民事訴訟」と理解される。
スラップ訴訟の特徴をまとめると、以下のようになる3)。①大企業や政府機関(いわゆる公人や公的機関)が、その正否や妥当性をめぐり論争のある重要な政治・社会問題や公共の利益にかかわる重要な問題について、②大企業や政府機関など財政・組織・人材などの点で優位に立つ側が原告となり、③憲法の表現の自由で保障されている正当な意見表明行為(集会、デモ行進、ビラ配布、新聞や雑誌への寄稿、記事の執筆など)を行ったジャーナリストや報道機関、そして個人や市民団体などを被告として、④名誉毀損やプライバシー侵害、住居不法侵入、業務妨害などの民法上の不法行為にあたると主張して、裁判所に提訴して、多額の損害賠償金を請求するのであるが、⑤その真の目的が、裁判を提起することにより、金銭的・精神的・肉体的負担を市民や団体などの被告に負わせることにより、言論活動に萎縮的効果を与え、言論弾圧を行うことにある点、である。さらには付け加えるとするならば、スラップ訴訟がもつ萎縮的効果により、いまだ訴えられていない潜在的な公的発言者も、企業や政府機関の提訴をみて表現活動を躊躇するようになり、かつ市民や市民団体を提訴した時点で、
彼らに苦痛を与えるという目的は達成されることになるので、原告の企業や政府機関の側は、訴訟の勝敗にはこだわることはない、いわば「裁判としての意味をもたない提訴」であるといえる。」引用ここまで(p.1-2)