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AIブームのトップランナーであるOpen AIのお家騒動、その後。

Open AIのサム・アルトマンCEOが解任されて1日が経過した。クーデター派の旗色は悪い。主要投資家はクーデターを知らされておらず、アルトマン復帰に動いている。特にMicrosoftがアルトマン支持を明確にしたことは大きい。

投資からが圧力をかける作戦は、上級研究者による大規模な反乱、マイクロソフトからのクラウド・コンピューティングクレジットの保留、投資家からの訴訟の可能性など。これら圧力によりアルトマンが復帰した場合、クーデター派は逆に追放される可能性が高い。

ただし状況は流動的で、アルトマンや退任したOpen AI幹部らが新会社を設立する可能性もある。Microsoftはどちらに転んでもアルトマンを支援する構え。

情報戦の側面もあるだろうが、それにしてもクーデター派の旗色が悪すぎる。

Bloomberg(日本語)
bloomberg.co.jp/news/articles/

Forbes
forbes.com/sites/alexkonrad/20

The Verge
theverge.com/2023/11/18/239671

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ざっくり言うと、自分は「保守派」だと思っています。

今の国際社会の基本的な規範は、平和と人権、そして民主主義です。これらを「保守」することが大事だと心得ます。

人権の基本は「すべての人」の権利を守ること。そして開発/発展(development)を目指すことです。差別の解消はもちろんのこと、すべての個人の能力開発、インフラ開発、環境保護、健康・厚生・生活水準の向上、文化的な生活などを総合的に含む概念です。文明の進化の方向として、これは正当と考えます。

しかし、平和と人権を嫌う人たちもいます。

「我々」と「奴ら」を分けることが好きな人たち、差別を好む人たち、戦争を好む人たち、格差や不公平が好きで利権確保に熱心な人たち、学術や文化を軽視・搾取する人たち——

しかしダメな考え方の持ち主も平等な人権を持っています。排除するべきなのは悪いアイデアであって、人ではありません。
(なお戦争犯罪者は、法にのっとり裁かれるべきです。人には裁判を受ける権利があるのですから)

平和と人権は、言葉で語られる人工的な概念です。

たった今、ガザでは人道が失われ、世界の平和と人権が重大な脅威に晒されています。

だからこそ、今、平和と人権の重要さを言葉にしていきたいと思う訳です。

暴力の話から、平和と人権の話に戻ります。

平和と人権はフィクションです。もっとも、国家も貨幣も、法律も株式会社も、宗教も学問も、自然界には存在しない人工物であるという点でフィクションです。フィクションを馬鹿にしてはいけません。

国家権力には暴力(軍隊、警察、ほか法執行機関)の裏付けがあり、貨幣価値には徴税という裏付けがあります(租税貨幣論による)。では平和と人権にはどんな裏付けがあるのか?

国連は平和と人権を守る組織。その裏付けは第2次世界大戦の戦勝国である安保理常任理事国が参加していること——のはずですが、現実には安保理はしばしば機能不全に陥り、国連軍は組織されません。

では実際の国連の裏付けは何か。設立いらい国連憲章と世界人権宣言、各種国際法を守り続けてきたこと——言葉で書かれた文書と権威が裏付けなのだと考えます(なのでガザの虐殺は国連の権威にとって大きな脅威です)。国連は各種宣言や条約、国際法という「言葉」で成り立っているわけです。

言葉はフィクションを作り機能させることができます。言葉、アイデアの力をより有効に使えないか、これが考えるべき方向性かなと思っております。

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……もっとも、こういう話をしていると最後は暴力(軍事、安全保障)の話になる。

この話をちょっとだけ。

軍事力が優勢な相手には、正論は言えても実力行使はできない。

ウクライナへのロシア侵攻も、アメリカの支持を受けたイスラエルによるガザ攻撃も、状況は似ている。

一つの落とし所は軍縮と国連常備軍の設立かもしれない。ただし、そういう話し合いができる場がないのが問題。

SFだと、圧倒的に軍事優勢の宇宙人がきて結果的に地球が平和になる話があったりします(「幼年期の終わり」の前半)。

中国SFの「三体」は、全宇宙的な暴力ゲームの話でした。

暴力のゲームが今後何百年も続くのか、それとも……

人類の叡智は、こういう分野でこそ求められていると思うのでした。

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イスラエルのガザ攻撃への「モヤモヤ」の言語化が求められると思ってます。

