民事訴訟」と理解される。
スラップ訴訟の特徴をまとめると、以下のようになる3)。①大企業や政府機関(いわゆる公人や公的機関)が、その正否や妥当性をめぐり論争のある重要な政治・社会問題や公共の利益にかかわる重要な問題について、②大企業や政府機関など財政・組織・人材などの点で優位に立つ側が原告となり、③憲法の表現の自由で保障されている正当な意見表明行為(集会、デモ行進、ビラ配布、新聞や雑誌への寄稿、記事の執筆など)を行ったジャーナリストや報道機関、そして個人や市民団体などを被告として、④名誉毀損やプライバシー侵害、住居不法侵入、業務妨害などの民法上の不法行為にあたると主張して、裁判所に提訴して、多額の損害賠償金を請求するのであるが、⑤その真の目的が、裁判を提起することにより、金銭的・精神的・肉体的負担を市民や団体などの被告に負わせることにより、言論活動に萎縮的効果を与え、言論弾圧を行うことにある点、である。さらには付け加えるとするならば、スラップ訴訟がもつ萎縮的効果により、いまだ訴えられていない潜在的な公的発言者も、企業や政府機関の提訴をみて表現活動を躊躇するようになり、かつ市民や市民団体を提訴した時点で、
内藤光博(専修大学法学部教授)「スラップ訴訟と言論の自由──名誉毀損損害賠償裁判を利用する言論抑圧の問題性──」 『専修大学今村法律研究室報』(2019) https://senshu-u.repo.nii.ac.jp/?action=pages_view_main&active_action=repository_view_main_item_detail&item_id=6464&item_no=1&page_id=13&block_id=21
(専修大学法学部教授)「スラップ訴訟と言論の自由──名誉毀損損害賠償裁判を利用する言論抑圧の問題性──」 『専修大学今村法律研究室報』(2019) https://senshu-u.repo.nii.ac.jp/?action=pages_view_main&active_action=repository_view_main_item_detail&item_id=6464&item_no=1&page_id=13&block_id=21
近年、大企業や政府機関により、ジャーナリストや報道機関はもとより、一般市民、そして市民運動団体や労働組合などの私的な団体をターゲットとして、「言論を封じ込めることを目的」とする民事損害賠償請求訴訟が問題となっている。いわゆる「スラップ訴訟」である。
スラップ訴訟とは、1980年代に、アメリカでその問題性が指摘された訴訟の特質を表す言葉である。英語では“StrategicLawsuitAgainstPublicParticipation(SLAPP)2)”という。直訳すると「公的参加を妨害することを狙った訴訟戦術」であり、具体的には「公に意見を表明したり、請願・陳情や提訴を起こしたり、政府・自治体の対応を求めて動いたりした人々を黙らせ、威圧し、苦痛を与えることを目的として起こされる報復的な
「言論封殺と名誉」
この一月、麻生の「戦時の覚悟」に始まり、原発汚染水放出、東浩紀の「言論封殺」・「大学解体」のファシスト宣言、そして、その「痴愚神」を「礼賛」する祭り、と続いて慌ただしく、すっかり「どわんご」問題を忘れていた。
ところが、今日大学に行ってみると、事務の方から「東京地裁から郵便が届いています」と声をかけられた。
はて、と思って開けてみたら、「どわんご」さんが私に対して訴えを起こしたらしい。
7月に内容証明が来た際は「すわ」と勇んで、同僚の実定法の人やメディア関係者に相談したら、「いや、これで名誉棄損ということない」とあっさり言われ、「あらら」、となってほとんど「忘れていた」のである。
しかし、地裁からの文書を見ると、確かに「どわんご」さん、私を「名誉棄損」で訴える、と仰っている。
これは勿論受けて立つ。
何と言っても、これは「21世紀のファシズム」による「言論封殺」のスラップ訴訟である。
20世紀のファシズムは滝川事件、天皇機関説と大学への攻撃で完成した。
フランス語で「名誉を救う sauver l'honneur」という表現があり、私は好きではあるが、簡単に使えるものでもない。
しかし、今の時、「名誉」に賭けて言論封殺を粉砕すると宣言しましょう。
