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『バッタを倒すぜアフリカで』
前野ウルド浩太郎著、光文社新書 2024年4月発行

『バッタを倒しにアフリカへ』の続編。タイトルが似ているので、これが新刊かどうか買う時に一瞬迷ってしまった。600ページを超えるボリューム。まだ前書きしか読んでないけど、パラパラと見たところ写真はすべてカラーだった。よく1500円で出せたなあ。お盆休みあたりにのんびり読むことにします。

『超芸術トマソン』
赤瀬川源平著、ちくま文庫 1987年12月発行

なぜこの本を買ったのか思い出せないけど、帰りの電車内でうっかり読んでしまい爆笑を抑えるのに必死だったのは覚えている。当時も、そして今も、街には超芸術トマソンがひっそりと存在している。ありふれた存在のようで、探そうとするとなかなか見つからない。偶然見つけると嬉しくなる。1980年代に見出されてから40年以上たった今も、ツイッターにはトマソンの話題が流れ続けている。

『人類を変えた7つの発明史』
Rootport著、KADOKAWA 2024年6月発行

火/文字/活版印刷/科学/鉄道/コンピューター/インターネット。これら7つの技術革新によって人びとや社会がどのように変わったかを見ることで、AIが世界をどう変えていくかを考える。『会計が動かす世界の歴史』を読んだ時にも思ったけど、Rootportさん、小説を書いたり漫画の原作をやってる人だから、こういうノンフィクションも抜群に面白い。

『Rustで作るプログラミング言語~コンパイラ/インタプリタの基礎からプログラミング言語の新潮流まで~』
佐久田昌博著、技術評論社 2024年6月発行

オリジナルのプログラミング言語を作ってみたい、って誰しも一度くらい考えるじゃないですか。CやJavaやC++で言語を実装する本はすでにあるけど、今さらCやJavaやるのもね、と思ってたところに、こんな本が出てたので買ってきた。Rustにも興味あったので、ついでに勉強してみようと。

『世界文化小史』
H.G.ウェルズ著、角川文庫 1971年3月発行

この「小史」も「世界文化史大系」も国会図書館デジタルコレクションで複数の翻訳がタダで読めるのだけど、やはり手元に置いておきたいということで。ただしもう絶版になってるので古書で入手。宇宙の誕生から現代までの通史をビッグヒストリーとしてまとめた本が今も毎年のように出版されているのは、それだけ人気が高いジャンルなのだろう。原著は1922年発行で、大著「世界文化史大系」の後に書かれたのだけど、ダイジェスト版というわけではなく、より一般の人が一気に通して、興味を持って読めるように書かれている(とウェルズも前書きに記している)。ただ1970年代の文庫本なので活字が細かいのよね。もっとゆったりしたハードカバーで読みたいから、どこかが新装版とか出さないかなと思ってるけど、さすがに無理だろうなー。

『神秘学概論』
ルドルフ・シュタイナー著、高橋巌訳、ちくま学芸文庫 1998年1月発行

ずいぶん前に買った後まだ読んでなかった。神秘学については体系的に知っているわけではないので、教養として読んでおこう、と思って買ったような気がする。人智学ではなく神秘学を手に取ったのは、当時はグルジェフの影響下にあったからかもしれない。科学的なパラダイムが圧倒的に支配する現代こそ、こういうのを読む意味がある気がする。

『アーサー王物語』
ジェイムズ・ノウルズ著、金原瑞人編訳、偕成社文庫 2000年7月発行

子どもの頃に読んだことがなく、教養としてひととおり知っておきたいということで、子ども向きと思われるこの本を手に取った(よく見ると「子どもとおとなのための」と書いてあった)。なるほど、古典だなあ。いろんな元ネタがここにある。「ペンドラゴン」もここからきていたのか。

『グイン・サーガ 2 豹頭の仮面』
栗本薫著、ハヤカワ文庫 1979年10月発行

スタフォロス砦を脱出し、ケス河を越えてノスフェラスへ足を踏み入れるグイン一行とヴァラキアのイシュトヴァーン。それをアムネリス皇女率いる一万五千のモンゴール軍が追う。敵方の魔道士が登場するものの占い師と大差ない。と思ってたら、アムネリスは「占術師」とも呼んでいるのね。架空の世界にもかかわらず、神話と大自然の圧倒的な存在感が迫ってくる。