そこで自分もちょっと考えてみました。

問題は国際社会のダブルスタンダードです。少なくとも、平和と人権を守る国連のシステムが有効に機能する方法を考える必要がある。

国連機関や、国際刑事裁判所、世界中の国際法の専門家ら、それにアルジャジーラを筆頭に一部のメディア、ジャーナリストらは、ガザのジェノサイドを警告しています。

グテレス国連事務総長、ターク国連人権高等弁務官、テドロスWHO事務局長、UNICEF、複数の国連特別報告者。加えてカーン国際刑事裁判所検事。いずれもガザの状況を非難。

しかしアメリカを筆頭にG7諸国はイスラエル支持を打ち出し動きが鈍い。

国連安保理では、停戦案にアメリカが拒否権発動。11/15にマルタ提出の一時戦闘停止案がようやく可決。しかし米英露は棄権。可決後もイスラエルは攻撃を続けています。

国際社会のダブルスタンダードにグローバルサウスの国々は幻滅しており、先進国が言うきれい事はもはや信用されないでしょう。

自分の意見は「国連システムの改善を希望」です。常任理事国(米英仏露中)の権限を世界中の国々に委譲して分散することが一つの解決だと思うのです。
mstdn.jp/@nasukoB/111430259952 [参照]

星 暁雄 (Akio Hoshi) さんがブースト

"川瀬さんは11月1日、ラファからエジプトに越境し、5日に緊急帰国した。退避できたことを電話越しに喜んでくれた現地スタッフから、「命の重さはみんな同じなのに、この世界はフェアにはできていない。自分たちに人権なんてない。私たちは本当にミゼラブルだ」と訴えられたことを紹介。「今この瞬間にも被害者は増えている。私たちは歴史的悲劇の傍観者であってはならない。現地の状況と経験を私が伝え、一人一人に知ってほしい」"
医療停止のガザ「本当に惨めだ」 帰国の日赤看護師、支援訴える | 毎日新聞 - mainichi.jp/articles/20231117/

速報:サム・アルトマンがOpen AIのCEOを解任された。プレスリリースが出ている。

The Verge報道によれば、取締役会での不和に理由がある模様。
theverge.com/2023/11/17/239659

ふと見かけた記事をメモ。

ポルトガルは、6日間連続で再生可能エネルギー(風力、水力、太陽光)で全電力をまかなった。

ポルトガルの最後の石炭火力発電所は2022年に閉鎖され、オンデマンド電力の後方支援として天然ガス発電が残された。政府は、1月から10月までの電力消費の21%を占めていたガス発電を、2040年までに完全に終わらせたいと考えている。

国家目標は2030年までに85%の自然エネルギーを導入することだ。

感想:再生可能エネルギーは、技術の進化と普及があいまって急激に/指数関数的に発電コストが低下中。すでに火力や原子力より安い。

日本の一部ネット界隈ではデマや中傷が目立つのだけど、真に受けてはいけない。
canarymedia.com/articles/clean

ゲーム理論の創始者は、天才フォン・ノイマン。

ノイマンは、驚くべき天才だった。量子力学、アメリカの原爆開発、コンピュータの基本設計に貢献した。短期間で作ったゲーム理論は主流派経済学の理論的基礎となった。

ノイマンの逸話で最も「すげえ」と思ったのは「アメリカが先に核兵器を開発したのだから、ソ連を先制核攻撃しよう」と言ったという話。 ハンガリー出身のノイマンにとってソ連は天敵だったという背景もあるが、それにしても「敵国を先に核兵器で滅ぼせばゲームに勝てる」という発想は、ゲーム理論脳すぎるだろう!

人道、倫理が全くインストールされていない。まあ倫理は数理モデルに乗らないからなあ……

最近、経済学出身の人が「高齢者は集団自決」などと述べ炎上した訳だけど、これも劣化したゲーム理論脳だ。これは教育の失敗。倫理のインストールに失敗した事例といえる。

こういう歴史的経緯があるので、理工学の人も、経済学の人も、テクノロジー企業の経営者も、倫理学を勉強して頭にインストールした方がいいと思うのです。

ちなみに、医者はいちおう医療倫理を学んでいます。

徳倫理と功利主義と義務論の「さわり」を学ぶだけで、かなり違うと思います。少なくとも私はそうでした。世界人権宣言が見通しよく理解できるようになります。

「GoogleのAIがSDGsに辛辣」という話が面白い。

fedibird.com/@ymd/111424227253

AIは自分で考えるのではなく、元ネタがある。これはネット言説を拾ってつなぎ合わせた話なんだろうな、と思われる。

念のため。このAIによる批評はフェイクや誹謗中傷に近いものなので、真に受けてはイカンものです。

SDGs(持続可能な開発目標)は、百数十項目ある目標それぞれに具体的な「2030年までにこれを達成する」という数値目標を定めている。そして「すべての人」「誰ひとり取り残さない」という表現は人権の考え方の基本中の基本。SDGsを批判するなら、グローバルサウスへの実効性がある投資の促進に十分つながっていないなど、実態を指摘するべきだろう。なのでこの答案は「わかってない」。Googleはネット論客なみの理屈を述べている。 [参照]

