『鳥が人類を変えた』スティーヴン・モス著 宇丹貴代実訳 河出書房新社
読み終えた!
神話や伝承でよく名前が出てくるワタリガラスからはじまり、10種類の鳥が人類史に与えた影響が書かれている。
特に印象に残ったのは、農業の在り方を変えたグアナイウ(糞を肥料にするために中国人労働者が酷使された)、環境活動とフェミニズムのユキコサギ(鳥の羽根が帽子などの装飾品に使われることになって、絶滅しつつあったのを女性や、ほかの活動家が働きかけて食い止めた。でもいまもやっぱり環境活動家は危険に晒されている)、気候変動の危機を訴えるコウテイペンギンの章。
タイトルは「鳥が人類を変えた」だけど、人類がいかに鳥や自然を搾取し破壊し、人類の資本主義や植民地主義が人間を搾取して尊厳を奪ってきたか、ということが書かれていた。
こういう感じの人間と環境の関わりからの人類史、日本版も読みたいな〜と思った。
ときどき言ってるアルバトロスのこともだけど、「メグロ」という鳥は第二次世界大戦で一定の地域ではもう絶滅していることとかもあるし…。読めてよかった。
#fedibird #読書
『オキノタユウの島で 無人島滞在"アホウドリ"調査日誌』長谷川博 偕成社
生物の調査とか研究は「チーム」というイメージがあるけど、これは長谷川さんが個人で鳥島のオキノタユウコロニーの調査をした時の記録の本。生態もだし、詳細な動作とかも丁寧に書かれていてめちゃくちゃおもしろかった。
「アホウドリ」ではなく「オキノタユウ」と名を改めよう、という呼びかけ、本文中では「オキノタユウ」という呼称が一貫して使われていることがとてもよかった。オキノタユウの話がメインなんだけど、キャンプで夜を明かすツバメ(人間がいる室内にわざわざやってきて寝る)とか、りんごの皮を定期的に食べにくるオカヤドカリとかも出てくるのがいい!バッタを倒しにアフリカへいく本でもたしかヤマアラシかハリネズミ🦔だったと思うけど、なんか来たから一緒に生活しちゃった…というの書かれてたけど、「生態系」として筆者が組み込まれていく感じなのがよかった。
鳥島は無人島なので、無人島で生活することとかもすごく詳細に書いてあり、巻末に持ち込んだものリスト(研究に必要なもの/食べ物/生活用品)も細かく乗っててこれから無人島で生活する人にも有用な本かと思った。
#fedibird #読書
#読了 『蜜蜂よ、夜々を遊行せよ』鹿紙路
盲目の行者とその伴侶が物語を語りながら旅をする十八世紀インド。さまざまな立場の人たちの物語が夢うつつ混ざり合い、歴史に踏み潰されただろう人たちを見つめながら語られてゆく。とてもおもしろかった。私は特に逸名画家の機織鳥が好き。
#fedibird #読書 #文学フリマで買った本
『ロータス 新装2版』(柳川麻衣/痛覚)読み終えた。
思えばこの物語に出会ったのは10年前のことで、それからずっと、お守りのように胸に抱いていた。蓮実と桃重という、少女期を共に過ごした二人を中心に、出身校に縁のある少女たちの強い結びつきの「二人」という関係を辿ってゆく。
「ずっと一緒にいようね」と言い合う大切な女友達が、いつのまにか男のところへいってしまい、「私だけが取り残される」……いまもその渦中にあるけれど、友人が窮地にある時「一緒に住めないか」「私のところへおいで」と言いたいけれど言えない、言ってしまう、その苛立たしく掻きむしりたくなるような感覚に、寄り添って希望をくれる。
とびきりの少女小説は?と聞かれたら、わたしは『ロータス』を挙げる。失ってしまった少女期と、今も道が交わることを祈りながら歩いていることへの慈しみを込めて。
#fedibird #読書
『ミノリト』ジェンダーマイノリティと明日を生きる創作誌vol.1 ミノリト編集部(@minorit_zine)
読み終えた!情報を見たときからずっと楽しみにしていた本!
