最近ついった全然見てなかったので、今日たまたま確認したのはいいタイミングだった…。そして自分の書いたもの、書いたはしから忘れるので久しぶりに読んだらすごく新鮮…。
もう完全に書くことを忘れつつある…。

ルスハンポストカードアンソロジー、冊子版を受け取りましたので、寄稿させていただいた「タキシード」、Web再録しました。
βさんと組ませていただいて、まさに夢の企画✨でございました。ありがとうございました!
単独で読めるとは思うのですが、Take Your Breath Awayのエピソードと関連しているのであちら読んでくださった方はにやりとしてください(笑)
robasuke1014.wixsite.com/websi

「星がまばらに散るところ」plotmemo.seesaa.net/article/50

ファンデーションS2E4
どんどんよくわからない話になっていくんだけど、帝国軍側にとんでもないエモが詰まっていて困る…。

亡国のスパイ E2 

私がこの男と毎日向き合っているのは、彼の親友だった男について話を聞くため。
それは明らかなのに、ふと一人になった時に考えてしまう。
祖国を裏切った男の妻は数年前に亡くなっている。死因について、男はアルコールのせいだと言った。
けれども彼女が酒に足を取られたのは、一緒に暮らし子供を育てている夫の本当の姿が、彼女が見ているものとは「違う」のだということを感じ取っていたせいかもしれないではないか、と。
そう思わずにいられない。

浮気を疑い、夫の親友に相談しても、詳しく語ることができない仕事のせいだと説明される。
些細な、でも誰にも話せず認めてもらえない「違和感」が何年も静かに蓄積していったら?
誰もが優秀で快活で魅力的な男だと言う夫を、妻である自分だけが信じ切ることができなかったら?

でもきっと、そう思うのは、自分自身にも覚えがあるからだ。
夫は言った。
「ときどき、君と別の人生を生きてるような気がする」と。
あの男の妻もそう思いながら、「魅力的」な夫にずっとはぐらかされながら暮らしていくうちに、少しずつ足を取られていったのだ。不安と疑念が形を変えた、目に見えない何か、に。

亡国のスパイ E1(つづき) 

僕はいつの間にか涙を流していた。
彼の足元に、彼が愛用していた鞄があるのに気づいたからだ。
そして想像した通り、彼はその歌を最後まで歌い終えると、そのまま鞄を手に取って、迷うことなく、僕に何か合図の一つ残すでもなく、まっすぐステージを降りていった。

僕はもちろんわかっていた。
僕はもう二度と、彼に会うことはないのだ。

亡国のスパイ E1 

それは本当にばかばかしいようなコメディで、観客はみんな大笑いしながら、舞台の上で歌う若者たちを見ていた。
僕も最初はそうだった。
軽妙な掛け合いと共に聞こえてくる、少し前に流行った、誰もが知っている曲。
でも僕は途中で、息をのんだ。

いつの間にか僕の目には、舞台の上にいたはずの4人の若者の姿は消えていた。
僕の目に映っていたのは、その曲を歌っている「彼」の姿だった。

彼は歌がうまくて、みなで飲んでいるときなんかに、よく歌いだした。
その曲も、あれはいったい何のパーティーだったか、そういうことは全然覚えていないのに、僕は彼の歌声だけはどうやらはっきりと覚えていたらしく。

でもその時僕の目に見えている彼は、そのパーティーの時の様子ではなく、なぜか最後に会った時の服装でステージの上にいるのだった。
僕は自分がいつの間にか笑うのをやめてしまったことに気づかないわけにいかなかった。

今やステージの上にいるのは、さっきまでやたらに中断し、ドタバタと言い合いが挟まって僕らを笑わせていた4人ではなく、あの日の彼なのだ。
そしてまるで、実際には言えなかった別れを告げるように、彼は僕をまっすぐに見つめながら、彼はその歌を最後まで歌い終えた。

メモ1 

大いなる遺産をまとめて4本見るというばかをやったのですが(ある意味趣味なので)
それでエステラ目線を見たくなった。
でも男の子にしてしまうのだった。(その辺の心理は自分でもよくわかんないところだけど)
そしてその子はトムさんの顔をしている。

トムは古い廃墟のような家で母に育てられた。彼女には財産は十分にあり、彼女の男性の親族が皆そうしていたように、トムをパブリックスクールに行かせることもできたはずだけど、そうしなかった。
屋敷は手入れされず庭も荒れ放題で、広いホールは結婚式のパーティーの準備がされた状態のまま、10年以上放置されている。
トムの母親は近所の人々からは頭のおかしい女と思われていて誰も近寄らない。

