た。海は…海でそれやられたらそうなるわな、仕方がない。笑った~

当然演技も良くて。ピアノの場面の感動と喜びと少しの罪悪感と戸惑いの表情(と私は見た)は流石。こちらも感動してウルっときた。重い哀しみもどこか乾いた感じを漂わせるのが上手いし。彼女の人との距離の見せ方が本当に好きだ。

配信スルーで期待してなかったのに、楽しく素敵なところのある作品でなんだか嬉しかったな。

何でもチョコミント味は好きだけど、個人的な至高はやはりチョコミントアイスなんだな〜

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おやつにチョコミントサンドとミルクティー。
前にちょっと話題になってたやつ、チョコミント好きとしては食べてみたかったやつが、身近で販売になった!ので入手!(それでもまだ北の大地限定)
予想よりもミント感が強めで、なかなかいい感じじゃないでしょうか。チョコ具合もきちんとある。清涼感があると普通のホイップよりするする食べてしまうね。
290円なら繰り返し食べてしまうかもね(330円なんだよな〜)

『ワーキング・ガール』続き

ラブコメ得意じゃない者としては、この作品は登場人物の性格も恋愛的動向も落ち着いていて、見やすかった。彼氏とのプロポーズ展開は何とも苦い空気が漂っていたね…「いつも自分を一番に考えてるものな」ってお前の方だろ…と言いたくなる彼氏の女見下し感とかなんかリアルっぽいな…と見ていた。

ハリソン・フォードが取引先社長に、下半身で考えてると良くないぞ的なことを言われて、その言われ方も時代だなと思うけれど、君たち成功の予感と恋愛感情がないまぜになって取引先の建物内でいきなり盛り上がっちゃってたから、そう言われる隙もあるよね確かに…と納得しました。ちょっとね、最後の主人公逆転劇の説得力がぼやけるのだよね…。

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『ワーキング・ガール』観た

仕事と人生を頑張りたいのに、社会からは女だからと、女上司からは秘書だからと侮られ、頭にきたので勝負に出てやる…ってのは良いけど、組織に属していて取引相手もいる中での偽装と出たとこ勝負は、発覚した時のダメージを想像してしまい見ているのが無理…ストレス…他の話が楽しくても気になって駄目だ…!主人公、胃が痛くなるとか言ったけど、全然そんな風じゃないだろが、肝が据わりすぎだよ!

運と”実力"で乗り切るのが良かったね。「仕事」コメディで期待するところが見れて良かった。真面目に仕事熱心なのも描かれているし。あと、主人公がよく気が回るのを描いた上で、自分と同じ立場の者を慮れる場面があるのが素晴らしかった。一番好きな場面だ。

爆発したんかというくらいの髪型とメイク、肩パットがすごいのがとてつもなく80年代!という感じ。でもこんな感じで労働してたのなら、とても自由だなとも思う。それでも通勤風景は労働者で、ちょっと感慨深い。
ハリソン・フォードがオフィス(あのガラス張りの)で着替えて裸体が見えると女性陣の歓声が上がるってのも時代を感じる。そんな訳あるかい。ファンタジーだよねー

いやでも、同じことに興味を持っている人がいるってことは嬉しいね。うん。喜ぼう。

早く読めばいいだけなんだよな…知ってる……
一旦返して、多分また借ります……

あっ、図書館で借りてる本の貸出延長しよう〜と思ったら次の予約が入っていて延長できなくなってる…!まだ半分しか読めてないのに。昨日は予約入ってなかったのに…!あああー。誰だよ!いや、借りるなって言う筋合いは無いんだけどさ。あああー。

本日のおやつにガトーショコラ、紅茶はウバ。
近所に最近出店してきたケーキ屋で初めて買ってみた。ほどよくしっとり、ほどよく甘い。ホイップもいい味。美味ー。これしか食べてみてないけれど、味の傾向が好みっぽいのが嬉しい。近所のお店が好みの味なのは大切なことだな。
それにしても、ケーキのお値段も高くなったよね…つらい…!

『テノール!』、『リトル・ダンサー』や『ガリーボーイ』が好きな自分は当然好きな作品だった。
しかし他の作品とは湿度が違うよね。ドライ。なので重くなくて観やすいとも言えるかな。やはり国柄の違いなのかなーと思うが、どうなんだろう。面白いな。

『テノール! 人生はハーモニー』観た

下町育ちのラッパーが偶然オペラに出会い、才能を見いだされ、オペラに惹かれ、歌手の道を駆け上がる。畑違い、社会階層の違いを乗り越える王道展開で安心の楽しさ。

この手の作品って主人公が挫折を乗り越える時に、階層の差を越えた共感とか、家族やメンターの助力など「孤独ではない」ことが取り上げられるのが多いかと思うけれど、この作品は自分の居場所がないと思う主人公に「自分で立て、その場所が居場所だ」と強気回答をするのがちょっと独特で面白かった。「自分の好きを信じて進むこと」に焦点がある作品なんだよね。下町の文化・生き方よりいわゆるハイソな文化に惹かれる、アイデンティティの葛藤。そのドラマが、悪く言えば浅い、良く言えば湿っぽくなく描かれた感じ。

でも、階層差を感じる描写が色々あり面白かった。嫌な男がいい奴で、優しい彼女が自己中パリピな意外性も楽しい。

オペラの歌唱に触れて感動する様子、先生が彼の表情を確かめる様子がしっかり表現されるのがとても良かった。先生の踏み込みすぎない距離感も心地よい。フランスっぽいなー。

お決まりの主人公の隠れた才能が発見される場面、あれが特に鮮やかでねー。観ていてしっかり「おお!」と感じる。冴えた出来だと思った。面白かった。

『ベネデッタ』観た

17世紀ペストの時代、信仰心というか"神がいる状態"を信じるというか、とにかく信じぬく人間の圧倒的強さを見よ!という感じで、ベネデッタのブレない自信と信心で権威を掴みのし上がっていく様に、周囲も観客も震える作品だった。己を生きる事にこうも真っ直ぐだと、そうか行くところまで行ってしまえ!と応援するような、楽しくなってしまうね。

彼女の奇跡は本物か自作自演か?と疑いながら観るわけですが、個人的には途中からキリストの幻視が無くなった辺りから距離が出てきて自作だろうと解釈したけれど(幻視している事すら疑いの余地ある)、ベネデッタの揺ぎなさ、欲すらも信心で包み込んでしまう力強さに、どちらでもいいや…!という気分になるので面白い(そういう作りになってたと思う)。
幻視のキリストがとても俗っぽくて。彼女の願望だよなあ。

教会のビジネス側面、信心なぞない修道院長をシャーロット・ランプリング様が締まった表情で魅せる。一瞥の冷ややかなこと。醒めながら最後にベネデッタの枠に押し込まれていくのが、いやー面白い。
女性の全裸がばばーんと堂々と登場するのも清々しくて良いね。

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