漫画・短歌・イラスト・小説がたくさん収録されていて、そのどれもがすごくおもしろかったし大切に書かれていることが伝わってきた。読んでいるとき、「これはわたしの物語だ/すぐ側にいるだれかの物語だ」という実感があって、ぬくもりが伝わってくるのがよかった。
収録されている全ての作品が愛おしくて大切だなあと思ったんだけど、とくに「虎態」(村野真朱さん)「カナリアの歌う朝」(イトノケイさん)「STAND BY」(百葉箱さん)が印象深くのこった。
「虎態」の「語る」ではなく、「吠える」ような語り口がとてもよかったし、最後の一ページに、前線に立ち続ける存在へのメッセージを感じられて、ぐっと泣きそうになった。
「カナリア」は、読んでだれかと感想を語り合いたいな~と思った!希望が書かれていて、だからこそこの未来にたどり着きたいなあと。
「STAND BY」は、めちゃくちゃ「好き!」という物語だった…。
読めてよかったし、この本を読んで感想やきもちを共有したい人がたくさんいるなあとその顔が思い浮かんだ。
#ミノリト感想 #文学フリマで買った本 #読書
『日本縦走』森山智仁 面白かった〜!文フリで絶対欲しいと思ってた本!最後の一冊にたどり着けた!危なかった!
演劇をやっていたひとの登山縦走記録なので演劇で学んだ「リハーサルは完全に本番と同じ条件で行うこと」を登山の練習にも使っててすごい。
旅の間にクマに4回遭遇し(そのうち3回はヒグマ)、それでもクマよりスズメバチと人間が恐ろしい…と書かれてた。こういう旅物のエッセイによくある人との関わり!感謝!じゃない、山に登ることと、計画性についてとかなのがよかった。
ヒグマの写真もあった。
東北の山に魅力を感じた、と言ってて、なんていうか山も「首都圏から行ける山」が注目されがちな世界ではある気がするので、そういうとこもいいなと思った。
#文学フリマで買った本 #読書
『ギンズバーグが教えてくれたこと 詩で政治を考える』ヤリタミサコ トランジスタプレス
#読書
この本も面白かった〜。特に福島の原発事故の「現代祝詞 原子力発電所鎮めの詞」(及川俊哉)という詩を知れたのがよかった。探して全文読んでみようと思う。
『タスマニア』パオロ・ジョルダーノ(早川書房)読み終えた。めちゃめちゃ面白かったー!!!こういうの読みたかった!!!みたいな小説で、すごい良かった…。舞台が2017〜2020年くらいだし、広島や長崎といった日本のことも出てくるので「あ…」みたいな事件もあり、なんか「今」読むとすごい面白いやつだ…という感覚だった。
#読書
『アフガンの息子たち』(著/エーリン・ペーション 訳/ヘレンハルメ美穂 小学館)めちゃくちゃ良かった。スウェーデンの難民児童が暮らす施設の小説で、アフガニスタンから逃げてきた3人の少年たちの世話をする、彼らとほとんど年の違わない「わたし」。
トラウマや恐怖と向き合いながら、祖国とは離れたスウェーデンで(差別や偏見も受けながら)暮らす少年たちには、「施設を出ていかなければならない日」がやってくる。
年齢に達したら、送還される可能性もあって…。
規則と、その規則や基準の理不尽さの狭間で、できることを模索し、距離をはかりながら、少年たちとの日々を施設の職員である語り手はすごしている。記録に残さなければならないけれど、「日誌には書かない」という言葉が幾度も出ることが胸に迫った。
『現代詩手帖5月号 特集パレスチナ詩アンソロジー 抵抗の声を聴く」読んでる。しんどい本で、少しずつしか読めないんだけど、「技巧の講義はクソどうでもいい、私の仲間が死んでいる」というヌール・ヒンディさんの詩を読んで、ずっと朝から「表現」ということを考えてる。
「受け取られるために」整形された言葉、というのは、極限状態の人たちが、余裕のある側に「合わせた」言葉を選び、表現し、「それでようやく受け取られる」ということだし、その定形をして、なお受け取られないということでもあって。
訴えているのに、聞かれない言葉があるということでもある。
#fedibird #読書 #FreePalestine
みんなたちへ
尾崎翠の本が出る様子です
https://www.hanmoto.com/bd/isbn/9784864882996
#fedibird #読書 #尾崎翠
『私と夫と夫の彼氏11巻』読み終えた!新刊めちゃ楽しみにしてたから朝イチで読んでしまった🙌
美咲が真樹に気づかず強引になってしまって嗜められるところとかすごくよかった。予告でちらほらと気配を感じていたタカアシガニとは…?って思っていたけど、なるほど…。わたしもタカアシガニの脱皮を眺めて連れを怒らせてしまうタイプなのでニコニコしました。なにより高尾山登山、わたしも美咲と大地と登ってるような気持ちになって、すごく楽しくて(吊り橋怖いよね)「こういう関係が続けられるのいいなあ」と思った。
そしてまた気になるところで終わっている…
https://www.amazon.co.jp/dp/B0CWNZMY29?ref_=kwrp_m_m_ea_sh
#fedibird #読書
鳥写などしながら静かに暮らしています。
『ゆけ、この広い広い大通りを』(日々詩編集室2023年9月)書きました。時々小説を書いて本を作って生きています。