開館60周年の京都国立近代美術館で李禹煥らのポートフォリオ『MoMAK 60th Anniversary Editions』を60部限定販売 https://artexhibition.jp/topics/news/20230609-AEJ1425970/
李氏の他には今井祝雄、柏原えつとむ、河口龍夫、菅木志雄各氏が新作or未発表作を原画として提供するとのこと。価格は¥330,000だそうですのでアレですが
しかしそれにしても、なぜオレのところにオファーが来なかった!?&アイツに依頼するなんて絶許!! と激怒してそうな同世代の美術家が意外といそうではありまして
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【批評の座標 第4回】あいまいな批評家の私──柄谷行人(松田樹)|人文書院 https://note.com/jimbunshoin/n/n50db5310331e
会期も終わったし、もう取り上げてもいい頃合いでしょうけど、西天満にあるgekilin.で今日までの開催だった「20page vol.2」展に出展されていた島田裕美子《Structure with Yellow Lines》(左画像参照)が個人的にクリティカルヒットでした。ピエト・モンドリアンの後期の作品(右画像参照)をリサーチし、元ネタの平面から色彩を抜いた上で半立体に置き換えたという作品でして、モンドリアンという元ネタのチョイスといい、それを当方のようなミニマリズマー(ミニマリズマー?)好みに魔改造する腕前といい、これは今すぐにでも他の作品に個展という形で接してみたい。
島田女史、筑波大で建築を学び、現在は会社員の傍ら、かようなリサーチ+アートを手がけているそうです。当方が観に行ったときには、メールでギャラリスト氏とやりとりがあった後、いきなり電話でプレゼンを始め、フットワーク軽いなぁと思わされたのでした
篠原氏、2013年に京都工芸繊維大学で「村上隆をめぐって」という講演を行なっており、それは聴講したことがあります。総じてデザイン系の学生さん向けの村上隆入門編といった趣だったのですが、村上氏が(小沢剛、中村政人、中ザワヒデキ各氏と当時結成していた)「スモール・ビレッジ・センター」のひとりとして大阪でいろいろなハプニングやパフォーマンスをやっていた時代の話もあったり、いささか唐突に平面作品におけるジョルジョ・デ・キリコとの連続性について言及したりするなど、村上氏の(〈スーパーフラット〉に代表される)パブリック・イメージと異なった視角からの読解可能性にも触れていた記憶がありまして。さて…… [参照]
「コレクション1 80/90/00/10」展関連イベント 特別対談 村上隆×篠原資明|2023年8月20日(日)|B1階講堂 https://www.nmao.go.jp/events/event/collection20230624_taidan/
村上隆氏と篠原資明氏がこうやって公開された場で会うのって、ひょっとしたら東京藝大の博士論文の審査会──篠原氏は1989〜94年に東京藝大の講師をしていたとき、村上氏の博士論文「意味の無意味の意味」の副査を務めたそうです(ちなみにこのときの主査は加山又造)──以来になるんでしょうか。当方はなんか当日に仕事が入りそうな気配がしまくるので、聴講できるかどうか怪しいところではありますが……
デザイン思考が生んだ、問題解決というデザインの「誤解」|designing https://designing.jp/what-if-design-isnt-problem-solving
昨年あべのハルカス美術館で開催されてた庵野秀明展を見たときにも思ったのですが、「本人の人生と何がしかのジャンル自体の消長とが端的に一致してしまっているように見える」ところに庵野氏の強み(と弱み)があり──その意味で、庵野氏は、ある時期までの映画にとっての淀川長治や、ジャズにとってのマイルス・デイヴィスと同様な存在であると言えるかもしれません──、それをかなり増幅させていたのがこの展覧会だったなぁと思わされたもので。
シン・〇〇シリーズが次に何を俎上に乗せるのか(既にナウシカやガンダム、イデオン、ゴレンジャーあたりが噂されているようですが)、あるいはオリジナルタイトルをものすのか──庵野氏の次の一手は現時点では分かりませんが、「作品についての語りが同時に氏についての語りになる/なってしまう」ことを是認できない人によってこそ、来るべき庵野秀明論は書かれるべきでしょう(←丸投げ)
[参照] [参照]
『シン・仮面ライダー』座談会 日本映画業界と庵野秀明に託された使命 - KAI-YOU
https://kai-you.net/article/86922
映画に関しては出不精な当方、例によって『シン・仮面ライダー』は未見なので──結局シン・〇〇シリーズ(シリーズ?)は『シン・ゴジラ』しか見てないことに──、座談会の内容については脇にどけておきますが、庵野秀明(1960〜)氏がかかわった作品の「語りたい欲を誘発する力」は相変わらず異常だよなぁとしか言いようがなく
──この論争、当方も昨日 をぼんやり見てたらいろんな人が参加してましたが、博論をブラッシュアップして出版するのは当然であり、それが学問の多様性だと言い張るなら、元の博論をリポジトリ上に公開することとも両立させないとおかしいのでは? と思うところ <BT
そう言えば昔某元京大教授氏と飲み会で同席してたら、その教授氏が「京大は、文系学部の教員が著書を出版するとき、医学部の教授会から補助金が出るんです。「せめて、学問としての最低限の体裁は整えてほしい」ということで」と語ってまして、やはり医学部! 医学部は全てを解決する! と思ったものですが←← こういう裏話を既に知っている者としては、税金&理系のカネを当てにしといて多様性もへったくれもないやろと半畳を入れたくなるのもまた、事実といえば事実ではありまして
https://twitter.com/TaiseiMiyahara/status/1665673235583717378
鳥で、「研究費で論文を書籍化するのはクソだ」って言ってる心理学者と、「ハァ? 研究成果を書籍化するのは当然だろゴラァ!」って言ってる社会学者(歴史学者)とが喧嘩してて草。
もし心理学専攻の人がいたら教えて欲しいんだけど、「科研費の成果を書籍化するのはゴミだ。オープンアクセスかWeb公開しろ!」って価値観は、心理学では一般的なんだろうか?
西山女史、兵庫県立美術館にも作品が収蔵されて年頭から公開されてたり、先日は今年度の京都美術文化賞を受賞されたり( https://www.chushin.co.jp/bijyutu/prize/ )と、急にいろいろ慌ただしくなってきており、これは本格的な(再)評価の機運が高まってるんだろうかと思うことしきり。
彼女をめぐる、かかる流れ自体は、一昨年金沢21世紀美術館で開催された「フェミニズムズ」展でいわゆる「第三波フェミニズム」の先行者的存在としてフィーチャーされていたことである程度は予告されていた──それ以前からYoshimi Artsが継続的に取り上げていたことも要因にあげられる──でしょうけど、こう立て続けにこられると、いろいろ気になりますね
QT: https://fedibird.com/@wakalicht/110490665629427281 [参照]
国立国際美術館のコレクション展 - 初収蔵の村上隆や西山美なコなど、1980年代から2010年代まで https://www.fashion-press.net/news/104256
6.24〜9.10。国立国際美術館、村上隆氏の作品を新収蔵したのは既にアナウンスされてますが、西山美なコ女史の作品も同時に収蔵しはったんですね。良いことです。
抽象絵画はいかに生まれ、花開いたのか? アーティゾン美術館「ABSTRACTION 抽象絵画の覚醒と展開」展 学芸員インタビュー https://www.tokyoartbeat.com/articles/-/ABSTRACTION-the-Genesis-and-Evolution-Artizon-Museum-interview-202306
好事家、インディペンデント鑑賞者。オプリもあるよ♪