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情報の単位であるビット(bit)と、ソフトウェア(software)という言葉は、どちらもジョン・テューキーが名付け親なのだとか。すごいな。

――高岡詠子『シャノンの情報理論入門』

"ナチスは父から目に見えるものはすべて奪ったが、考えて推論して知りたいという衝動は残った。父は捕らわれていたが、精神は自由にさまよっていた。私は気づいた。人間のあらゆる欲求のうちでもっとも人間的なのは、知識の探求だということを。"
――レナード・ムロディナウ『この世界を知るための人類と科学の400万年史』

"マネジメントにとって、利益とは、明日さらに優れた事業を行っていくための条件である。同時に、仕事ぶりを測るための尺度である。目的ではない。"
――上田惇夫『ドラッカー入門』

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"世の中には、真理があるとする考えと真理などないとする考えがある。真理がないとする人は、弱肉強食、ご都合主義、自分勝手とまったく話にならない。原理原則もない。進歩もない。とすると、真理はあるとする立場に立たなければならない。
真理があるとする立場に立つと、次に、その真理がつかめるとするか、儚い存在の人間にはつかめないとするかに分かれる。前者は理性至上主義、理性万能主義、いわゆるリベラルである。ソクラテスやフランス啓蒙主義は前者の考えに立つ。後者は、イギリスの保守主義、アメリカの憲法制定者たちの考えである。ドラッカーは後者である。"
――上田惇夫『ドラッカー入門』

"一人でいるときこそが最も創造的なときだと信じて生きてきたが、思想の趣旨が芽生えたのは群衆の中に身を置いたときである。"
――『エリック・ホッファー自伝』

"その本が輝く場所を書店員は見極めている。棚に手を入れる人間によって並びは千差万別。俺が思うに書店の棚は盆栽だ。本棚という生き物を手間をかけて育てているのだろう。"
――藤の よう『せんせいのお人形1』

"日本海軍の将兵は、次のような注意を受けた。魚雷の攻撃を受けて退避命令が出た場合、救命ボートに乗り移る際にできるだけ礼儀正しくせよ。さもないと「世界中の笑いものになる。なにしろアメリカ人は記録映画を撮影し、ニューヨークで上映するのだから」。"
――ルース・ベネディクト『菊と刀』

"彼は新しいことをたくさん学んでいた。そのいくつかはすでに体験していたことで、本当は新しいことでも何でもなかった。ただ、今まではそれに気がついていなかっただけだった。なぜ気がつかなかったかというと、それにあまりにも慣れてしまっていたからだった。"
――パウロ・コエーリョ『アルケミスト』

"ときおり、科学技術に依拠することはあっても、歴史学は科学ではない。有効な場合には科学的手法を用いる文学的な技芸である。しかし、その根本的な目的は、真実の物語を語ることにある。"
――リン・ハント『なぜ歴史を学ぶのか』

"「……われわれは、ネズミがおいしいビスケットを食べた後に出した汚物の中から引き揚げた、粉々に潰れ、虫だらけの、古いビスケットを食べただけで、悪臭のする黄色い水を飲んだ」"
――ブライアン・レイヴァリ著『航海の歴史』

マゼランの航海に関する節より。当時の長距離航海は壮絶極まる。

"「私は、ひとりだ。名もなければ、財もない。無からはじめることなのだ。無に帰しても、悔やみはしない。自分の命を、使いたいように使うだけだ。嗤ってくれてもいい。私ひとりの夢だ。私の夢を押し潰すことは、誰にもできはしない」"
――北方謙三『三国志 天狼の星』

"著名なカストラートであるカッファレッリが不倫したケースでも、やはり浮気相手の夫から殺し屋を差し向けられている。ちなみにこのケースでは、不倫相手自身も殺し屋を4人雇ってカッファレッリの守護にあたらせたため、事なきを得た。"
――グレゴリウス山田『十三世紀のハローワーク』

※ちなみにカストラートは去勢歌手のこと

"かれらは自分たちがどれほどひどい理不尽なことを要求されているのかを十分に理解せず、また、現実に何が起こっているのかに気づくほど社会の出来事に強い関心を持ってもいないからだ。理解力を欠いていることによって、かれらは正気でいられる。"
――ジョージ・オーウェル『一九八四年』

"天才の発明は
百年後に常識になるが、
バカの発言は
千年後も謎のまま輝く。"
――ワタナベアニ『ロバート・ツルッパゲとの対話』

ロザムンド・ピルチャー著、中村妙子訳『ロザムンドおばさんの贈り物』

日常の中の、どこか心に残るお話を集めた、優しい気持ちになれる短編集。ピルチャーの小説はこれを含めて3冊が手元にある。1924年生まれ(今年が生誕100年なのね)の著者は、私がこの本と出会った頃には存命中だったけど、2019年に亡くなったとWikipediaで知った。

レディ・フォーテスキュー著、尾島恵子訳『プロヴァンスの青い空と海』

夫婦で南仏プロヴァンスにやってきた英国女性による、プロヴァンスでの暮らしを綴ったエッセイ。ほぼ100年前、日本だと昭和初期のプロヴァンスを舞台に、おせっかいだけど人情の厚い人たちと触れ合い、トラブルにまみれ、時にカルチャーショックを受けながらも楽しく過ごしていく。本来の人間の暮らしというものは、こういうのかもしれないな、と感じる。高校生の頃に夢中で読んで、ずいぶん久しぶりに読み返してみた。

"プロヴァンス人はこうして人生を楽しいものにしてしまう。"

"言葉は、賢者にとって計数機である。賢者は言葉を用いて計算しているにすぎない。ところが愚者は、言葉をむやみにありがたがる。"
――ホッブズ『リヴァイアサン』

"人間の住むこの星に、正しく茹でたイギリスのジャガイモと優劣を競うほどのものが果たしてあるだろうか。(...)ジャガイモの茹で方は料理術中の秘宝で、誰にでも容易くできることではないからだ。"
――ギッシング『ヘンリー・ライクロフトの手記』

"「シュトルムのインメンゼーは私が読んだ最初のドイツの小説です。あすこにもエリザベートがでてきますが、それが私の知り合いになった最初のドイツの女性です」と言ったら、夫妻は興がり、エリザベートの方は「シュトルムは甘すぎます」と文学趣味の成熟しているところを見せた。"
――渡部昇一『ドイツ留学記』

※『みずうみ』の原題は'Immensee'(インメンゼー)

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"「それはエーリカですわ。たびたび森で摘んだことのある花ですわ」
「僕はうちに一冊古い紙ばさみを持っていますが」と彼は言った。
「以前にはそれにいろんな歌や詩を書き付けたものでした。でも、もう長いことそんなこともしなくなりました。紙片のあいだにはエーリカもはさんでありますが、それも萎びています。あの花を僕にくれたのは誰でしたっけ?」"
――シュトルム『みずうみ』

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