ザクセンハウゼン強制収容所から考える、自国の加害性との向き合い方https://d4p.world/news/25628/
中村美耶(なかむら・みや)さん
「強制性労働に従事させられていたとみられる200人強の女性のうち、政府に対して補償を求める申し立てをしたのは4人に過ぎず、その中でも強制性労働について言及した人は1人だけです。中には、色々な役所をたらいまわしにされたり、そこで冷たい仕打ちを受けたりする中で、自分の性被害の経験を話すことに強い心理的抵抗を覚えた女性もいました」
「歴史学の視点からは、“文字になっていないもの”、“記録として残っていないもの”は中々取り上げることが難しい面があります。記録に無いからといって、“なかった”わけではないのですが、本人が声をあげられない問題を明らかにし、そこにあった加害行為と向き合っていくためには、まだまだ多くの課題があります」
[寄稿]日本知識人の覚醒を促す 和田春樹先生への手紙(3)https://japan.hani.co.kr/arti/international/23577.html
“嘆かわしいことは、このような朴教授の著書が日本ではいくつかの賞を受賞し、人気を得ている現象です。「なぜ、こういうことが起こるのだろうか?」その理由について、私はかつて「和解という名の暴力」で、私なりの推論を述べました。「朴裕河の言説が日本のリベラル派の秘められた欲求にぴたりと合致するからであろう。/彼らは右派の露骨な国家主義には反対であり、自らを非合理的で狂信的な右派からは区別される理性的な民主主義者であると自任している。しかし、それと同時に、近代史の全過程を通じて北海道、沖縄、台湾、朝鮮、そして満州国と植民地支配を拡大することによって獲得された日本国民の国民的特権を脅かされることに不安を感じているのである。(中略)右派と一線を画す日本リベラル派の多数は理性的な民主主義者を自任する名誉感情と旧宗主国国民としての国民的特権のどちらも手放したくないのだ。」”
[寄稿]日本知識人の覚醒を促す 和田春樹先生への手紙(2)https://japan.hani.co.kr/arti/international/23576.html
“野党的な立場から国家や政府を批判することは「絶対野党主義」であり無意味である、というのでしょうか? 社会党解体の過程でしきりに唱えられた言葉が「現実主義」であり、「万年野党からの脱却」でした。その勢力が政権内に入り、極右派や保守派と妥協することは不可避であり正当であるとお考えですか。その結果が、前に述べた、原則の放棄と自己崩壊です。和田先生も、この発想を共有されているのでしょうか?”
[寄稿]日本知識人の覚醒を促す 和田春樹先生への手紙 (1)
登録:2016-03-12 00:41 修正:2016-03-12 09:45
https://japan.hani.co.kr/arti/international/23573.html
“しかし、歴史が語っているように、被害者を最終的に黙らせることは不可能です。「蒸し返さない」という約束は両政府間ではありえたとしても、被害者との間ではありえないことです。「慰安婦」問題の真相は、被害者とそれに共感し支持する人々による不断の「蒸し返し」のおかげで明らかになってきたものです。その「蒸し返し」がなかったとしたら、隠蔽された資料が探し出されることも、証人が名乗り出ることもなかったでしょう。政府間でどんな空約束をしようと、今後「蒸し返し」がないということはありえず、必要とあれば何度でも「蒸し返す」ことこそが、被害者側だけではなく加害者側にとっても、正義にかなっているのです。”
――過去を省みるということが、現在の形が決して唯一の正解とか完成形ではなく、本当にこのやり方でいいんだろうか、今後もっとより良い方法はないんだろうか、と思考を止めずに、絶えず自省をして軌道修正していくことが求められてきますね。
ホロコーストとガザ侵攻の狭間で――ドイツとイスラエル(板橋拓己さんインタビュー)
https://d4p.world/news/25715/
“ドイツはこれまで「過去の克服」の優等生と思われてきたわけですが、そこには色々な落とし穴があったというのが明らかになってきたと思います。植民地主義の問題しかり、今回のイスラエル、パレスチナの話しかりで、ドイツがこれまで歩んできた道を見つめ直すことになればと思っています。
さらに言えば日本は、ドイツの「過去の克服」のあり方を、一方では羨ましく思い、もう一方では押し付けがましく思うような目で見てきたわけです。現在のドイツを見て、それ見たことかと溜飲を下げるのではなく、ドイツは自らの過去を、たとえ歪んだ形ではあれ、真剣に考えてきたからこそ今があるのだというのを伝えていければと、ドイツ史研究者としては思います。”
『男性学基本論文集』https://www.keisoshobo.co.jp/book/b639317.html
このあたり面白そう。
>Ⅲ軍隊・戦争研究のなかの男性性
解説 軍隊・戦争研究のなかの男性性[佐藤文香]
