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(続き)Vatican Newsの記事。ローマ教皇フランシスコの発言をバチカンの意図に忠実に伝えていると考えていいだろう。
vaticannews.va/en/pope/news/20

いくつか発言を抜粋。

"戦争を起こすには2つの側が必要であると指摘し、ウクライナとガザでの戦争を終わらせるための交渉を奨励した。"

"教皇は毎日午後7時に、600人が避難しているガザの聖家族教区に電話をかける。"

"教皇フランシスコは、いかなる戦争においても、双方は常に和平交渉のテーブルに着くべきだと付け加えた。"

"教皇フランシスコはさらに、武器製造業者が戦争に及ぼす影響について考察した。"

「我々は自らを守らなければならない……それは事実だが、あなたは他国を爆撃するための飛行機を製造する工場があることに気づくだろう。それは我々を守るためではなく、破壊するためだ」
「戦争はどのように終わるのか? 死と破壊、そして親を失った子供たちだ」

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"教皇フランシスコはこれに対し、侵略者を助長する恐れは「ひとつの解釈であることは事実だ」。しかし、最も強いのは、状況を見て、人々のことを考え、白旗を揚げる勇気を持ち、交渉に臨む者だと私は信じている」と答えた。"

"土曜日(3/9)の夜、バチカンのマッテオ・ブルーニ報道官は、ローマ法王が「降伏」ではなく「停戦と交渉」を意味していることを直ちに明らかにした。"

"フランシスコは「交渉は決して降伏ではない」とも指摘した。しかし、交渉のことを 「国を自殺に追い込まない勇気」とも呼んでいる。"

"バチカンのブルーニ報道官は土曜日、教皇は「公正で永続的な平和」のために外交的解決に達することを望んでいると付け加えた。"

感想:
「白旗」はまず取材者が使った言葉で、その同じ言葉を使って回答したという流れ。

ローマ教皇が戦争を支持せず平和を求めることは、宗教家として当然のことだ。

かといって、一部の親ロシア派が言うような一方的停戦(降伏)を求めるニュアンスでは決してない。ローマ教皇はロシアを支持するロシア正教トップを批判している。

とはいうものの、教皇の言葉は重い。発言のニュアンスをめぐり混乱があったことは否めない。

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共同通信は"ローマ教皇「白旗揚げる勇気を」 ウクライナに停戦交渉促す"という見出しでローマ教皇フランシスコの声を伝えた。
nordot.app/1139284164996333989

降伏を意味する「白旗」という表現は、大勢の人々に困惑を引き起こした。調べてみると教皇フランシスコの発言には微妙なニュアンスがあり、「白旗」だけを切り取って判断することはフェアではないと思われる。

Pope Says Ukraine Should Have the ‘Courage of the White Flag’, New York Times, March 9, 2024
nytimes.com/2024/03/09/world/e

New York Timesはバチカンの応答を含め記事を出した。教皇フランシスコ発言の骨子は「強硬路線だけではなく平和を求めて停戦交渉をするべきであり、バチカンが仲介を務める可能性もある」ということ。

"インタビュアーはフランシスコに、ウクライナでは「降伏、この場合は白旗」が必要だと思うか、それともそのような降伏は強者の行動を正当化するだけだと思うかと尋ねた。"
(続く

そしてWilmerHaleによるアルトマン解任劇の調査報告の概要が公表された。

「旧理事会の不和と無思慮が原因」と結論付けているが、肝心の解任理由は不明なままだ。

Open AIのアルトマン解任劇から約4カ月。当事者は口をつぐみ、「旧理事会メンバーが無思慮だった」というストーリーが語られ続けている。私は「追加情報がいつか出てくるのではないか」と思っている。

openai.com/blog/review-complet

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Open AIが理事会人事を発表。アルトマンCEOが復帰、7人体制に。
openai.com/blog/openai-announc

注目したい点は、3人の新理事全員が女性かつ高度なキャリアを持つこと。
(内紛で解任されたサム・アルトマンCEOが復帰したことは既定路線なので、むしろ新メンバーの顔ぶれに興味があるのです)

