内藤光博(専修大学法学部教授)「スラップ訴訟と言論の自由──名誉毀損損害賠償裁判を利用する言論抑圧の問題性──」 『専修大学今村法律研究室報』(2019) https://senshu-u.repo.nii.ac.jp/?action=pages_view_main&active_action=repository_view_main_item_detail&item_id=6464&item_no=1&page_id=13&block_id=21
(専修大学法学部教授)「スラップ訴訟と言論の自由──名誉毀損損害賠償裁判を利用する言論抑圧の問題性──」 『専修大学今村法律研究室報』(2019) https://senshu-u.repo.nii.ac.jp/?action=pages_view_main&active_action=repository_view_main_item_detail&item_id=6464&item_no=1&page_id=13&block_id=21
近年、大企業や政府機関により、ジャーナリストや報道機関はもとより、一般市民、そして市民運動団体や労働組合などの私的な団体をターゲットとして、「言論を封じ込めることを目的」とする民事損害賠償請求訴訟が問題となっている。いわゆる「スラップ訴訟」である。
スラップ訴訟とは、1980年代に、アメリカでその問題性が指摘された訴訟の特質を表す言葉である。英語では“StrategicLawsuitAgainstPublicParticipation(SLAPP)2)”という。直訳すると「公的参加を妨害することを狙った訴訟戦術」であり、具体的には「公に意見を表明したり、請願・陳情や提訴を起こしたり、政府・自治体の対応を求めて動いたりした人々を黙らせ、威圧し、苦痛を与えることを目的として起こされる報復的な
彼らに苦痛を与えるという目的は達成されることになるので、原告の企業や政府機関の側は、訴訟の勝敗にはこだわることはない、いわば「裁判としての意味をもたない提訴」であるといえる。」引用ここまで(p.1-2)