入稿した〜!! ズンチャズンチャ 不備がないと良いが……(いつもある)
📘『楊家将演義読本』を読む。(その4)
★川浩二「日本人は中国の歴史小説をどう読んできたのか:「通俗軍談」を中心に」
江戸時代から明治にかけての、日本における中国の歴史小説の受容について。これ面白かった!「通俗軍談」ものは、まだ正史が出来てない明代の歴史に関する間に合わせだったり、それ以前の中国史を学ぶプレステップとして位置付けられたため、時代的なネタかぶりが避けられる等で取捨選択されていたとか、その後学習という動機を離れより広範な読者向けの絵本になってさらに作品が絞られて明治に至り、その後「中国の今」を知る観点から演劇のネタとして中国の歴史小説が再紹介されるようになったとか。「通俗軍談」が近代以降、日本文学・中国文学いずれの研究からもあまり取り上げられなかったというところ、国民国家の文学の枠組みから外れたマイノリティ文学の研究動向とも似ているような。
★三山陵「家で楽しむ「楊家将」年画」
焦賛・孟良コンビが門神として厩の守護神にされてた件、「適任!」と膝ポンしてしまった。孟良、名馬盗みまくってたものな…
★上原究一「楊家将小説の版本と挿画をめぐって」
やばい扉が開いてしまった。とりあえず積読している『中国古典文学と挿画文化』に向かいましょうか…
多分終わり。参考文献が沢山収穫できて満足です。
今日中に脱稿する するったらする!
『楊家将演義読本』寒くて布団に巻かれているうちに読了してしまった。
★小松謙「元・明演劇における楊家将物語」
★細井尚子「舞台の上の『楊家将演義』」
★平林宣和「京劇の楊家将物と現代中国」
演劇における楊家将ものについての論考。演劇方面全く無知だから、この手ほどきはありがたいし、テキストの作品とは全然違う世界が見えて来て面白い。南方で発展した楊家将物語が元による南北統一を経て北方系の雑劇の題材として取り入れられ、明代の北京宮廷でも行事の際に上演されたのではとか(小松論文)、小説ではそれっぽい出来事はあるものの明確には存在しない「四郎探母」の話とか。遼にとらわれの四郎おじのエピソード、私は割と好きなのですが、中国では生きて敵に降った人物の話だというので売国奴扱いで上演自粛されていた時期があったとか。あるいは新中国になってから作られた「楊門女将」と梅蘭芳の最後の作品「穆桂英掛帥」のアプローチの違いとか。京劇は伝統的なものだと考えてしまいがちだが、考えてみればバレエと同じくらいの歴史な訳で(現在に直結するのはせいぜい19世紀〜)、古典バレエ作品の演出の違いを理解するのと同程度の解像度で京劇作品も見られるようになるといいなと思った。
(多分続く)
水都百景録の絵と漫画 (桂英さん宗保さん夫婦多め)/ ときどき町活🌺 20↑/ 映画感想/ 美味しかったごはん/ 転載禁止Do not Repost.(boostはOK) / 歴史創作はお休み中 / フォロリクお気軽に🙌
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