"「それはエーリカですわ。たびたび森で摘んだことのある花ですわ」
「僕はうちに一冊古い紙ばさみを持っていますが」と彼は言った。
「以前にはそれにいろんな歌や詩を書き付けたものでした。でも、もう長いことそんなこともしなくなりました。紙片のあいだにはエーリカもはさんでありますが、それも萎びています。あの花を僕にくれたのは誰でしたっけ?」"
――シュトルム『みずうみ』

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"「シュトルムのインメンゼーは私が読んだ最初のドイツの小説です。あすこにもエリザベートがでてきますが、それが私の知り合いになった最初のドイツの女性です」と言ったら、夫妻は興がり、エリザベートの方は「シュトルムは甘すぎます」と文学趣味の成熟しているところを見せた。"
――渡部昇一『ドイツ留学記』

※『みずうみ』の原題は'Immensee'(インメンゼー)

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