#ガザ報道翻訳 「歴史学者エンツォ・トラヴェルソ(コーネル大学教授)、イスラエル軍によるガザでの「虐殺的な戦争」の正当化のために、ホロコーストの記憶が道具化されることは、破壊的な影響をもたらすと警告」
「ホロコースト追悼の名のもとに行われる大量虐殺戦争は、反ユダヤ主義を正当化する結果となり、その追悼の精神を傷つけ、信用を失墜させるだけである。このキャンペーンを止めなければ、誰も疑惑と不信を抱くことなくホロコーストについて語ることができなくなり、多くの人が、ホロコーストはイスラエルと西洋の利益を守るために作り出された神話だと信じるようになるだろう。人権、反人種主義、民主主義の「市民宗教」としてのホロコーストの記憶は、無に帰してしまうだろう。この記憶は、ラテンアメリカの軍事独裁政権からウクライナのホロドモール、ルワンダのツチ族の大量虐殺に至るまで、他の形態の大量暴力の記憶を構築するためのパラダイムとして機能してきた......もしこの記憶が、ガザで大量虐殺を行っている軍隊が身につけているダビデの星と同一視されたら、その結果は壊滅的なものになるだろう。認識論的にも政治的にも、私たちの参照点はすべて曖昧になってしまうだろう。
Jean Halpérinの編纂したActes du XXXVIIe Colloque des intellectuels juifs de langue françaiseを読んでいる。総テーマは"Comment vivre ensemble ?"。2001年、パリ。デリダが登壇して"Leçon"という講演をし〈共生〉をめぐる原則的な数々のアポリアを挙げている。原理的な思索だがいまこの状況でも考え方のひとつの指針となる。
パレスチナとイスラエルの対話と非暴力の実践を医療の現場から報告したDaniel Halpérinと医師の講演が切実だった。
こうした長年の平和的な努力の蓄積が「法の行使や、いわゆる人道的行動でさえも、不正な戦略や偽装された政策に従わせることになる、国際法を悪用する勢力や陣営、経済大国、あるいは国民国家」(同書のデリダの表現)で破壊されていることを考える。
本書が刊行されてから20年が経ったというのに。
なお、ダニエル・アルペランはスイスの小児科医。ジュネーブ大学病院(HUG)の暴力防止学際的コンサルテーション・サービスの責任者。専門は暴力、特に家庭内暴力と子どもに対する暴力の予防と治療とのこと(perplexityでの検索による)。
Rima Hassan: «Nous subissons une punition collective» https://www.mediapart.fr/journal/international/291023/rima-hassan-nous-subissons-une-punition-collective
[コラム]極右はなぜ安保に無能なのか? https://japan.hani.co.kr/arti/opinion/48219.html
韓日市民が力を合わせて「東学農民軍犠牲謝罪碑」を建立 https://japan.hani.co.kr/arti/politics/48233.html
景福宮の不法占領を明らかにした「日本の良心」中塚明教授死去 https://japan.hani.co.kr/arti/politics/48234.html
[社説]死亡1万人のガザ地区、休戦なしにどうやって悲劇を防ぐのか https://japan.hani.co.kr/arti/opinion/48244.html
128年前の東学農民軍虐殺…日本の老学者は謝罪碑の前に立った https://japan.hani.co.kr/arti/politics/48245.html
Bruce Springsteen on surviving depression and his strategy for warding off the visitations of the darkness https://www.themarginalian.org/2022/07/20/bruce-springsteen-depression/
On this day in 1938, Steinbeck completed 'The Grapes of Wrath,' which earned him a Pulitzer and became a cornerstone of his Nobel. Here is how he used the diary as a tool of discipline and a hedge against self-doubt: https://www.themarginalian.org/2015/03/02/john-steinbeck-working-days/
Judith Butler on Hamas, Israel’s Collective Punishment of Gaza & Why Biden Must Push for Ceasefire
https://www.democracynow.org/2023/10/26/judith_butler_on_hamas_israels_collective
“Rage, rage against the dying of the light.”
On Dylan Thomas's birthday, the story behind "Do not go gentle into that good night" and a rare recording of the poet himself reading it https://www.themarginalian.org/2017/01/24/dylan-thomas-do-not-go-gentle-into-that-good-night/
On Sylvia Plath's birthday, Meryl Streep reads her stunning "Morning Song" https://www.themarginalian.org/2018/04/04/meryl-streep-morning-song-sylvia-plath/
一般市民たちがパレスチナ人を標的にして殴る蹴るの暴行を働いていたり、パレスチナ学生寮を大勢が襲っているのを見ると、16世紀宗教戦争や関東大震災の朝鮮人大量虐殺はこうだったのかと歴史のプリズムを逆さにして見ているかのように思う。無数の戦争や植民地支配の記憶がつねに思い起こさせられる。
そうした暴力はそれをありのままに記録しなければならないと信じた人びとの意思と力によって、後代に伝承されてきた。他方で、歴史の経験に学ぶことの著しい困難も同様に認めねばならない。何ができるか?自覚と意識を持って、みずから記録の伝承に加わることは、できることのひとつではないだろうか。
マルク・ブロック「現在について考えることなくして過去を理解するのは不可能である」「過去が現在全体を支配しているというのではない。しかし過去なしには現在は理解できないのだ」(『奇妙な敗北』)
逸見龍生。大学教員。#18世紀 #フランス文学・思想。リヨン高等師範学校古典思想史研究所招聘教授。編著に『百科全書の時空―典拠・生成・転位―』(2018)、『啓蒙思想の百科事典』(2023) 等。#Dix-huitièmiste. #Diderot et l'#Encyclopédie. Opinions are my own. #百科全書 #啓蒙思想