7 防衛専門家たちの合理的な世界におけるセックスと死[キャロル・コーン/本山央子 訳 佐藤文香 監訳]
8 ヴェールに隠された参照項――九・一一後アフガニスタン攻撃に関するブッシュ政権の言説におけるジェンダー構築[ローラ・J・シェパード/本山央子 訳 佐藤文香 監訳]
9 国際関係における軍事化された男性性[マヤ・アイクラー/本山央子 訳 佐藤文香 監訳]
解消法は「障害者優遇」なのか 半世紀前の言葉が問う「発想の転換」
障害者文化論研究者・荒井裕樹=寄稿https://digital.asahi.com/articles/ASS4L3400S4LULLI007M.html?ptoken=01HW70W9ZFBMVXPFA784Y2EYZ9&s=09
“「この問題は、車いすの障害者を乗せるか乗せないか、どうやったら乗せられるかが問題ではない。車いすの障害者が当然乗るものという発想の転換こそ必要なのだ」(『母よ!殺すな』横塚晃一 著、生活書院)
障害者は「恩恵」や「施し」としてバスに乗せてもらうのではない。他の人が当たり前に利用するように、障害者もバスを利用する。そのように発想自体を変えてほしい、という主張だった。”
“障害者は誰かからの「恩恵」や「慈善」や「思いやり」の結果として社会で生きるわけではないし、誰かからの「許容」や「許可」の範囲で社会参加するわけでもない。”
あとがきたちよみ
『男性学基本論文集』https://keisobiblio.com/2024/01/24/atogakitachiyomi_danseigakukihon/
“前述のとおり、ヘゲモニックな男性性はその意味が必ずしも一貫しておらず、どの時点での誰の議論を参照してこの概念を捉えるかによって、その用法は必然的に異なる。しかし他方で、ヘゲモニックな男性性や、この概念に依拠して行われてきた男性性研究が一貫して目指してきたのは、男性性役割の理論の乗り越えであり、また、そうではないしかたでの性の不平等がつくられるメカニズムを解明することである。「男たちが「男らしさ」にとらわれているから、性別秩序は変わらないのだ」といった見方は(逆に言えば、「男たちが「男性かくあるべし」から解放されることで、不平等なジェンダー関係は解消される」といった見方は)、性役割理論をそのままなぞっている、という意味でヘゲモニックな男性性以後の男性性研究にはなじまない。”
巻頭言 男性性役割の社会化から、男性性による不平等の正当化へ
平山 亮
就活は茶番、というのはそう。
能力主義は「良いこと」もしたのか(組織開発コンサルタント:勅使川原真衣)https://www.note.kanekoshobo.co.jp/n/n4e621c52f144
“きっと能力の問題にすると都合のいい人がいたんだと思うんですよね、特に権力のある側には。というのも、その個人の能力のせいにすれば責任を回避できることが多いですよね。個人の能力の問題にして、個人に無限の努力を強いて一生涯競争させるという仕組みを作れれば、権力者側、統治する側、体制側は楽です。脅かして脅かして頑張らせられたらとても都合がいい。「向上心」や「創造性」みたいなものを掻き立てることによって、非常に安泰な太ったビジネスモデルが作れる。責任の回避と誰かが潤うという仕組みが見事に能力主義で体現されちゃったのかなという風に思います。コミュ力もおっしゃる通りで、「コミュニケーション」=意思疎通といっている時点で双方向的、相互作用的な問題なはずなのに、無理やり個人に押し付けていますよね。”
20年も経つのか。
「在日コリアンを、自分のことを書こうと思えた」没後20年、作家・鷺沢萠さんに宛てた深沢潮さんの手紙
https://www.tokyo-np.co.jp/article/322028?s=09
炭坑の絵師・山本作兵衛が語る、朝鮮人・中国人らの強制労働https://note.com/katazuketai7/n/n4e853e10cbb4?s=09
「大手炭鉱では、朝鮮からの徴用夫はもちろんのこと、中国人の捕虜や、英米の捕虜が数多く強制労働させられておりましたが、なにしろ日本人の鉱夫さえこんな状態ですから、それこそ目もあてられないような虐待であったようです。運よく生きのびて本国に帰ることのできた者はまだしも、こんな筑豊の炭鉱で息をひきとっていったような人たちは、さぞかし死んでも死にきれない気持ちであったことでしょう。」
(出典:山本作兵衛『画文集 炭鉱(ヤマ)に生きる 地の底の人生記録』講談社、1967年)
「慰安婦」動員の強制性を否定する日本の教科書、検定で追加合格https://japan.hani.co.kr/arti/international/49787.html
“また、同教科書は朝鮮に対する日本の植民支配についても、朝鮮総督府は土地調査を行い、鉄道、ダム、上下水道、病院、電話、郵便など社会基盤を整えていったなどと美化した。また、強制動員問題に対しても賃金が支給されたとして問題がなかったという内容で記述した。”
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