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『超新星起元』(劉慈欣)
この作品も劉慈欣作品に通底する全ての子の未来を想う大人、教師の描かれていました。

世界が激変した時、自分の持てるものを子どもたちに伝える方法を考えるか、失われたものを嘆くか。自分の不安や嘆きを抑え子どもの前では晴やかな表情と未来への展望を見せることができる、それが感情のコントロールができる大人だと。

ただし、未来は決して大人たちの願った通り、予想した通りにはならない…ですよね。未来は子どもたち、未来の世代にしか創ることができないですもんね。

本棚を一つ増やしました。
猫さん、本棚の入っていた空きダンボールを気に入ってしまう。

保護した時はすぐに空に行ってしまうかもと思っていましたが、なんだかんだ2ヶ月経ちました。

猫姐さん、家に招待しました。
ノミ駆除ほぼ完了しました。
ほとんど寝てます。
先住犬とはまだまだ微妙な距離感ですね。
歯がほとんどないので液状おやつとふやかしフードで様子見しています。
のんびり過ごしてくれるといいな。

『みんなが手話で話した島』
ノーラ・エレン・グロース

遺伝的に聾唖の人が多い島の話です。聾唖でない人も島民みんなが自然に手話を身につけた事で島全体が円滑に回っていた実話。聾唖であったかどうかが個人の特徴として印象に残らない社会のあり方を見ると、障害は困難の無い方の集団が作っている壁だなと改めて感じました。

今の日本だと、なぜ少数派のために私たちが学ばないといけないの?という空気なので壁を減らしていくのは難しいですね。

帯を見て本を手に取ることはほとんどありませんが、この本は帯に円城塔さんのお名前があってつい、でした。

『ヒロシマ・ノート』(大江健三郎)

大江さんが亡くなられて増版が決まり、すぐに予約しました。広島G7サミットの前に読みたいと思って。

この作品が書かれた時、大江さんは30歳くらいだと思うのですが、
"真に広島的な人々"
の威厳に圧倒されている様子がわかります。

John Hersy の『HIROSHIMA 』
にも通じるものがありました。事実は大変重いです。でも私たち大人は出来る限り知ろうとし、子ども達に伝えていかなくてはと思いました。

憲法改正や防衛増税を言う為政者の厚顔無恥さに、以前にも増して怒りがこみ上げてきます…。

『君が見たのは誰の夢?』(森博嗣)

WWシリーズの新作、読了です。
たまたま先日読み終えた『復活の日』(小松左京)と同じく、ウィルスと人類の存亡(子孫を残す)がテーマになっていますが、全く違ったアプローチでした。書かれた時代の違いでしょうか。

もう一つ、集団の意思のようなものについて、両作品とも触れていて、比べて考えるのが楽しかったです。

科学は人がより長く生きられるように発展してきたけれど、その結果、今どうなっていますか?
この先、人類はどんな姿で存在することになるのか、読後あれこれ考えています。

『復活の日』(小松左京)

コロナパンデミックが始まった頃に読みたいなと思い、やっと今頃読み終えました。

60年近く前に書かれた作品ですが、この3年を実況しているのでは…と思わせるような描写に背筋がゾクっとしました。大衆の反応など、まさに。

"たかが"風邪でしょ
"たかが"インフルエンザ

この3年で良く目にしました。
未知の脅威を前にした時の世間の反応は、作品に描かれている通りでした。

いつかのSF作家会議でケン・リュウさんが、未知のウィルスを前に人類は一致団結しなければならないのに残念なことに排除や分断にエネルギーを使っている、というようなことを話されていたのを思い出しました。

学者の良心の描かれ方も印象的で。
人の知性を諦めず真実を伝えようとする学者さん、現実にもいらっしゃるな…と思いながら読みました。

昨年末、実家からもらってきたツルコザクラの種、適当に撒いたら少しだけ綺麗に咲いてくれました。

後ろにあるのはルッコラ。もうすぐ種が獲れます。

我が家の近所の桜、雨続きでほとんど散ってしまいました。

『哲学のなぐさめ』(ボエティウス 松崎一平 訳)

寝る前に少しずつ読んでいます。
小説とは違って、歌(詩)と散文がセットになって交互に出て来るのと、哲学との対話なのもあって、聖書のような感じがします。1日終わりに少しずつ読むのにちょうど良いです。読みながら寝落ちしてしまうことも笑
(私には難しいことも多いので咀嚼に時間がかかることもあります…。)