母親はトムにずっと「おまえが女の子だったらよかったのに」と言い続けてきた。
妊娠を知っていたにも関わらず結婚式の朝に消えた男を呪い続けている母親は、「女の子だったら近寄ってくる男に復讐させたのに」と本気で思っていたのだ。(...ダメだこれほんとに無理な話だよね)

20230515「天使が隣で眠る夜」2 

なんで俺は、あいつの言うことを断れた試しがなかったのか。
なんで俺は、あいつが一人であの部屋に行くと聞いたとき止めてやれなかったのか。

ミッキーはあの日以来、病院のベッドでただ眠っている人形みたいになっちまった。
もう歌わないし、踊らない。無理な頼み事もしてこないし、金がないからおごってくれとも言ってこない。
でも死んだわけじゃなく、ただ眠っているわけでもない。

誰かが話しかけてやるべきなんだ、と医者は言った。
あいつの同僚たちは他の事件で忙しく、あいつを撃った男をまじめに探す気があるようにはとても見えない。

だから俺が、あいつの枕もとに通って話しかけてやらなきゃらない。
だから俺が、あいつを撃ったんだという若い男を探し出してやらなきゃならない。

面白い話なんかできないが、他に誰も見舞いに来ないから。
捜査のやり方なんて知るはずもないが、他に誰もあいつのことをまじめに考えやしないから。

なあミッキー、俺が犯人を見つけたら、お前は目を覚まして、「もういい加減ただ毎日新聞記事を読んで聞かせる、なんてマネはやめてくれよ!」とか言ってくれるだろう?
礼なんてなくていい。
俺はただ、何かというと踊りだすおまえを見て呆れて笑いたいだけなんだ。

20230515「天使が隣で眠る夜」1 

初めて会ったのは、ガラの悪い界隈のぱっとしないカフェでだった。
俺はいつもそこで昼飯を食うことにしていて、ミッキーはたまたまなにかの事件の聞き込みに来ていた。

数日後、ミッキーはまたカフェに現れて言った。
「あんたのおかげであの女を見つけたよ」

俺は別に記憶力がいいわけじゃないけど、俺がその数日前に見聞きしたことが、何かの手掛かりになったらしい。
詳しいことを聞きたかったわけじゃなかったのに、ミッキーは昼飯をおごると言って、そのまま一部始終を俺に話して聞かせた。
「そんな話まで俺にしていいのか?」
俺は思わずそう言ったけど、あいつは笑って取り合わなかった。

そもそも、仕事と自分の生活の境目がないような男だった。仕事熱心というよりは、他にやることがなかったんだろう。
刑事らしいところなんか、そもそもなかった。
ものすごくだらしなく、仕事中でも酔っぱらっていることもあって、機嫌がいいと歌ったり踊りだしたりする、刑事というよりはチンピラみたいな男だった。

それでも俺たちがよく会うようになったのは、やつにしてみれば俺は、「「手伝え」と言えば文句をたれながらも何かと世話を焼いてくる都合のいいおっさん」だったからに違いない。

20230513「AIR/エア」(捏造) 

「俺にはこの仕事しかない。けど、それができるのはお前のおかげだし……」
そう言葉にしたのは酒の力以外の何物でもなかった。
相変わらずはだしでだらしなくソファに伸びていた彼はちらりと驚いたような顔をして、それから小さく笑った。
「その2つは実際その通りだけど。
……じゃあお前の存在は俺にかかってるんだな、ってことになるな?」

否定しろよ?
彼の目はそう言っているように見えた。
もちろんそうするべきだろう。
けど実際のところ、その通りじゃないか?

