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ニコラス・ホルトとニコラス・ケイジ、同じニコラスなのに綴りが違う!というのを初めて知りました。へえぇ…!
クレジットで名前が並んでたので気付いた。NicholasとNicolas、hの違いなんですね。実は音も違ったり…するんですかね。

『レンフィールド』観た

ドラキュラってパワハラ・モラハラじゃね?と気づいた下僕が共依存から自由になるため闘う!その過程で人体も派手に粉砕!血飛沫とびちる!という感じのポップさと真面目さが良い塩梅の映画でした。

共依存からの脱却過程が結構しっかりしていて。自助グループに参加する。共依存関係と自己尊重の気づきからセルフケアへとか。甘言と脅しを使い、恐怖・恥・罪悪感を植え付けるドラキュラのモラハラバリエーションも豊か。

共依存関係の見せ方がやや物足りず、ホルト君の気の毒演技力でカバーしてる感じが惜しいかな…。下僕の能力ももう少し見れると楽しかったな。

・ホルト君の、屈しない警官かっこいい…ほわぁ…なってるのがいい。キュートだね。気の毒青年役が合うよねー
・ニコラス・ケイジの「自分は全能なる存在だ」の台詞中に「ウーッ」って地味に興奮する演技、いい。楽しい。ああいうケレン味本当に上手。もっとやって。
・マフィアの坊のチャラいチンピラ具合がいい。マーク・ゲイティスさんに似てる。
・マフィアの母ちゃんがハスキーで強そうなのがいい。
・冒頭の古い怪奇映画演出の質がいいし、エンドクレジットもこだわり。
・勢いよく人体破壊されていくアクションが軽快でいいね。人体爆発!
・腕ヌンチャクは笑う

催事のスコーンパーティ with TEAに寄り道してきた。
リントンズのミルクティーを飲んでうまうま。ビスケット付きなのが嬉しい。
スコーン3種(ピコ・ティー・エディンバラ)
茶葉50包とショートブレッド缶(リントンズ)
チャイのブレンド茶葉2種(モクシャチャイ)
目移りしてスコーンが控えめになってしまったー。くるみブルーチーズのスコーンが楽しみだ。あとミントが入ったチャイ茶葉もあってこれも期待。
自宅喫茶が捗る!

社会状況知りたいーとか言いつつ、じゃあ具体的に何がどう古くて新しいのか、については理解が浅いのだと思うので、世界史もっと学ばないとだめっすね…ううー

映画では、ナポレオンの戦闘や人間関係に焦点があたるのだと思うので、そのあたりの予習なら、他の伝記や小説を読んだ方がいいのかなとは思う。でも、それは映画で初めて知りたくもあるし、私は歴史物は当時の社会状況や通念などの方を知ってたいので、こちら読んで正解だよ。

『ナポレオン 最後の専制君主、最初の近代政治家』読了

12月の映画に向けて予習で読んだ。ナポレオンを含めてあの時代の欧州の歴史が本当によくわかっていないので…
研究者による研究書よりの伝記という感じでしょうか。各論ではなく、ナポレオンの生涯の一連の流れに沿って書かれているので、全然詳しくない自分にとっては予習に選んで正解だった。王政を革命で倒したはずなのに、帝政になるってどうしてよ?程度のざっくりした疑問(なんかこの辺りの所からわかってないんだよね…)に、おおよその回答をしながら進めてくれる感じが良い。
まさに時代の狭間に生きた人物の複雑さ、挫折した貴族青年から最高権力者、古さ(例えば身分への保守性)と新しさ(私有財産制の獲得・堅持)の二面性が特徴的だという論で、面白かった。

『ベティ・サイズモア』観た

夫の殺害目撃という強ストレスのために妄想の世界に逃避し旅に出た女、その女を妄想しつつ追う殺し屋のロードムービー?な人間ドラマ。ほんわかゆるコメディな空気を切り裂くように勢いのあるバイオレンスに絶句…!この独特の雰囲気がすごい。面白い。

妄想・虚構に逃げる姿がスリリングで痛々しい、のではあるが、妄想・虚構を愛し行動したのは立派な力でもあるからと肯定する素敵さがある。救って救われるのがモーガン・フリーマンだから故の説得力でねじ伏せる感はあったけど。
道中のバーの女性店員が一度きりのローマの旅を語るのがとてもとても良かった。共感とその後のかばいも最高。だから最後にベティが旅に出ているのが嬉しい。逃避の最中でも、人生での変化繋がっているのがね。