『グイン・サーガ 1 豹頭の仮面』
栗本薫著、ハヤカワ文庫 1983年1月改訂版発行

もう一度グイン・サーガを通して読みたいと思う。50巻くらいまでは何度も読んでるけど、それ以降は1~2回しか読んでなかった気がする。ともあれ最初から読んでみる。1巻は実に正統派ヒロイックファンタジー。剣と魔法の世界。ただし魔法(魔道)は物語のバックボーンとして大切な役割はあるものの、まだ前面には出てこない。それにしても、日頃ネット小説やラノベに浸っていると、この硬派な世界観と文章に圧倒される。刊行から45年を経て少しも古びていない。

近藤和彦編『西洋世界の歴史』

ブックオフで新品同様の状態で、半額セールだったのです。興味ある分野ではあるものの、買っても読めないだろうな、と思って棚に戻そうとしたのに、本が「買って!買って!」というので買ってしまった。買ってからよく見たら、編者の近藤和彦先生、カーの『歴史とは何か』新訳の人なのね。

ハインリヒ・プレティヒャ著
『中世への旅 騎士と城』
『中世への旅 都市と庶民』

去年、書泉が重版させて話題になってた本が近所の書店にも並びだしたので購入。

チョーサー著『カンタベリー物語』

言わずと知れたイギリス国民文学の開拓者チョーサーによる14世紀の小説。カンタベリー大聖堂へ参拝するために旅をする一行による「面白い話」勝負(負けた人が支払う)を描く。旅の一行は、騎士、従者、商人、法律家、医師、尼、夫人、粉屋、農婦、船乗り、托鉢僧など多種多様。当時の世相が興味深い。これ、1300年代の本なのに、音が"空気の振動にすぎない"と書かれているのにちょっと驚いた。そうか、その頃から音がどういうものか知られていたのか。

コナン・ドイル著『失われた世界』

20世紀初頭、恐竜棲息の真偽を確かめるため、探検隊は南米アマゾン奥地に向かう。SF冒険小説の名作。衛星写真も空撮もない時代ならではの舞台設定。ラストシーンを何となくおぼろげに覚えていたのは、小学生の頃に子ども向きにリライトされた抄訳を読んだことがあるからだろうか。そしてこの作品とセットでヴェルヌの『地底探検』を思い出してしまう。

"漢方薬は一般的に即効性がないものの、根本的な体質改善を促し、長い目で見ると病気の治癒や健康の維持に役立つ。同様に、人文学は人間形成ないし人間性の陶冶に一役買い、実生活を営む上で必須の思考力・判断力・想像力を培うのではないだろうか。"
――安酸敏眞『人文学概論』

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"「神はいる。それを信ずるものの心の中にいる。神というのがおかしければ、摂理とでも運命とでもよべばいい。(...) おれは、生死の境目で何回も《彼》を見たよ」"
――栗本薫『レダ』

このブライ船長のセリフ、ふと思い出して、どこに書いてあったっけ?と探し回ってしまった。3巻でした。

"――それは僕のはじめて持った友人だった、といっていい。僕はたしかに人間を好きでなかったし、人間も僕を好きでなかった。僕の愛しているのは冷徹な論理と偉大な歴史、そしてもう死んでしまった人々の偉大な思想だった。友人のいないことで悩まされたことは一度もなかったが、クラスメートと話すと必ずまずいものを食べたような心地になった。"
――栗本薫『伊集院大介の私生活』

"インフォメーションとは、それがいかに発見されるかにかかわらず、知りうるすべてを指す。これに対し、インテリジェンスとは、政策決定者の需要(ニーズ)として明確にされたものまたはそのような需要と理解されたものに合致するインフォメーションであり、当該需要に応えるため、収集され、処理され、絞り込まれたインフォメーションである。"
――マーク・M・ローエンタール『インテリジェンス』

"(...)日本人は職業を「カタギ」と「ノン・カタギ」に分けるといわれる。そして氏は政治家を「ノン・カタギ」に分類される。確かに、交通違反などで警察につかまったとき「裏からのもみ消し」などは市会議員に頼む。また裏口入学は総理の秘書に頼む。これは「カタギ」の人間に頼めることではない。"
――山本七平『昭和東京ものがたり1』

……これ、真面目なたとえなのかジョークなのか一瞬迷ってしまった。昭和中盤はこれが一般的な認識だったということか。何にせよ、この本、昭和の世界が今とはまるで異なる社会だったことが書かれていて興味深い。

"「人というものは、世の中ですたれそうな芸能を大切に保存して末々までも絶やさぬようにすべきものだ。お前も人がすててかえりみぬようなことに愛情をもち、世のためにそれをのこすよう心がけよ。よいな、人間というものは、そうしたことに自分をささげなければならぬ」"
――『教科書名短篇 人間の情景』より吉村昭『前野良沢』

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