X/Twitter上で、反ユダヤ言説の投稿とブランド広告が並んで表示されたことが確認された。IBMはただちに広告出稿を停止した。

GIGAZINEの記事
gigazine.net/news/20231117-mus

メディア監視団体Media Mattersの発表文
mediamatters.org/twitter/musk-

そんな中、イーロン・マスクは白人至上主義や反ユダヤ主義に同調する不規則発言を繰り返している。

イーロン・マスクの問題あるリプライ
twitter.com/elonmusk/status/17
twitter.com/elonmusk/status/17

感想:
X/Twitterは非公開企業であり、オーナー経営者イーロン・マスク氏の不規則発言やヘイト対策の怠慢を止められる人はいない。強いていえば、債権者である銀行団ぐらいか……

EUは、X/Twitterを、巨大SNS上のヘイトスピーチを厳しく取りしまるデジタルサービス法(DSA)のターゲットと見定めている。だがマスク氏がヘイト対策を改める気配はない。X/TwitterのEU撤退は時間の問題とみられる。

けっきょく、この問題は「私企業が運営する巨大SNS」は社会のセキュリティホールである、という話なのではないだろうか。掲示板4chanも同類。

さきほどポストした件の続き。ゆる〜いメモです。

A:ゲーム理論的な発想で動く人達
企業経営、マーケティング、広告ビジネス、ネットインフルエンサー、軍隊

B:「すべての人」を思う人道・人権の発想で動く人達:
本来の民主主義システム、人権NGO、アジャイル開発チーム(←理念としては)

C:すべての人を思う義務があるが、ついつい友と敵の勢力争いゲームで動いてしまう人達
政治家、官僚

感想:ゲーム理論と人権は、相性が悪い。
そして人権は数理モデルに乗らないので、主流派経済学方面の人は話題にしたがらない。

このあたりが、世の中の論調が偏っている背景じゃないかな。

ゲーム理論は、軍事、経済、経営戦略などで基本的な思考方法になっている。

ゲーム理論では「利害が相反するグループ群がある」と考えて問題を図式化し、自分のグループに有利な戦術を考え出したり、全体最適を考えたりする。

ただしゲーム理論には重大な「穴」がある。ゲームには利害しかなく「対話による行動変容」が含まれない(参考:アマルティア・セン『合理的な愚か者』」)。ゲームに集中すると、人を人として見なくなってしまう。

一方、人道の基本は「すべての人に平等な尊厳がある」と考えること。この考え方は、「すべての人に平等な権利がある」とする人権の思想の基盤となっている。

私たちは、人々を分断して競わせるゲームの思考から脱却し、「すべての人」について思い考える人道、人権の思考を、そして対話を取り戻さないと——。

これが最近思っていることです。

elk.zone/fedibird.com/@AkioHos

「イスラエル軍がシファ病院に突入」という異様な文字列を見た。

同時期に、宝塚で先輩が後輩の顔に火傷を負わせた事件(「やけどさされた」「ちゃいろになってる」)の話題を見た。しかもヘアアイロンによる火傷は宝塚では「珍しくない」ことだという。

比べるのも不謹慎な話であることは重々分かっているのけれど。

「相手が一番嫌がることをする」という点において、自分の頭の中でつながってしまったよ。

「敵にダメージを与える」という戦術ゲーム思考が行き過ぎると、人道(humanity)を損なってしまう。

人道を見失っちゃダメだよ。

星 暁雄 (Akio Hoshi) さんがブースト

Fediverse において最大の(実質的に Fediverse を支配している)実装の公式のサーバーリストに載るための条件の一番最初に書かれているものが

1. Active moderation against racism, sexism, homophobia and transphobia
なのはだいぶ象徴的だと思っている

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1行で超訳すると「人権を認めない人とは、対話も合意も成立しない」。

特定の分野でバグる人——例えばトランスジェンダーの人権や、パレスチナの人々の人権の話でバグる人は、その特定の話題については「人権を認めない」状態になっているために、対話が壊れてしまう、と説明できるでしょう。話し相手や、話の対象の尊厳を認め傾聴することなしに、対話は成立しないのですから。