色々考えてしまう、でもあまり変な考えになりたくない、そんな時期なので助けられています。

読み終わるのに時間がかかりそう。でも、読み終わっても折りに触れ本棚から出してくる感じになりそうです。

ブルース・リウさんのリサイタルに行ってきました。

ショパンコンクール2021の3次予選で演奏された≪ドン・ジョバンニ≫からのバリエーション、本当素晴らしくて生演奏を聴きたいとずっと思っていて、昨日願いが叶いました。

技術がすごいのは言うまでもありませんが、弱音がとても綺麗でうっとり。

アンコールも5曲も弾いてくださって。個人的には
バッハのフランス組曲と
ショパンの3つのエコセーズ
が特に良かったです。

アンコールの最後の
リストの ラ・カンパネラ
は日本人向けサービスかな。

これから行かれる方も楽しんでくださいね。

5月に『劇場版PSYCHO-PASS サイコパス PROVIDENCE』が来ると知り、サイコパス3の復習中です。

シリーズ始めから、常守朱と宜野座伸元がお気に入りです。PSYCHO-PASS シリーズは魅力的なキャラクターが多すぎますね。小畑ちゃんも好きです。

-PASS

psycho-pass.com/

『ユートロニカのこちら側』(小川哲)

読了です。多くの人びとが望むのは、安全で、責任の伴わない自由を満喫することができる世界。この世界に疑問を抱くものは排除されても仕方がない?

"自由の解釈をめぐる戦いだ"

作品中の印象的な言葉です。
そもそもの言葉の解釈の違いから、相手と話が噛み合わず途方に暮れること、ありますね…。

このところ、よく考えて発言している人ほど非難や中傷の的にされることが多く、言葉が機能不全を起こしているように感じていたので、ヒントをもらえました。

そしてやっぱり、小川さんの文章好きです。(読むたびに言ってます)

『日本語教室』(井上ひさし)

読了です。講演の文字起こしなので軽快で大変面白かったです。日本語と日本の未来を明るくしたい気持ちが伝わってきます。

どこを読んでも楽しいのですが特に、
英語を日本語に取り入れた際のfreedom≒自由、right≒権利、
のニュアンスのずれや、
いくつかの外国語と照らし合わせてみた時の日本語の音韻の特徴について、
興味深かったです。

それから、
"母語以内でしか別の言葉は習得できません"
"外国語が上手になるためには、日本語をしっかり"

これは、お子さんの英語が不安な小学生の保護者さんに届くといいなと。私自身も外国語学習で痛いほど体感しています。私の国語力ぅ…。

頑張ります、はい。

『三体0』(劉慈欣)

読了。三体シリーズの前日譚で、書かれたのもシリーズ連載前という事なので、これからの人は『三体0』から読むのもありかなと思います。

具体的な内容は控えますが、とても面白かったです。劉慈欣らしさ、堪能しました。

三体シリーズに限らず短編集もそうですが、劉慈欣作品の自然や宇宙に対する畏怖(人間の傲慢さに対する警鐘)と、魅力的な教師(恩師)・科学者・専門家の描かれ方のバランスがとても好きです。

近頃の、自分の所属していない集団(例えば高齢者とか専門家とか)を疎んじるような、軽んじるような風潮に不安を感じているのですが、読んで少し不安が和らぎました。作品に流れる自然科学と歴史に根差した命へのまなざしが、温かいのですよね。

良い師との出会いがみんなにありますように。

ガトーショコラ焼けました。
思ったより真ん中が沈まなかった。
あとは、しっかり冷めてから粉糖かけるだけ。
食べるのは明日。
QT: fedibird.com/@mamotica/1095665
[参照]

Mamotica/紅丸  
クリスマスケーキ、忙しくて予約しそびれたというか、ちょっと見たけれど高いなぁと思ってしまって予約できなかったというか。 というわけで、数年ぶりに自分で焼くことにしました。

『ゲームの王国』(小川哲)読了。

細部が気になっては何度も前に戻って、歴史の余白と物語、過去と未来、記憶と事実、を行ったり来たりしながら夢中になって読みました。クメール・ルージュの爪痕からこんな物語が生まれるのかと。脳科学や心理学的な要素も興味深かったです。

ゲームのルールは誰が作りますか?

舞台はもちろんカンボジアですが、時々日本と錯覚しながら読んでいて。作者のメッセージ、私はどれくらい受け取れたかな。

間違いなく、今年読んだ本のベスト3に入ります。作品に出会えて嬉しいです。

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