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再読。西・南・中央・北アジア、ヨーロッパでの乳利用を見ていく。最後には東アジア、オセアニア、赤道付近のアフリカ、南北アメリカ大陸ではなぜ乳利用が行われなかったのかの仮説も紹介されている。

西アジアの乾燥地帯では、熟成させずに天日で乾燥させてカチカチにした乳タンパク質がぎっしりと詰まったチーズがあるそうな。おいしくはないらしい。
チーズといえばスーパーに売っているような熟成チーズやカビを利用したチーズを思い浮かべるが、こちらはヨーロッパの冷涼で湿潤な気候により生み出されたものなのだそうだ。

あまり深く考えたことはなかったが、ヨーロッパのチーズの製法を見ているとあれば、凝乳を脱水し塩水漬けにしたもので、あれは漬物だったんだな、と認識を更新した。そりゃあ、いぶりがっこと一緒に食べても美味しいはずだ。

イタリアのパルミジャーノ・レッジャーノは富の象徴だったとか、白カビチーズが生まれた背景とか、アジア各地の乳利用の違いも面白いので、食べ物の歴史や文化がお好きな方はぜひ。

本書の最後に出てきた、アンデス高地の「チューニョ」が気になりすぎるので、今度はジャガイモの歴史も読みたい。

人とミルクの1万年 - 岩波書店 iwanami.co.jp/book/b223828.htm

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