X/Twitterを筆頭とするSNSや掲示板の類は「相手の人格/尊厳を認めない意見交換が発生しやすい」という点で、「複数性の破壊」を助長しているかもしれません。

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「人権と対話と政治は、とても関係してます」という話をします。

ハンナ・アレントは、「複数性」こそ、政治——つまり対話と合意が成立する必要十分条件であると考えた(『活動的生』)。「複数性」とは「すべての人が、それぞれ異なり、同時に平等」であり、「他者の視点と出会えること」。私の意見では「複数性を破壊しないこと」と「人権を守ること」は等価だ。

そして一つの意見に人々を強制する全体主義は、複数性の破壊であるとアレントは考えた。

この概念を使って「極右や差別主義者がダメだな〜、と思う理由」を説明すると、こうなる。極右や差別主義者は、普遍的な人権を否定し、友と敵を分断して共通の「敵」を作る事で団結し、自派の支持を集める。これは対話による合意、つまり本来の意味での政治の否定に他ならない。

人権を認めない極右や差別主義者の問題点は、複数性を破壊し、対話と合意——政治を機能不全にしてしまうことだ。

ここまでは普遍的な話だ(なので「抽象的だ」と思われる人もいるかもしれない。その通りで、抽象的だから普遍的なのです)。

……ではあるが、直近では下記のポストを見て思った話です。
twitter.com/HironobuSUZUKI/sta

Googleの従業員らが、親イスラエル、反パレスチナ/アラブ/イスラムの社内文化を告発するオープンレターを公開した。

驚くべき内容だ。

- Google社内の公式プラットフォームでは、パレスチナ人が公然と"Animals(ケダモノ)"呼ばわりされている。
- イスラム教徒は、自らの宗教の一部がテロリズムを支持していると非難されている。
- Googleの管理職は、ガザの住民に共感を示した従業員を非難し、「ハマス支持か?」と質問し、時には解雇しようとした。
- パレスチナに同情的な労働者を監視し、Google社および法執行機関に報告する動きすらある。

感想:これはアカン。国連が進める「ビジネスと人権」の原則に照らしても普通にアウト。

米国の他の企業でも似たような事が起きているのだろうが、禍根は後々まで残りそうだ。
medium.com/@notechforapartheid

太平洋諸島フォーラム(PIF)年次首脳会合の声明は、下記URLで閲覧できる。

声明文発表ページ
forumsec.org/2023/11/09/report

声明文本体(PDF)
forumsec.org/wp-content/upload

ちょっと解説:

日本側は「海は公共財なので、海洋に面する諸国の許可を得ずにALPS処理水を放出していい。安全であることは説明して理解してもらう」という立場を取っている。一方、太平洋諸島フォーラム側はALPS処理水は貴重な公共財である太平洋(Blue Pacific)への潜在的脅威と捉えている。

今後30年かそれ以上におよぶ廃炉のプロセスのどこかで、想定外の出来事により悪質な放射性物質が海洋に流出する潜在的な危険性はある。だからIAEAは福島に常駐してモニタリングをする訳だが、太平洋諸島フォーラムとしても継続的に対話を続けたいと言っている。太平洋諸島フォーラムとしての自前のモニタリング能力の構築にも言及しているが、リソース確保まではできていない書きぶりだ。

任せっきりは心配ですよね。当然の話だと思います。

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福島第一原発のALPS処理水海洋放出に関して、太平洋諸島フォーラム(PIF)から政治的声明が出た。

時事通信11月11日付け記事。

島しょ地域で水質監視へ 処理水は「国境越え得る」
jiji.com/jc/article?g=int&k=20
"年次首脳会合の閉幕を受けて声明を出し、東京電力福島第1原発の処理水放出に対応するため、域内の海洋で水質を監視する体制を構築する方針を表明した。「これは世代を超え、国境を越え得る問題」と指摘し、自前の科学的能力が必要と訴えた。"

以下、オリジナル声明文の関連部分の大意:

- 太平洋(Blue Pacific)の健康と安全保障に対する原子力汚染の潜在的脅威の重大性と、南太平洋非核地帯条約(ラロトンガ条約)の存在を強調
- 加盟国がALPS処理水について自国の立場を決定する主権を認識
- 日本に以下を勧告
(a) 福島の問題を今後PALM(Pacific Islands Leaders Meeting、太平洋・島サミット)の常設議題とする
(b) 国際的な安全基準とIAEAによる継続的な独立監視に基づき、安全問題を確認するの政治的対話を毎年確立する
- 各国首脳は、太平洋の海洋生態系の健康と福祉を支援するため、国内及び地域の科学的能力と監視能力を構築する必要性を強調
(続く

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