ドラマの俳優達との絡みは、病的な妄想だといつ判明するかハラハラして嫌な感じだったな。空気がおかしくなる予感というか。ねぇ…

お!アーロン・エッカートだ~と思ったら最低のどクズだしいきなりエグい暴力に遭うしで困惑w オセージ族の話が出てきて、花殺し月の殺人を観たところで予想外にタイムリー…と思ったらこれだよ。一応差別批判の文脈だったな。
ゆるゆるファニーなのにスリリングでどう纏めるか予想がつかず、不思議に面白かった。

「近代日本画と北大路魯山人展」を見てきたのでメモ。
・竹内栖鳳の絵が好みで素晴らしくて感激。「獅子」も「雨霽」屏風の一部もすごかった。
・岸竹堂の「春秋瀑布図」の水の表現が好きで、これは本当にしばらく眺めていたいなと思った。
・川合玉堂の絵も好み。淡いながら陰影の差で情景を見せるのが素晴らしい味わいだと思う。
・山本春挙の「瑞祥」の屏風、中国の南の方の奇岩の風景的なのが素晴らしく好きだった。表現力すごい…水と緑の青の使い方も。最近見た『ザ・クリエイター』の風景に通ずるので、すごく好き。
・美人画は特別好みではないけれど、一瞬の表情や情動を捉えたような繊細さが目を引くものがあって、あれは素敵だった。山川秀峰、伊藤小坡、上村松園。
・全く詳しくないのだけど、筆致や構図などがやはり西洋画とは違っていて、日本画も面白いな

・魯山人は名前こそ知っているが全く詳しくないので初めて色々見る感じ。展示物は素敵なものもあったけれど、そのバリエーションを見て、とてもとても意欲やバイタリティ溢れる人だったんだろうなと思えて、それが面白くて途中からニヤニヤして見ていた。

やはり夏よりも冬の方がやる気が出るな。私は暑い季節より寒い方が好き……とまでは言えないな。寒いのもつらいからな。どちらかと言えばより耐えられる、くらいだな。

今月の目標
・片付けと掃除
・編み物
もう数年間も、なーんか部屋が片付かない…もっと居心地を良くしたいのだが…と思っているので、なんとかしたいのだよね。片付けやすい部屋でシュッと生活したいのだが。
あまり捨てないで新しい物を買っては溜めてるからなのはわかっているけど、溜めこむの大好きなもう一人の自分の抵抗が強すぎて。できるだけ負けずに頑張りたい…
あとはゆる大掃除的な感じで。
編み物は、マジで牛歩の歩みすぎてまだ春夏物をちまちま編んでいて、自分でも信じられないくらいなのでなんとか目途を立てたい。早く冬物を編みたいんだー

『PIG ピッグ』観た

たしか宣伝では「俺の豚を返せ」「リベンジスリラー」とうたっていたはずだが、実際は愛するものに素直すぎる男の静かな悲哀のドラマじゃないですか。すごい好きだった。
終始ニコラス・ケイジが内に感情を抱えたまま表情硬くうろつくのが流石の演技力。そのロブの過去の事情がじわりと明かされるにつれ、愛する者・ものへのひたむきさとその結果の悲しみが見えてきてね。純粋さがすごいんだ…出会う人々がその姿勢に圧倒されていくので、まるで徘徊する薄汚い伝説の聖人の様で。説明しすぎない想像する余白があるのが、余計に謎めいた感じにもさせるんだよね。いやー悲哀だよ。
で、成り行きでロブの相棒になる軟弱青年アミールを演じるアレックス・ウルフ君が!とても良い!すごい好き。ロブを知るたびに呆然とする感じ、場の圧力や年長者に負けてしまう感じ、心の弱さと優しさが同居してる感じ、本当に良いなー。感化されて自ら料理に向かう、あの場面尊いよね…。
予想外に好きな作品で当たりだった。ほくほく。

『スーパー30』
あと、
・アーナンド先生の弟もものすごい立派だよな、めっちゃ兄ちゃんを助けるじゃん…理解ある親族ってすごい大事…。きちんと顔の傾向が兄ちゃんと似てる俳優さんいいね。

・これあの『バン!バン!』のリティク・ローシャン???ギラギラオーラが無い!リティクさん凄かったんだな。でもあの個性的な瞳の輝きは何をしていても魅力的過ぎる…やばい…。そして金が入って装備品が増えた途端あのギラつきが蘇ってくるのはやはりスター…!

