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imdkmドライブマイカー評をチラ見して思ったが、以前の濱口竜介は演技コードのオーバーライティングや多重性によってさまざまなる摩擦や温度差を前景化させていたが、今回の『悪は存在しない』はいわば「演技の零度」を森に詳しいやつ(自然)として置くことで、他の演技や身振りの温度差を作り上げる舵取りだ、となる。

脚本的には、文明の悪(コンサル)VS自然の対立操作になるわけだが、その捻りが足りないことが不満。「コンサルは悪だが芸能事務所のコンビもかわいそう/でも犠牲になるのはコンサルじゃなくてこの二人なんだよね〜」は捻りのつもりなんだろうけど、いやー、もっとガンガン転がしてもいいんじゃないかな。

人為/自然(身体性)の線引きと撹乱において、日本的シネフィルは初期から宿痾を抱えていて、ヒッチコック的人工空間やラングのファンタジー要素を再解釈することができてない。主として否認するにとどまっている。それらは具体的には日本シネフィルでは、特撮やSFへの侮蔑として慣習化されているわけだが、『悪は存在しない』での自然の極点は鹿になる。

だがここで、「黒沢清なら恐竜をぶちこむのがワンチャンありうる」。これが黒沢清の見世物要素。

怨嗟というものは、意図せぬかたちで不意にどろりと出てしまうものだと考えると、自分にとっても無関係ではないので、この件は他山の石とすべきだな~

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先日のSFイベントの発表、飯田の売れる小説把握の語彙が何か気持ち悪い怨嗟混じりだなと思っていたが、「あなたがたの信奉するSFやファンタジーを語る語彙は全部インテリの気取りのお遊びです。俺の整理だけが現実です」があるからだな。

売れてる小説を「再解釈すればSFガジェットある」にするのも余裕でできるものもあるが、飯田の妙な怨嗟で盲点を山ほど作っているおそれがある。

三宅唱の方が上手くいってる説を小耳に挟んだので、とっとと見ておくか〜となった

黒沢清の頃にあった、ホラーや怪人、スリラーなどのジャンル映画的見世物要素が、その下の世代からはかなり抜け落ちて、文芸趣味との結合が起き、「娯楽映画要素の換骨奪胎や変容」というのが20世紀末シネフィルの仕事が減ってきてるのではないか?とか今日は人と話していた。娯楽をめぐるヨーロッパVSアメリカの図式の衰退の影響もあるし、映画祭を狙うと娯楽VS文芸の秩序を無視できなくなるのもあるんだろう。

シネフィル的観察が研ぎ澄ませた動作や行動への精度は、日常生活的ミニマリズムと相性がよく、ミクロポリティクスのせめぎ合いを捉えることもできる。だが、もっと別の政治的取り組みも見たい。

悪は存在しないの主人公は、類型的には「アラスカの森の賢者は自然知がすごいが、なぜかトランプ支持者」を連想させるので、アメリカの頭いい作家ならあの作品の全要素に政治性モチーフを盛れるかもなあと想定する。

へー、弥助がアサシンクリード最新作の主人公に抜擢か。面白そうじゃん。この機にロックリー・トーマス『信長と弥助』でも読んでおくか…。

amazon.co.jp/dp/4778315561?ref

説明会といいzoom会議といい、会話劇が権力関係を示唆するというふうに使われるようになったのかー、とは思った。ハッピーアワーの頃にはそこまでではなかったはず。ここはポテンシャルかも。

高速道路を走る芸能事務所コンビの車中会話は二人な「これからどうするか」を語るが、タクミや町の住人は未来の語りを持たないというのも対比。タクミは過去しか示唆されないし、狩人っぽい外界認知と対応の系列にはほぼ現在しかない。

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父娘間の霊的伝授の要素があって、タクミが虫のような即時的反応行動をするのも伝授の障害とみなしたからだが、この関係が友達との会話一つない娘の描写を要請してる。その結果「父親視点で描いた『エルスール』」っぽさがあるが、そのジェンダー秩序をもっと操作した方が良かったのでは?とも思えた

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湧水うどん屋がいわば地方におけるミニシアターで外から来るコンサルがシネコンだか、実は両方ともよそ者かつ、濱口竜介にとっては片方を悪にするわけにはいかんので、全部「衰退日本」にする、というのが今作の落とし所。タイトルやコピーの悪や君はそのへんの落とし所ナラティブの導線狙い。でももっと良い解答もありうるかもなーというのが私の感想かな。
見世物要素が濱口竜介には足りないのかもしれない。

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主人公の行動原理は、狩人だとか森の人とかですらなくて、わりと虫みたいなもので、外来者が踏み込んできたから迎撃しただけにも思える。つまり実質ポストアポカリプス映画ですな。

黒沢清の役所広司や哀川翔の現代的読み替え。まあ黒沢主人公ですでに無敵の人っぽいんだが…

コンサルが企画した余所者の説明会には住人たちは辛辣だったけど、町の学童保育の管理がやばやばやろ…はその通りすぎる。そういう意味では「みんなやばい」になる映画かもなあ。隠れた衰退日本モチーフ映画になりそう。
twitter.com/hwashitani/status/

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「気になる綻び」は意図的だろうなとは思った。なんら伏線でもなかった物忘れとか。
鷲谷さんは「荒廃した社会」を読み取ってて、カリスマよりリアルにしたからそうなるんだよなーとも思った。twitter.com/hwashitani/status/

『悪は存在しない』見た。
これは手札を増やして派手さを抑えた黒沢清『カリスマ』の濱口版だな。カリスマと対比すると黒沢と濱口の基本手札の差をだいたい整理できるかもなーと思った。主人公タクミは濱口竜介版・哀川翔演技だと思う

白江幸司 さんがブースト

東京入管イタリア人男性死亡事件の、2022年に入管施設内で自殺されたルカさん。

ルカさんは元々定住者として15年日本に在留していて、結婚を機に永住申請するも不許可となり、離婚し、在留資格を失いホームレスになり、その後入管施設に収容され、自らの命を絶ってしまう。

結婚までは順調だったはず。

なぜ永住申請が不許可になったか。

社会保険料未納が発覚したから。

本人は年金保険料の納付を配偶者と配偶者の勤務先に依頼していたが、納付されていなかったらしい。

rockcd.jp/@fukuyoken3daime/112 [参照]

「みずからをフリーレンと思い込むおじさんのエッセイ漫画」という奇特なものが生まれている。twitter.com/LBomOmzwA7p8hba/st

記事後半は読書指南や読み書き指導ではなく、「大学1年生に向けた、ニュースと高校教科書の後で埋め合わせるべき知や現代の社会問題への、手際良い入門ガイド」になってて、なるほど、バランスよく選書してるなあと思った。

“「これから人文科学について学ぶ人のための読書・動画ガイド」をアップしました。人文科学、特に英語圏の文学/文化を学ぶ学部1・2年生あたりを主な読者層に想定して作ったものですが、よければ社会人や高校生の方にも活用いただければ。

researchmap.jp/multidatabases/

複製、配布自由。定期的に改訂予定。フォーマットはながとくんが倫理学関連文献について作っていたものを拝借、内容の一部は戸田山『論文の教室』から拝借しています。”

x.com/akuzimot/status/17903926

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