Dr. Sue Desmond-Hellmannは医師。ビル・アンド・メリンダ・ゲイツ財団の元CEO。カリフォルニア大学サンフランシスコ校で初の女性学長。Genentech製品開発担当プレジデントとして最初の遺伝子標的がん治療薬開発に貢献。

Nicole Seligmanは弁護士で市民団体リーダー、ソニーの元EVP兼法律顧問。ビル・クリントン大統領弾劾裁判の弁護で注目される。

Fidji Simoはインスタカート(Instacart)のCEO兼会長。元Shopify社取締役、Facebookのアプリ担当。

(なお、日本のメディアの記事では「取締役会」と訳している場合が多いのですが、株式会社ではなく非営利団体Open AIのBoardの話なので、私は主に「理事会」の用語を使っています)

AIが「人員削減のツール」として機能しはじめているという仮説。ひとつの傍証はテック企業のリストラが止まらないこと。もちろん経営者はそれを公言しないが。

AIと肥満症治療薬の共通点は、本当にそれを必要とする人々ではなく「もっとスリムになりたいお金持ち」が使っていることだ。経営者は、企業規模拡大への誘惑を、新たな雇用ではなくAIの導入で抑えようとしている。
courrier.jp/cj/357359/

補足すると、12個もローターがある理由は「12個中X個が故障しても大丈夫」的な話をして人を安心させるためだろう。

だとしても、進んで乗りたくはない。理由は、1点目に前述したように飛ぶ乗り物として筋が悪く見えること。2点目に、記事に「大阪・関西万博での運航に向け、25年に耐空証明、26年に型式証明を取得する計画」とあるように、まだまだ未熟な乗り物なのですよ、これは。

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私は、絶叫マシンにはなるべく乗りたくない。怖いからではなく、好き好んで事故リスクが高い状況に身を置きたくないから。

その意味で、実は通常のヘリコプターにもできれば乗りたくない。安定性という観点で見て通常の航空機は理にかなっているが、ヘリコプターは「ちょっと無理をしている」ように思えてしまうから。最近の自衛隊のヘリ事故やオスプレイの事故は、その懸念を裏付る形となってしまった。

とはいえ通常のヘリコプターにはオートローテーションというものがあって、飛行中にエンジンが止まっても生還できる見込みがある(常にではないが)。

さて、記事にあるような「空飛ぶ自動車」こと電動マルチコプターの場合、モーターの不調で不安定になったり、空中でトラブったときに、グライダーのように滑空させることも、通常のヘリコプターのようにオートローテーションで着陸させることもできない。単純に墜落する。

自分の感覚では、絶対に乗りたくない。
itmedia.co.jp/news/articles/24

EUでは「テクノ封建制」や「デジタル帝国」といった言葉が飛び交っている。米国の巨大テクノロジー企業(Big Tech)からEUの市民や市場を守ることが、いまやEUの立法者たちの大きな課題となっている。
wired.jp/article/europe-dma-br

その最も新しい取り組みとして、Big Techの独占的な地位を用いた市場からの競合の排除を規制する「デジタル市場法(DMA)」、それに表現の自由に関わる「デジタルサービス法(DSA)」が相次いで施行。

「これらの規制は法律によって政府や君主が振りかざす国家権力から国民や経済を守ろうとしてきた、長い伝統にならったもの」。マグナカルタやフランス人権宣言などの流れを汲んでいるわけだ。ただし、戦う相手は国王からBig Techに変わった。

米国の流儀に親しんだ人はEUの規制を懐疑的に見ているが、デジタル規制と巨大テクノロジー企業の戦いは、これからが本番。どう決着するにせよ、それは私たちの未来を左右するだろう。

Bloomberg Business Week(元・名門「ビジネスウィーク」)の長文記事。Apple Car挫折の要因を(1) 自動運転の目標が技術的に非常に困難であったことと、(2)自動車製造ビジネスが経済的に厳しいものであったことと整理。前提が間違っていたためにリーダーシップは混乱した。