・命を狙われたのも実話しかも最近まで何度も、というので、インド映画お馴染み(偏見)のギャングの襲撃って現実を反映しているんだなぁという認識がさらに深まった。

『スーパー30 アーナンド先生の教室』観た 感想続き

知は力なり、教育を受けることに身分・経済の障壁があるべきではないのはその通りだが現実は…というのは描かれていて、アーナンドは進学資格があるのにまさに金が無い事で断念したし、私塾の運営も金が足枷になっている。知を金に換えられることが実際必要なのも無視できない事で。
その点では、アーナンドを予備校教師にした人物は力を貸したとも言えると思えて、辞めるにしても一言説明するくらいの義理はあるんじゃね?とハラハラしたよアーナンド…。まあそんなの必要無いような相手側だったのだが。でも相手もジレンマあったよね…少し気の毒。

で、色々書いたが、この映画で一番心に刺さったのは、入塾しようとする子達の家庭の事情を描く場面の母と娘。「いいからあんたは行きな!」ってしている場面。あれはねー…一瞬で貧困で女で母で娘である哀しみ苦しみ諦めを感じ取ってしまって胸が潰れそうだった。エンタメなので身分・階層などには踏み込んでいないけれど、色々察することのできる描写はあって、良い作品だったと思う。

『スーパー30 アーナンド先生の教室』観た

「家の子供を教育すれば、家、家族、親、次の世代全ての人生が変わる」が至言。貧困階層の教育の為にまさに命を懸けて私塾を立ち上げた先生と生徒の実話。好きな話に決まってる、のは置いておいても社会派な内容をほど良いエンタメにした作品で面白かった。
主人公アーナンドがいかに信念を曲げずにいたかに焦点が当たっていて、挫折しそうな局面で常に父親の薫陶や自身の経験に奮い立たせられるのが良かった。それらの場面の演出も、リティクさんの演技もしみじみとした様子で好きだ。
その分、具体的な指導内容はエンタメ要素で見せる感じではあったかな。でも精神面の指導はやはり素晴らしくて。貧困階層という気後れが能力を発揮することを妨げる、その心に勇気を持てと言い支える大人がいる事、それが如何に大切か。しみじみ感じるよ。それを経ての突然のホーム・アローン感はとても楽しかった。知識ってのは使えると面白いよねー。知は全てを打倒する!的歌唱も荘厳で闘志が湧きたって良かった。笑
そして世界最難関の一つインド工科大学への受験結果が事実だって言うんだからすごい…。能力を支える精神を持たせてあげる事、本当に大切な教育の本質の一つだよね。よい作品だった。

『木曜殺人クラブ』とっても面白かったけれど、久しぶりに読みにくい翻訳ものだったなー。いや、読みにくいは正確じゃないな、人物名がなかなか覚えられなくて状況がつかみにくいだな。慣れた途中からは読み進むのも問題無くなったので。
なんだろう、文体?会話の形式?が原因なのかな。

『木曜殺人クラブ』読了

事件ってわくわくするよね、もちろん悲しく酷いことではあるけれど。趣味は未解決事件の検討、そんな高級高齢者施設に住む老人4人の身近で殺人事件が起きたんだから捜査に乗り出すしかない。
経験と自由な心と老人力を駆使してやりたい放題。でも、人生の黄昏時を生きる切なさも身に染みている。ユーモアとペーソスがいい塩梅で、イギリスらしさを感じる。
クラブの新メンバー(老人達の集まりの新メンバーというところで既に一つのドラマを感じるよね)ジョイスの語りと、その他の視点を行ったり来たりするので忙しいが、ドラマや映画の気分でとても面白く読めた。推理ものというより人々のドラマの重みに迫る事件もの。人物描写が巧みで、クラブのメンバーも個性的。警察コンビもいい感じ。それぞれが「この人たちといると楽しいな、好きだな」と思う場面があり、とても素敵だなと思う。
次回もこのメンバーと警察コンビに会いたい。

