再読。西・南・中央・北アジア、ヨーロッパでの乳利用を見ていく。最後には東アジア、オセアニア、赤道付近のアフリカ、南北アメリカ大陸ではなぜ乳利用が行われなかったのかの仮説も紹介されている。
西アジアの乾燥地帯では、熟成させずに天日で乾燥させてカチカチにした乳タンパク質がぎっしりと詰まったチーズがあるそうな。おいしくはないらしい。
チーズといえばスーパーに売っているような熟成チーズやカビを利用したチーズを思い浮かべるが、こちらはヨーロッパの冷涼で湿潤な気候により生み出されたものなのだそうだ。
あまり深く考えたことはなかったが、ヨーロッパのチーズの製法を見ているとあれば、凝乳を脱水し塩水漬けにしたもので、あれは漬物だったんだな、と認識を更新した。そりゃあ、いぶりがっこと一緒に食べても美味しいはずだ。
イタリアのパルミジャーノ・レッジャーノは富の象徴だったとか、白カビチーズが生まれた背景とか、アジア各地の乳利用の違いも面白いので、食べ物の歴史や文化がお好きな方はぜひ。
本書の最後に出てきた、アンデス高地の「チューニョ」が気になりすぎるので、今度はジャガイモの歴史も読みたい。
人とミルクの1万年 - 岩波書店 https://www.iwanami.co.jp/book/b223828.html
Is My Blue Your Blue? - 自分にとっての青色が、どれくらい世間一般の「青色」の認識とズレているかを判定するページ。ちなみに新山にとっての境界値はhue=182だった。
世界史の教科書を読んで知りうる限りロシアもキリスト教だが、ロシア文学を読んでいると幽霊が出てくるし不思議だなと思っていたのだが、やはりキリスト教+土着信仰らしい。
祖先の霊の化身などとして家守やら色々なことをするドモヴォイとか、四十日の追善までに姿を表す幽霊は哀しむ近親者を連れ去ろうとするだとか、親しみのある境界のものたちが出てくる。
ときどきグノーシス思想っぽい書き方とかカバラが出てきて、スラブの世界観にそれを持ち込むのはありなのか?どうなんだ?となりはしたが、手に入れやすい形態で海外の民間信仰などの片鱗を読めるのは楽しかった。
ロシア異界幻想 - 岩波書店 https://www.iwanami.co.jp/book/b268591.html
昔の東京のようす、国立映画アーカイブの『公衆作法 東京見物』(1926年)もおもしろかった。
「公共マナーへの理解を促すことを目的に製作された作品」とのことですが、帝国図書館(45分くらい)の閲覧室、本のページを豪快にむしりとる大胆不敵な輩が!
迷走台風という用語を、「台風が迷走しているわけではないので用いない」(かわりに「複雑な動きをする台風」という)という説明は同語反復的であり、一般に向けてはもう少し詳しい説明が必要だと思う。
https://www.jma.go.jp/jma/kishou/know/yougo_hp/haichi2.html
気象庁の説明ではないが、 https://dl.ndl.go.jp/pid/3252896/1/56 を読むと、「迷走」という表現は本来通るべき道がどこかにあってそこから外れているという印象を与えるが、台風という物理現象はいつも必然の動きをするもので、人間の予想が外れていたり人間の解析が追い付いていないだけである、ということらしい。
高橋源一郎の今年の作品『DJヒロヒト』 #読書
歴史エピソードと空想のリミックス。「あったかもしれない」的な歴史小説をやっていたり、「あるわけないだろ」的な歴史二次創作をやっていたりする。
昭和天皇(創作)と仁科芳雄(創作)と南方熊楠(創作)と金子文子(創作)とパク・ヨル(創作)と中島敦(創作)と井上靖が出てきます(もっと出てきます)。
軽薄なところとそうでないところの緩急があり、そのおかげで読み続けやすい。
与謝野晶子『みだれ髪』の表紙題名の字は、くずし字をロゴ化したようで、凝っている。
「ミ」のような字は、変体仮名で、片仮名のつもりではないと思う https://cid.ninjal.ac.jp/kana/list/kana/307f/
「れ」は切れていることで「礼」に近くも見える(平仮名をさかのぼると「禮/礼」である)
「髪」のなかの「友」に点がつくくずしかたは http://codh.rois.ac.jp/char-shape/unicode/U+53CB/ にも多く見られる
(これは白黒だけど本物はショッキングピンクらしい)
https://archive.wul.waseda.ac.jp/kosho/bunko03a/bunko03a_00926/bunko03a_00926.html
日本語版ウィキペディアに公共データ利用規約についての記事を作った
#jawp
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%85%AC%E5%85%B1%E3%83%87%E3%83%BC%E3%82%BF%E5%88%A9%E7%94%A8%E8%A6%8F%E7%B4%84
最近のイギリスの #カツカレー ブーム
https://www.vittlesmagazine.com/p/the-katsuification-of-britain
トンカツ + 甘めのカレーソース(ディップ)のくみあわせ
If you're a software engineer and interested in East Asian languages (so-called #CJK), check out the “CJK computer science terms comparison” I edited!
葬儀、遺体
葬儀のことはふだんあまり話題にのぼらないので知らないことが多い。日本や東アジアは比較的火葬が多く、西欧は少ないが最近は多少火葬を選択する人もでてきている、というくらいは知っていたが、遺骨・遺灰についての差は考えたことがなかった。
日本の火葬では、火葬場はふつうは骨の形をのこすように遺体を燃やす。(骨全体が火に耐えはしないので、のこるのは骨の残骸だけど)
西欧の火葬では、基本的に骨の形をのこすことを意識しないばかりか、かりに形がのこってしまっても、粉砕してから遺族に渡すことが標準的らしい。
https://dos.ny.gov/crematory-frequently-asked-questions
> Metallic material is removed and the cremated remains are then pulverized until no fragment can be identified as skeletal remains.
遺族が希望しだいではあるけれど、特別な希望がない場合は多分こうだということだと思う。
リケーとブンケーのちがい:リケーはほぼほぼ理系だが、ブンケーは文脈により文型と文系がある
「日本人の友だちが台風の雨の中うちに来て無言で大量のコロッケを置いて行きました。これは何かの儀式ですか?」
https://old.reddit.com/r/japanresidents/comments/1etiwn6/strange_experience_in_a_typhoon_seasonn/
翻訳、プログラミングなどをしている(翻訳家でもプログラマーでもない)