[インタビュー]日本の市民が「汚染水放出中止」訴訟…「故意に災害招く」 : 日本•国際 : hankyoreh japan
「ロンドン条約96年議定書によると、放射性物質の海洋投棄は全面的に禁止されている。日本の処理汚染水の放出は議定書違反の可能性がある。日本政府は、議定書が適用されるのは『船舶からの投棄』であり、今回の放出は船舶からの投棄ではないなどと主張する。だが議定書をよく読めば『プラットフォームその他の人工海洋構築物から海に故意に処分すること』も禁止対象に含まれている。海洋放出のために作った長さ1キロの海底トンネルは海洋構築物とみることができる。
これまで、日本の処理汚染水放出がロンドン条約の対象なのかについては国際的な合意がなかった。この部分を裁判所で争うつもりだ。ロンドン条約が日本の裁判所で議論されるのは初めてだ。また国連海洋法条約にも重要な点がある。処理汚染水が害をもたらす恐れがある場合には、因果関係が証明されなくても処分してはならないとされているのだ。このような予防原則を積極的に訴訟の中で主張する予定だ」
https://japan.hani.co.kr/arti/international/47745.html
関東大震災朝鮮人虐殺100年「日本、朝鮮人の遺骨掘り起しトラック3台分移送」 : 日本•国際 : hankyoreh japan https://japan.hani.co.kr/arti/international/47694.html
「関東大震災朝鮮人虐殺、責任どころか調査もせず…人間として恥ずべきこと」 : 日本•国際 : hankyoreh japan https://japan.hani.co.kr/arti/international/47697.html
[社説]被害拡大しているのに「汚染処理水」に名称変更とは=韓国 : 社説・コラム : hankyoreh japan https://japan.hani.co.kr/arti/opinion/47711.html
韓日の市民たちが共に「関東大震災朝鮮人虐殺100年、日本政府は責任を認めよ」 : 日本•国際 : hankyoreh japan
慶尚南道居昌郡から来た関東大震災での朝鮮人犠牲者の遺族であるチョ・グァンファンさん(63)が1日、横網町公園で開かれた「関東大震災朝鮮人犠牲者追悼式典実行委員会」が主催した追悼式に参加して発言 https://japan.hani.co.kr/arti/international/47728.html
東京大学大気海洋研究所の海洋学者である乙坂重嘉は「有機的に結合した形のトリチウムは魚や海洋生物に蓄積する可能性がある」と言う。「これらの放射性核種が環境に与える長期的な影響を評価することが重要だと思う」
東京電力はALPS処理水を含む海水で海洋生物を飼育する試験を実施しているという。「海洋生物の体内のトリチウム濃度は一定時間後に平衡に達し、生活環境中の濃度を超えないことを確認した」と東京電力の広報担当者は述べた。
前出リッチモンド博士らを含む専門家パネルは、東京電力との対話も踏まえ、ALPS処理水海洋放出の欠陥を指摘し放出を中止し代替手段を取るべきだと提言する。
「1.東京電力は、タンク内の具体的な放射性核種含有量に関する知識が著しく不足している
2. 東京電力の測定プロトコルは統計的に欠陥、偏りがある」などと、科学の立場から東京電力を厳しく批判する。
福島第1原発から出た汚染水をALPSで処理し希釈したもの——いわゆるALPS処理水の安全性は、科学的に決着が付いているか否か。
科学分野では定評がある"Nature"の記事は両論併記だ。トリチウムの生体濃縮の可能性は確認されていないが「リスクがある」と考える海洋学者らもいる。
Is Fukushima wastewater release safe? What the science says
https://www.nature.com/articles/d41586-023-02057-y
記事より:
ALPS処理水では、線量はほぼバックグラウンドレベル。だが、研究者の中には、これでリスクを軽減するのに十分かどうか確信が持てない者もいる。
英国ポーツマス大学の環境科学者であるジム・スミスは、太平洋周辺の国々に与えるリスクはおそらく無視できるものだろうと言う。「ゼロと言うのはためらわれるが、ゼロに近いだろう」。
