漁業者の姿勢
2022年の時点で「最終的に容認したの は,地下水が燃料デブリに触れた汚染水では ないこと,廃炉の推進には協力したいという 意向によるものであった。
ただし,原子炉建屋内に入って発生した汚 染水については例え浄化したとしても,認めないとしている。これは全国の漁業者の意見 でもある。ALPS処理水の危険性に疑問を抱 いているわけではない。ALPS処理水の海洋放出は漁業の状況をよくするものでなく,もしかしたら販売不振が起こり,厳しくするものでしかないからである。政府がALPS処理水の海洋放出を決定した後も,一貫して反対し続けている。」
反対にも関わらず、政府は地下水のみならず「原子炉建屋内に入って発生した汚染水」も放出した。漁業者の憤懣はどれだけのものだろう。 [参照]
ALPS処理水処分に伴う国の対策については、
対策5の「国際社会への戦略的な発信」については失敗と言わざるをえない。「予想もしていたなかった」と首相が述べたが、これはウソだろう。
そこですでに対策8の買い支えを表明しなくてはならなくなった。
①冷凍可能な水産物の一時的買取•保管そしてその販路拡大などの対策
これからなすべきは対策9と10だが、対策9は水俣病など公害のその後を思い出させる。何年かかるのだろうか。
対策10は、廃炉まで300年の見積りもあるなか、汚染水はその間ずっと出続ける。。
濱田武士「『ALPS 処理水の海洋放出』の政治決定をめぐる諸論点 - 原子力災害からの政府と漁業界の動向を踏まえて -」(2022)
これは非常に明確な論点整理だった。著者は「2012年⚗月から福島県地域漁業復興委員会に学識者として一委員を任され」とある。
中国における「行儀作法」、知の複数性、政治小説の復権、そしてアカデミーをめぐる昨日の活発な議論を思い出しながら、トドロフ『啓蒙の精神』(石川光一訳)を再読。第8章「啓蒙とヨーロッパ」の指摘が非常に貴重なものに思われる。
トドロフは触れていないが、「社会の中にもうひとつの社会」があるという概念は、それをめぐって絶えずつきるくとなく激しい論戦が行われた啓蒙期の主要な思想的な戦場であった。
Elodie Cassan, Le Langage de la raison: de Descartes à la Linguistique cartésienne, vient de paraître chez Vrin, dans la collection Problèmes de la raison.
https://www.vrin.fr/livre/9782711630851/le-langage-de-la-raison
ありがとうございます。いえいえ、先生のトゥートにはほんとうにさまざま知らないことを教えられており、感謝しています。
小場瀬卓三との一時期までの繋がりが野沢協先生のイメージをかなり決定したことは間違いないと思います。したがって、そう見なされて疎んじられたことは事実としてもあるのだと思います。小場瀬の葬儀の際に喪主の奥さまから、「あなたが夫のいのちを縮めたのだ」と詰られてきた、というのはご家族から後日にうかがったことでした。
野沢先生が脱党されたのは70年代になってからとご家族より聞いています。しかしそれまでに長い逡巡と共産党への不信などが続いていたことが、ついに〈教会内寛容〉をめぐるジュリユーとベールの根本的な対立の深い関心へと先生の歩みを方向づけたことは、先生の内部で間違いなく深く繋がっていたと思います。
お返事を拝読し、ニザン訳のあとがきをあらためて読み直してみました。そこには、三宅先生のご指摘なさる野沢先生の「情熱」の理由がまさにご自身で間接的に書かれているように思います。
ニザンとサルトル、そして野沢協先生をつなぐ線は間違いなくあると思います。大江健三郎への怒りは、「大江は学生運動に一度も実質的にコミットしたことはなかったのに、嘘をつく」ことでした。いまの東大仏文と繋がるかも知れませんね。
2023年2月22日(水)および23日(木)、「日仏国際シンポジウム:Les revies de Rétif de la Bretonne — Subjectivités, généalogies, morales」が開催されます。
https://www.zinbun.kyoto-u.ac.jp/symposium/Retif-2023-02.html
日時:
2023年2月22日(水)14時〜18時/2月23日(木)13時〜18時
Le 22 février 2023, 14:00 - 18:00 / Le 23 février 2023, 13:00 - 18:00
逸見龍生。大学教員。#18世紀 #フランス文学・思想。リヨン高等師範学校古典思想史研究所招聘教授。編著に『百科全書の時空―典拠・生成・転位―』(2018)、『啓蒙思想の百科事典』(2023) 等。#Dix-huitièmiste. #Diderot et l'#Encyclopédie. Opinions are my own. #百科全書 #啓蒙思想