『アフガンの息子たち』(著/エーリン・ペーション 訳/ヘレンハルメ美穂 小学館)めちゃくちゃ良かった。スウェーデンの難民児童が暮らす施設の小説で、アフガニスタンから逃げてきた3人の少年たちの世話をする、彼らとほとんど年の違わない「わたし」。
トラウマや恐怖と向き合いながら、祖国とは離れたスウェーデンで(差別や偏見も受けながら)暮らす少年たちには、「施設を出ていかなければならない日」がやってくる。
年齢に達したら、送還される可能性もあって…。
規則と、その規則や基準の理不尽さの狭間で、できることを模索し、距離をはかりながら、少年たちとの日々を施設の職員である語り手はすごしている。記録に残さなければならないけれど、「日誌には書かない」という言葉が幾度も出ることが胸に迫った。