ハワイ大学マノア校の海洋生物学者であるロバート・リッチモンドは、「ALPSによる水の処理と海洋放出は、海洋の健康と人間の健康にとって安全であることを、私たちが納得できるように証明したか? 答えは "ノー "だ」「汚染の解決策としての希釈という概念は、明らかに誤りであることが示されている」と言う。
(続き
関連して。太平洋島嶼国であるFijiは、ALPS処理水放出問題に敏感だ。
Fiji Timesの7月11日付け記事。
https://www.fijitimes.com/pacific-hits-back-pif-panelist-responds-to-iaea-fukushima-is-safe-decision/
米エネルギー環境研究所(IEER)のアルジュン・マキジャニ所長は、IAEAの報告書を「IAEAは、行動の正当性を審査する責任を放棄した」Iと厳しく批判した。
IAEAは放出の正当化の判断は日本政府に委ねた。これは「IAEAが自らのガイドラインに定めた正当化の原則を台無しにする、実にひどいやり方だ」。
正当化とは放射線防護の国際基準の基本原則のひとつであり、IAEAのガイドラインは、放射線リスクをもたらす活動は、社会と個人への害を上回る利益を証明しなければならない。
(なお、IEERのマキジャニ所長は前述の専門家パネルに参加している)
昨晩見つけた文章に関東大震災時朝鮮人虐殺の中村町での虐殺の描写がありました。(※リンク先には残虐な画像や描写があります。 https://vergil.hateblo.jp/entry/2023/07/23/081707 )
文章には「…殺した朝鮮人の死体を、倉木橋の土手っぷちに並んで立っている桜並木の、川のほうにつきだした小枝に、吊り下げる。しかも、一本や二本じゃない。三好橋から中村橋にかけて、戴天記念に植樹された二百以上の木のすべての幹に、死体をつるす。…」とありました。
三好橋(現三吉橋)、倉木橋(現久良岐橋)ともに、わたしには中村橋より身近な橋です。
しょっちゅう移動で通る道ですし、この近くには古い日本人の友人が住んでいます。川沿いの病院に極々親しいご高齢の方の付添いで頻繁に訪れますし、美味いと評判の蕎麦屋、えらい古いという評判だった蕎麦屋もこの近くにありました。
そしてこの川沿いの桜を自分で撮影して、店のポスターに利用していました。
まったく知りませんでした。
非常にショックです。
アデル・ヴァン・リース。ラジオ番組『哲学への道』のコーディネーターぶりは素晴らしかった。いま、国内ラジオ局長となり活躍。
80歳の農水相が覚えきれない(?)「処理水」だが、経産省のHPには「東京電力福島第一原子力発電所の建屋内にある放射性物質を含む水について、トリチウム以外の放射性物質を、安全基準を満たすまで浄化した水のことです」とある。
これが実はこういうことだったとこの論文で知った。
「なお,トリチウム水タスクフォースが設置された当初はALPSによる処理水のことを「トリチウム水」としていた。ALPS処理というのは,トリチウム以外の核種を除去し,トリチウムだけが残る,というものだからである。しかし,実際にALPSで処理した処理水には,原子力発電所からの排水に定められているセシウムなど微量(規制値(法定告知濃度)を下回る量)の核種が含まれていることがある。それゆえ,含まれる核種がトリチウムだけではないということから後にトリチウム水ではなく,ALPS処理水という名称になった。」
当初は「ALPS処理」して精製される「トリチウム水」だったはずなのが、調べると「トリチウム以外の核種を除去し,トリチウムだけが残」らず、多種多様な放射性物質がありすぎたためにそうとは呼べなくなり、しかたなく「ALPS処理水」となった、と。。。
これはなんといったらよいのだろうか。 [参照]
逸見龍生。大学教員。#18世紀 #フランス文学・思想。リヨン高等師範学校古典思想史研究所招聘教授。編著に『百科全書の時空―典拠・生成・転位―』(2018)、『啓蒙思想の百科事典』(2023) 等。#Dix-huitièmiste. #Diderot et l'#Encyclopédie. Opinions are my own. #百科全書 #啓蒙思想