レベル5の完全無人運転を前提として、ジョニー・アイブは「フロントウィンドウがない」「ハンドルがなく、対面で座る」「マイクロバスのような」斬新なデザインを提案していた。だが、レベル5はいまだにどのライバルも達成できていない遠い目標だ。

レベル2のEV——つまりテスラ車の競合を作る提案もあったが、経営陣はそれを良しとしなかった。
bloomberg.co.jp/news/articles/

これ(埼玉県営水上公園における水着撮影会 開催の手引き)を作った人、精神が削られただろうなあ……

まさにブルシットジョブだが、我々を取りまく環境がブルシットなのだ。

本件、「ある属性の人間が商品化/市場化されたが、それが行き過ぎて市民感情から乖離した」という市場の失敗だ。

市場の失敗には政府(この場合は地方自治体)が介入するのがセオリーではある。 [参照]

おっしゃる通り。強制する物言いはあまり上等ではないです。

カント哲学と世界人権宣言を混ぜた物言いになるが、すべての人には尊厳に由来する自由と平等がある。それは「善を行わない自由」「悪を行う自由」も含んだ上での自由であり、だからこそ善行は尊い。

法律で強制される場合や、私人間契約(雇用契約など)で義務付けられる場合を除けば、人には「なにかをしない自由」もある。

だから、平等で異質な他者どうしとして接し、理性に訴えて「なぜ、これを行った方がよいのか」をプレゼンして理解してもらう手順が正当といえる。何かを実行するコミュニティを作りたいのなら、共有できる言葉が必要だ。

次善の策は感情と共感に訴えかけることだが、1人の人間が受容できる感情的なキャパは限られる。「関心の奪い合い」が起きやすいし、悪用もされやすいので注意が必要だ(外国人ヘイト、トランスヘイトはその一例)。

例えばヘイターに対するカウンターの実力行使をどう考えるか——それは人によって意見が分かれることは当然だ。

他人に無自覚に何かを強制することは、ある意味で家父長制に意識が支配されているということでもある。その理解は苦痛を伴うだろうが、それは人権の理解に結びついている大事な苦痛でもある。
mastodon.social/@comecaML/1120 [参照]

ロシアは、世界経済の1/3の規模を持つBRICS諸国内で、「デジタル通貨とブロックチェーン」による新たな金融システムを整備すると発表。これは私たちの世界にどのような意味を持つのか、背景は何か、を書きました。

ロシア発の要注意な情報ではありますが、それでもこのニュースには注目すべき点があります。
newspicks.com/topics/tech-and-

SNSで見かけた話題に乗ってみる。

仏教の教えは因果応報、特に原始仏教は究極の自己責任ということだそうだが、「これは教わる側の信念に合わせた"方便"である」との意見にはある程度同意する。それに、出家者に因果応報の信念を持たせることは、修行に良い影響があるだろう。

ところで、公正世界仮説(公正世界誤謬)は古代インドにあったのだろうか。自然も社会も苛烈だったため、「人の行いと結果は関係ない」という世界観だったのかもしれないと想像するのだが、どうだろう。

手塚治虫「火の鳥」や「ブッダ」は仏教的な世界観が描かれるが、物語の中では善行/悪行とその結果は必ずしも因果関係にない。むしろ残酷な偶然が物語を紡いでいく。それは、手塚が考えた現実世界の姿だっただろう。

大乗仏教の阿弥陀如来信仰は他力本願。すべての人が救われると教える。これもまた、大衆に生きる希望を与えるための方便だったのかもしれない。

旧約聖書の「ヨブ記」は公正世界仮説とは対極にある。人一倍信仰が厚かったヨブは、神によって本当にひどい目に遭わされるのだが、それも含めて信仰である、という認識に至る。古代に生きた人々にとっては、ひどい体験は不可抗力であって、自らの努力とは関係がない、というマインドセットが主流だったのではないだろうか。