『キラーズ・オブ・ザ・フラワームーン』感想続き 

原作のクロニクル3の内容、ヘイル達一部が邪悪なのではなく社会自体がそうだったこと、未解決のまま放置された事件が山ほどありオセージ族の苦しみも共に無いものとされたという指摘、映画では前半の方にそれを示す映像が入れられており、なるほど上手いな…と思いつつも、そこはやはり原作の肝だと思うので、映画でももう少しはっきり表現されても良かったかも…と思う。
206分には感じない濃厚な映画だった。

『キラーズ・オブ・ザ・フラワームーン』観た 

原作を読んで臨んだので、話の内容を知った上での感想。

原作で、ヘイルやアーネスト、そして犯人達はどういう感覚なのか…とまず感じたが、映画はまさにそこに焦点を当てた内容だったので満足感がある。ヘイルの息をするように自然な正当化と二面性、アーネストの考えが浅いくせに欲だけはしっかり追う姿勢、それらがデ・ニーロとディカプリオによってこれでもかと表現されていた。己の邪悪さを受け止めない姿勢。
そしてこれは「未開な先住民より俺らの方が金を有意義に使える」という感覚からも来ている。ここで扱う犯罪はまさに先住民に対する後見制度を悪用したものだし、制度の考えそのものが搾取的なのだよね。原作の方が濃厚に描いているが、映画でもヘイルを筆頭に関係者の行動で見せていたのが良かった。
そういう社会であること、舞台の町の先住民と白人が混ざり生活している様、金に人が群がる町の猥雑さを映画的に見せているものも流石だなと思った。
映画のラストがとても皮肉的に締めているのが上手くて。ここは捜査局(というかフーヴァー)の思惑と白人社会の受け止めを表現し、我々の酷薄さまで指摘するようで。

決闘の合意形成する時に、ベルナルドが警察にやじられるのを見てリフ達が複雑な表情するじゃない。大人や他人に軽んじられる者として同じ立場にあるのがわかるからだよね。その感情を糸口にして繋がれればいいのにねぇ…と外から見てると思うよね。
ドクは皆を諭そうとしていた大人だけど彼一人じゃその役は重かっただろうね…とも思うし、また別のきっかけになるべきだったトニーはマジで説得下手すぎてつらいし。もっとこううまくやれよ、そもそもひとりじゃ止めるの無理だよとかモヤモヤする…!
マリアの苦しみの大きさもわかるが、アニタがまた別の大きさの、巻き込まれた苦しさを思うと一番つらい。ドクの店での仕打ちは本当に腹立たしくて。ジェッツ許せねぇ…。最後の場面にアニタが出てこなかったの、状況的にも心情的にも正しいなと思っていた。しかし全ての出来事をアニタが知る時って、彼女ものすごく後味が悪い思いをするよね…最悪じゃないか。

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『ウエスト・サイド物語』観た

ストーリーは知っていたけれど、想像以上に沈鬱な空気の中に現れるTHE END、とんでもない感情にさせられて終わるの…すごいな。
ミュージカルは嫌いではないのだが、怒り屈折した不良少年達が集団でキレキレに踊るか?という雑念が入ってどうもいけない。歌うのは気にならないのに。
対立や喧嘩を、張り詰めた空気と衝動・躍動を踊りで表現する、その踊り自体は見ていて楽しい。構図、見せ方、色彩等がしっかりキマっているのも楽しい。

あと恋愛の話自体にそれほど興味がないので、マリアとトニーの場面などはずっと、へーそうなんだーという距離感で見ているのもいけないですね。あ、でも恋に落ちる瞬間の二人だけの世界、愛の誓いの場面の演出はとても面白かった。それこそ舞台演出のような人力の加工が面白い。前半の演出は見栄えがして面白く、後半それが落ち着いたのが残念だが、話のテンション的に仕方ないか。

音楽はバーンスタイン。どれも素敵なのだが、踊りと内容的に「アメリカ」が一番好きだな。移民のないまぜな気持ち。
あとはもう、ドクの思いとマリアの叫びに尽きるよね。愚か。みんな愚か。疎外感を抱く事情があったとしても。

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