俺は首を振るでも頷くでもなく、ただそれまでの会話とはまるで脈絡なく聞こえる言葉を返した。
「今日は特別な日だし。……一人であの部屋に帰りたくない気分なんだ」
ビデオテープが積み上がった、物置みたいな部屋だ。誰かが訪ねてきたこともない。もう何年も。

彼は黙って、放り出されていた長い脚を戻し、そして黙って立ち上がって上着に手を伸ばした。
「帰る?」
「ああ。おまえを連れてな」

5/13「AIR/エア」
そういう映画じゃなかった?(捏造だけど)

20230506「帰れない山」2 

山の言葉で「悲しい」という感情を何というか。
ピエトロとそんな話をしたことがあった。
本を読むようになって、言葉を得て、俺は自分の感情を理解することができた。
友達もいない孤独も、飲んだくれの親父が出稼ぎを繰り返しても貧しく、山の村はどんどん小さくなり、自分の未来を信じられない閉そく感も。
都会へのあこがれはその裏返しでしかなく、俺の居場所は結局山にしかないのだという、あきらめとも違う、どこか深いところで腑に落ちる感覚も。

そして俺が「言葉を得た」のは、つまりはジョバンニのおかげだった。
「本を読む」のは学校でやらされる気の重い課題なんかじゃなく、自分のためであり楽しみなのだと、教えてくれたというよりは、山小屋や村の家での静かな夜に示してくれたのだ。

もちろん、俺は実際には言葉を使って自分が感じていることを誰かに伝えるのは今でも苦手だが、親父や叔父たちはとうとう知らないままだったことを知る機会を得た。

それは俺の人生を変えた。確実に。
選択が正しかったのかどうかは問題じゃない。
たとえ一人で山でいても、俺はもう独りではなかった。それが何よりも大事なことだった。

20230505「帰れない山」1 

あのときもしトリノに行っていたらどうなっていたんだろう?
その話を、ジョバンニとは何度もした。
俺の人生は結局なにも変わらなかったのかもしれないし、まったく違うものになっていたのかもしれない。

ジョバンニは、俺があのときトリノに行っていれば、ピエトロを失わずにすんだのかもしれない、という想像をしていたようだった。
だが俺がしたのは、もしトリノに行っていたら、俺は違う人生を生きた代わりに、ピエトロと山で過ごすことはなかったに違いないという、真逆の想像だった。

ピエトロが山に戻ってきたのは、長く話もしないまま父親が死んでしまった後悔がきっかけだった。彼がジョバンニと会わなかった間、実は俺と山に登っていたと知ったからこそ、彼は俺と、あの家を建て直す気になったのだ。
もちろん、俺には彼以外に友達と呼べるような相手はいないし、間違いなく親友だ。
けれどもそれと、俺たちの間にはずっとジョバンニの存在があったということはまったく矛盾しない。

20230507「ファイブ・デビルズ」 

どういうことなのかまるで分らない。たぶんヴィッキー自身も説明なんかできないんだろう。
ただ一つはっきりしているのは、この子は過去に何が起きたのかを「知っている」ということ。誰かから話を聞いたんじゃなく。
そしてそれは恐ろしい直観につながった。
ジュリアが「見える」と繰り返していた少女というはつまり、この子なのかもしれない、と。

そんなことありえない。もちろん。でもきっと「そう」なのだ、と思った瞬間、私は心の奥深いところで、不思議な納得感を感じてしまってた。
納得感と、震えるような恐ろしさ。
つまり「あれ」を引き起こしたのは誰なのか?
それを考えるのは、ものすごく恐ろしいことだ。

ヴィッキーは、最初にジュリアと会ったとき、私たちの間にあった過去も、そのときの感情も、いろいろなことがねじれた結果、彼女が生まれたのだということも、本能的に感じ取ったのかもしれない。
自分自身の存在自体を否定されるような恐ろしさを、感じ取ったのかもしれない。
そして逆のことを、きっとジュリアも感じとったのだ。

「あの人がいなくても生きていける?」
そう問われたとき、私は答えをはぐらかしたけれども、本当はわかっていた。
10年忘れたふりをしようと務めた。
でもそんなことはムリなんだって。

二ヶ月くらい放置してしまった。
その間に引っ越し2回はなんとか終わったけれども、GWももう終わるなんて信じたくない。

子供の頃の夏、思いきり日焼けした後、布団に入って焼けた肌がひりひりするのを、遊び疲れて重たくなった体が眠りに引き込まれるのを感じながら、目を閉じる。だるくて眠いのに、寝るのがもったいないような、そんな感じを思い出した。
(aftersun)

jktm 「Your Place, or Mine」1-6
某映画の書き換え的な。行き当たりばったりでちょっとずつ進んでいます。
robasuke1014.wixsite.com/websi

20230227「Just Married!」
RHの原稿終わらせた!ものすごく嬉しい企画なので早く見せたい。

古いものを表示
Fedibird

様々な目的に使える、日本の汎用マストドンサーバーです。安定した利用環境と、多数の独自機能を提供しています。