●国際人権規約 自由権規約 第2条
1 この規約の各締約国は、その領域内にあり、かつ、その管轄の下にあるすべての個人に対し、人種、皮膚の色、性、言語、宗教、政治的意見その他の意見、国民的若しくは社会的出身、財産、出生又は他の地位等によるいかなる差別もなしにこの規約において認められる権利を尊重し及び確保することを約束する。
2 この規約の各締約国は、立法措置その他の措置がまだとられていない場合には、この規約において認められる権利を実現するために必要な立法措置その他の措置をとるため、自国の憲法上の手続及びこの規約の規定に従って必要な行動をとることを約束する。

●日本国憲法 第98条2項
日本国が締結した条約及び確立された国際法規は、これを誠実に遵守することを必要とする。

●国連「ビジネスと人権に関する指導原則」
英文(PDF)
ohchr.org/sites/default/files/

日本語訳
unic.or.jp/texts_audiovisual/r

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付録:

日本の司法が人権に消極的で知識も乏しい件についての資料。

●国際人権規約の活用と個人申立制度の実現を求める宣言(日本弁護士連合会)より

"国際人権(自由権)規約委員会によれば、同規約2条は、各締約国政府に対し、同規約をすべての行政・司法機関並びに個人に周知させる義務を課していると解されている。また、日本国憲法98条2項は、条約の誠実遵守義務を定めている。しかしながら、日本国政府や最高裁判所は、明らかにこの周知義務を怠っているため、一般市民はおろか、司法権を担う裁判官にすら同規約が周知されていないのが実情である。"
nichibenren.or.jp/document/civ

●「国連ビジネスと人権の作業部会訪日調査、2023年7月24日~8月4日ミッション終了ステートメント」より

"私たちが確認した重大問題の一つに、UNGPs(国連ビジネスと人権に関する指導原則) や、LGBTQ+の人々に関するものなど、事業活動の関連で生じるさらに幅広い人権問題に対する裁判官の認識が低いことが挙げられます。これに対処するため、私たちは、裁判官や弁護士を対象に、UNGPs に関する研修を含む人権研修の実施を義務づけることを強く推奨しま す。"
ohchr.org/sites/default/files/

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大企業が、裏金問題で自浄作用を発揮できない今の自民党に献金することの意味。

「献金先の政治側で脱税まがいの違法行為が判明している以上、同様の行為が決して起きないと確認できるまで献金すべきでない。企業はむしろ強いメッセージを発信し、問題をただすくらいの役割を果たすべきではないか」
digital.asahi.com/articles/ASS

イスラエルが、日本の辻󠄀外務副大臣にスイカ(パレスチナの象徴)を出し、スクリーンには「我々は止めない 全ての人質が戻るまで」の文字——

これ、「日本はアメリカ合衆国の衛星国なんだから、ICJや安保理での投票はともかく、本当は僕らイスラエルの側なんだよね?」と圧をかける暗号化されたメッセージですよね??
mofa.go.jp/mofaj/press/release

追補:
本文に補足すると、外国人の永住許可取消し法案、相次ぐ政治家によるヘイトスピーチ、これらも非常に重大な人権問題と認識しています。

国際人権規約委員会の審査で日本が指摘された数百項目におよぶ改善点の大半を日本政府が却下し続け、特に国内人権機関の設立を拒否し続けていることは大きな問題です。

一部の大企業では人権状況が進みつつあると指摘しましたが、もちろん「やったふり」——人権活動や環境配慮を行っていると主張しながら実態が伴わないいわゆる"ブルーウォッシング"——を警戒する必要は常にあります。政府や企業を観察、監視しつづける必要があることは言うまでもありません。

人権は「あるべき姿」であり、現実との間には常に(大小の)乖離があります。その意味で「人権は建前にすぎない」といった見方をする人もいるかもしれません。

しかし、人権はただの建前ではありません。「あるべき姿」は国際人権法として明文化されています。世界人権宣言は国連加盟国の共通の理念です。そして多くの人権条約を日本政府は批准済み。「日本は人権を守る」と国際社会に向けて約束済みであり、約束を破るなら非難や制裁を覚悟しなければならない。国際社会の善良な一員であるためには、人権を守り続ける必要があるのです。

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